ネットで見てみてサクッと見つかったのが先日疑問に思っていた「排出量算定」です。
基本的にはやはり「燃やす原料×産業別排出量係数」ということなのだそうです。しかも自主申告制での。何だかこの時点で雲行きが怪しいですねえ。
単純にいって95%くらいは石油由来の二酸化炭素という事ですから、そこからどのように枝分かれしていくのか?という事なんですね。そこで思ったのは「やっぱり石油を原料とする機関の高効率化」こそが結局は最短距離なんじゃないの?という事なんですが。
例えば良く言う「太陽光発電」ですが、あれってパネルの生産にかかる電力がものすごいということですし、出来たパネルの発電効率は言うほどよくない。また周辺機器の寿命もあるしシステムの廃棄に関しての問題はまだまだこれから、という事ですから「それって大事に大事に石油から発電した電気を送電ロスの無いように地産地消し、しかも効率のよい電気機器で使う」方がトータルでは費やした資源量は少なかった、という事にならんのでしょうかねえ。なんかシステムの生産・配備ありきに聞こえて仕方ないんですよねえ。つまりは「迂回融資なんてことを考えるより直接貸し出せよ」みたいなね。
ハイブリッド車にしても、軽量化されたエンジン動力車と、バッテリーやモーターなどの重量物を抱えたハイブリッド車と実際はどうなのでしょうか。
先日発表された新型プリウスは1.8リットルのガソリンエンジンと60KW(82馬力)のモーター、28個のニッケル水素電池を搭載している、という内容で1350キロ~1310キロの車輌重量となっています。ほぼ同等の大きさのトヨタ車としてはプレミオ(コロナ)があります。ではこちらの車輌重量は?というと1220キロ(1.8リットルエンジン車)。つまりモーターとバッテリーで優に100キロくらいの重量物を既に積載している勘定になります。
でも燃費はいいじゃないか、という声はあると思います。もちろんトータルとして(先ほどの迂回融資になっていやしないか?という観点で)ガソリンのエネルギー変換効率が上がっているのならば文句はありません。ただ疑問なのは「卸したての新車のうちはいいかもしれないが生涯燃費はどうだろうか?」という点と、やはりその生産から廃棄にかかるまでのトータルエネルギーですね。
21キロものトルクを発生させる(これだけトルクがあれば相当な所までモーターだけで走れるでしょう)モーターにはレアメタルがえいやっと投入されていながら、その回収サイクルの確立はまだのようですし、ニッケル水素バッテリーのリサイクルもまだ未知数と聞きます。
初代プリウスの頃はとにかくバッテリーを大事に(寿命を縮めないように)使う設計だったと聞きますが、発売後の「加速が悪い、高速道路で速度が伸びない」などといった無茶で無知ともいえる要求を飲んでいった結果、バッテリー残量をある程度無視してでもモーターを高電圧化・高出力化して使う方向に来てしまったようです。
ではそれの何がいけないのか?という事なんですが、基本的にはバッテリーというものは出力はともかく、入力にえらく手間がかかる、という性質らしく、残量が減ったからといって急速充電させようとしても一気に充電というわけにはいかない、という物なんだとか。でもそこのところをムリヤリ、という形にすると今度は寿命が減る、発電能力が落ちる、などといったデメリットが出る。
回生ブレーキで捨ててしまうエネルギーが回収されている、という論法はこのバッテリーの充電という観点からすると口の狭い瓶に、コップの水を一気に空けて入れようとする行為に等しい、という事なんだそうです。つまり電気を入れようとしてもかなりの割合の電気はそのまま捨てられている、という事。
結局新車のうちはいいとしてもバッテリーが劣化し始めるといつまでたってもエンジンがアイドリングストップをすることなく、いつまでも回っているでしょうし、大きくなったエンジン1.5→1.8はガソリンも喰う、ということでしょう?もしくは当初永久保証だったバッテリーもいい加減安くなった(15万くらい?)ので、保障期間(5年10万キロ)を過ぎた方で御不満があったら交換して下さいということなんだろうか?
