2010年3月31日水曜日

保険会社のミスリード

昔、社会科の授業で「国会は予算を作るのが最大の仕事」云々というくだりがありました。当時は違和感があったものですが、現実的にはお金の注入量に抑揚を付けることで各部門、各機関をコントロールしている(しようとしている)訳です。
これが良いか悪いかはともかくとして、同様の手法で保険会社は「手数料体系」を細々といじり代理店をコントロールしようと試みています。ひねくれた見方をすれば、この手数料率体系を構築する際の配慮不足が色々な弊害を引き起こす根源になっているともいえます。

例えば、火災保険。


ちょと前に朝日新聞か何かで「保険料の取りすぎ」を取り上げられ、あれが発端になって来月からの火災保険料率変更や、保険契約時の「契約者の意向確認シート」取り付けなどという、私に言わせればくだらない作業が増えたわけです。


事の発端はやはり「プロでない人」に仕事をやらせたことでしょう。ありていに言えば銀行ですね。


真面目な話、火災保険の代理店手数料は自動車保険などに比して、非常に高額です。しかもほとんど保険金請求などありません。つまりほとんどの火災保険契約は「取りっぱなし」となっているのが現状です。

しかも、複数年度、特に一般家庭などの火災保険の場合は20年とか30年一括の長期契約で住宅ローンの中に組み込んでいる場合がほとんどです。担保保全とかいう名目で、ですね。まあ、この辺のお話はまたいずれ。



近頃の保険会社は代理店の規模を大きくしていく施策をとっています。素直に考えれば代理店の頭数を減らし、事務品質の高い有力な代理店に契約を統合し、保険会社社員1人の管理できる代理店数を増やしていき本体の人員を削減しよう、という狙いだと思います。


本体の人員を少人数で出来る体制に持って行くのはまあ良いとしましょう。でも、代理店の規模を大きくすることがいい方向性なのか?と不思議でなりません。


私が代理店研修生であった頃言われていたのは「自宅を事務所にするのであれば、事務所の玄関と自宅の玄関は別々にしてください」とか「事務所にはパーティションで仕切られた応接セットを用意してください」とかいう事でした。

何で?と聞くと担当社員は平然として「別個の入り口を備えた、きちんとした事務所を構えていただき、そこには来客者をキチンと応接していただくスペースも備えていただきます。そこには専任の事務員さんも1人常駐していただく。そうした代理店さんを我々は求めています。また、そうした質の高い代理店には相応の手数料率を適応させていただいています。」

はあ。テレビドラマの見すぎじゃねえの?馬鹿馬鹿しい。


来店型といえば聞こえはいいんだろうけど結局それは「契約数を追う」という事に特化した形態であって、契約者のフォロー重視を考えれば事務所は単なる事務所以上ではなく、単なる活動拠点である、という考えだって当然あってしかるべきでしょう?

ネット契約の保険がこれだけ台頭している現状を考えれば、「仕方ないから契約しておく。でもそれほど重要性を見出していないから、できることなら安く済ませられるものならそうしたい。」という風潮はアリアリだと思うんですが。
少なくとも「この人と契約したい」という積極性を契約者に持って頂く為のプレミアムをどうするか、という事を真剣に考えるべきでしょう。偉そうなことを言っていてもそれが私にあるかどうかは分かりませんが。



また、代理店の統合・大型化はいいのですが、しょせん1匹狼の代理店連中は、はぐれ者が多い(私も含めて)ですから「清き流れに似つかわしくない」というか、そういうことが不得手だから独立してきた、という事もあるわけで。


あんまり馴れない事をやらせようというのはどうかと思います。もちろんそういうことにも挑戦していただくのは決して悪いことではありませんが、気が付いてみれば「兵(つわもの)共が夢のあと」にならなければいいのですがねえ。


もう一つ言うと、事故相手の代理店として規模の大きいらしい所とあたると今まで碌なことがあったためしがありません。そういう意味でも嫌だなあ、と思っています。

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