困ったことがおきました。またしてもやられたのです。とはいっても自分ではなく、お客さん。
またしても、というのは100:0の被追事故(というか、サンドイッチの中になってしまった)で、こちらはゼロ過失。ところが、「失礼ですが、あなた様の御車の時価額は…」というパターン。
もう少し詳しく説明します。保険で言う損害賠償責任を問われる金額は時価額が限度という認識をします。ところがこの時価額というのが曲者なのです。
買ったばかりの高年式車の頃はまだいいのですが、今時の平均車齢を見てもわかるように、10年越えの極低年式車も珍しくない世の中になると、修理見積が時価額を超える事案も珍しくありません。20年も前のように5年・7年の代替が時代の主流であった頃ならまだいいのですが、近頃は平成ヒトケタの軽自動車ですら諸経費込みで、下手すると30万近くするご時勢です。いきおい、人間様に限らずお車様も超高齢化車界の時代なのです。そうした世の趨勢を反映してか、辺りを見回すと随分年式のバラエティにとんだ景色が見られます。そんなこといいつつ、自分も例に漏れず平成3年式の車なんぞに乗っている訳ですけど。
寄り道から戻って。ここ10年ほど前から衝撃吸収ボディ構造と呼ばれる設計手法の車が主流になっています。簡単に言えば、車体の前後のエンジンルームやトランクルームを衝突の際の潰れしろとしてあらかじめ設計しておき、乗員に伝わる衝撃を緩和しよう、という構造です。このため、けっこう車の前後というものは簡単に潰れます。つまり、修理金額が嵩むことが多い、ということでもあります。
このため、30万くらいの修理見積という事例は、珍しいことではありません。また、よくある外装色のパール系の塗装も手間のかかる塗装ですので、更に金額の高騰化に拍車をかけています。
よく「僕は対物無制限に入っているから大丈夫」という人がいますが、それはあくまで上限金額というだけのこと。修理見積金額が、時価額の範囲内におさまるか否かは、また別の問題です。
交通事故の場合、当事者同士の話し合い、示談が最優先、という考えをします。つまり、当事者間の取り決めが、法的に妥当とされる解決内容より優先される、という考えです。だから、交通事故の示談内容に警察が介入する訳が無い、という事にもなります。
保険会社としては出さずに済むなら、それに越したことはない、というのが当たり前。つまり、そこに勤めるサラリーマンの事故担当者としては、ある一定以上の額については言えないという事になります。
……、というような記事を4月18日に書きかけていました。ここからは本日4/23に書いています。
あれから数日経ち、何とか事故の示談は解決の方向に向っています。取り合えず予算の範囲内で何とか賄える車を柴田が見繕ってきまして、何とか相手保険会社の見積りも引っ張り、たぶん、落ち着くかな、と。
ところで、他の代理店は何をやっているんだろう、と思います。昨日も共同事務所での会議に出てきたのですが、「保有が云々」とか「何年か後までには全体数字をここまでに持って行き」とかいう話が主でした。それはそれで保険屋さんとしては真っ当なのかもしれませんが、どうも「代理店業法」に謳われるもう一つの役割である「円滑な事故解決」は大丈夫かよ、と。
なんか今日は今度持っていく車の整備で疲れたので、また明日。