まあ、あれこれ言ったところで既に8万台超の受注という事ですから大した物だと思います。全ては杞憂に終われば言うことはないんですけどね。個人的には新型プリウスを買うつもりはサラサラないんですけど。
2 件のコメント:
確かに太陽光発電にしても風力発電にしても、現段階ではコスト的にも、得られるクリーンエネルギーと製造に要する化石燃料エネルギーとの比較で言っても、決してエコロジーではないのかもしれません。
しかし、現時点でエネルギー的(二酸化炭素排出量的)に有益でないからといって、現在の技術開発を簡単に放棄する訳にはいかないのじゃないでしょうか。開発を進めて生産効率やエネルギー変換率を地道に上げて行けば、いずれは、どれかの技術において、製品生産に消費される化石燃料エネルギー < 生み出されるクリーンエネルギー、の状況を作り出せるようになるのではないでしょうか。
現時点で、太陽光発電パネルを家の屋根に載っけてる人々は馬鹿呼ばわりされてはいけないと思います。200万円かけて家の屋根に付けても、売電で元なんか取れっこないことは、付けた家の持ち主も分かっていると思います。しかし、パネルが全く売れなければメーカーも開発を続けられませんよね。政府援助だけじゃメーカーもやって行けません。私たちは省エネ技術の応援者でなきゃいけないんじゃないですか。(かく言う私は、一つもエコ商品買ってませんが)
エコ技術・エコ産業はこれからの日本の主要産業になりうる可能性があります。
さて、新型プリウスはどうなんでしょう。
カタログ燃費はすごいですが、実燃費はどうなんでしょうね。実燃費も大変よろしければ大したもんじゃないですか、重くなっているのに。
いつもコメントありがとうございます。
仰っているのはまったくもって正論だとと思います。
例えば学生時代の電気屋さんのあるバイト時代。当時液晶テレビが実用・商品化されたはしりの時代でした。とはいってもやはり初期の製品でしたから、画面は小さいし、画像ははっきりしないし、しかも値段も高いし、という3拍子揃ったこんなものを売ってもいいのかなんて思ったものです。でも、技術的な応援ということも含めてけっこう多くの方々に買ってもらいました。
では太陽電池をはじめとした昨今のエコロジー商品について。
個人的な印象からくる結論を先に言うと、ホントかよ?という感のある行政側のなし崩しのミスリードとあまりにもファンタジー感溢れる企業側のイメージ戦略は如何なものか?という思いが強いのですね。
別に太陽光発電を馬鹿にして端から無駄なことと切り捨てている訳ではありません。ただ、やるならやる、そしてそういう方向でやるならきちんと資金援助をするなり、政策的な方向付けなり着地点を見据えた方策なりをきちんと筋書きに沿ってやるのならいいのですが、今のいかにも場当たり的な「じゃあエコ」とか「じゃあハイブリッド」といった場当たり的な手当てでは、それに付き合う気になれない、と思っているのです。
以前書いたかもしれないオール電化にしてもそうなんですが、電磁波の問題や電力会社の視点による夜間消費電力量の維持、エコキュート関連の機器の寿命など、マイナス面と、企業としてのエゴといった酸っぱい所や、もちろん「オール電化」化による失火の危険(特に高齢化世帯)が大幅に減少することや永続的に使用すことによる環境面への寄与、発電拠点の分散化による発電所への負荷の軽減であったり災害時のエネルギー供給ポイントの増加などのプラス面とがきちんと俎上に載らないままに、プラス面のみ営業上の都合でクローズアップされたままになっている、という事が面白くないわけです。酸いも甘いもきちんとわきまえた上でという感じが希薄すぎる、といったらいいでしょうか。
もちろん「省エネ応援者」であるべき、という言葉には大賛成です。ただ、あまりにも枝葉末節での対応に終始していすぎるのではという感は拭いきれません。特に政府筋。
メーカー側に対してはこういう経済状況である昨今ですから、正直以前のような鷹揚な態度でいられる経済的な余裕は既にないのだろうなあ、と同情はしています。ただ、出てくる家電の多くは以前に比べ消費電力が多いものが多く(AV関連が特にそう?)本当にエコ志向なの?って勘繰ることも多いです。まあ、図体は大きいですから各部署が全部が全部同じ方向に向く、という事もないんでしょうけど。
プリウスについてはおそらく、以前にも増してモーターの使用領域が広がっているのでしょう。当然の事ながらエンジンの止まっている時間が長ければ長いほうが燃費数字はいいはずなんですから。この辺に関してはトヨタから出る筈の「新車解説書」(ディーラー向けの技術情報書)をこっそりと借りてくるつもりです。最近読んでいないので。
期待しているのは大幅な制御ロジックの改良ですね。ある程度材料は出揃っている感がありますから、あとは料理人の腕次第という領域は増えているはずです。そこに期待はしています。
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