2007年12月28日金曜日

続 過給エンジン 3

近頃、これを書いていて感心するのは、欧州勢の戦略のうまさです。
ターボエンジンに関して思い出すのは、まだセナや中嶋悟がF1に乗っていたころの事ですね。あまりにもホンダのターボエンジンが強すぎて、他のチームの開発が追いつかず当時「Powered by HONDA」が世界中を席巻していました。
あまりにもこれではマズイ、と思ったのでしょう、早すぎるといわれたターボエンジンに関するレギュレーションの改訂がありました。早い話が「もう、ターボはだめよ」という事です。いきなり3ℓの自然吸気エンジンのみ、という事になってしまったんですよね。これによって、一気に開発の比重が空力に戻ってきました。

ディーゼルエンジンにしてもそうですよね。本家本元の意地として、とか、究極的には二酸化炭素の削減が、といわれてはいますが、現実には日本のメーカーを狙い撃ちしているわけですから。

日本国内としては軽油に対して優遇税制を布いてはいましたが、それだけで、基本的には自動車用ディーゼルエンジンエンジンについては野放し状態でした。一部にいいエンジンはありましたが、大多数のユーザーはガソリンエンジンにしか目が向いていなかった為、ディーゼルエンジンは生産基数が少なく、割高。
ヨーロッパの人たちは環境に対しての評価がシビアだからディーゼルエンジンの比率が高い、という噂がまことしやかに流されていました。が、自分の知る限りでは、「軽油が安いから」という理由が大半のようです。あちらからすれば日本は、ネコも杓子も6気筒(どころか8気筒とか)の車に乗っていられる、という信じられない贅沢な国ですからね。

まあ、そんなこんなで忘れ去られていたかのようなディーゼルエンジンでしたが、もともと、ガソリンエンジンよりも高効率である事を目指したエンジンでしたし、敵は(日本は)見向きもしていませんでした。こちら(欧州)はソコソコ台数がでていた事もあり、研究資金も余裕があったでしょう。日本で売ってたクルマは高いのばかりでしたしね。
突くならここだ、と思ったでしょう。で、まんまと狙い撃ちされた、と。先ずはコモンレールからはじまり、ディーゼルの排気規制であるユーロ1、ユーロ2、ユーロ3。敵は無防備でしたし、寝耳に水でしたから言いなりですよね。フライングスタートを切っているわけですから敵う訳がない。

今回の京都議定書にしてもそうですよね。はなから欧州勢は目標規制値をクリアーできる事を見切った上での規制値なわけですからね。アメリカは(途中離脱ではなく)最初から批准するつもりはなかったし、中国やロシアは規制の対象外だし、発展途上国も規制対象外。日本の経済成長を「環境問題」という、心情として、とっても否定しにくい話題で押さえ込もうという、うまいやり口。
教科書の中で「帝国主義の時代」とか「東西冷戦」いうのを見るにつけ、野蛮な時代もあったもんだ、と思うのですが、変わってないんですよね、基本路線は。以前よりは巧妙になってはいますけど。

これらを見て「ズルイ」と憤るよりも、国内の外交の下手さ加減にあきれてしまいます。戦略がなく、知見が低く、誰の為に、という観点が抜けているように感じます。そのために給料が支払われている、という意識が低いんでしょうね。
公務員にボーナスがある、というのがよくわからない人間なんで、どうせならボーナスは成果給として、最初から計上しておくのではなく、予算配分された内で、浮かせた予算の半分をボーナスの原資とする、とかね。人をうまく働かせる仕組みを考え直さなきゃいけない時期なんじゃあないでしょうかね。

という訳で、今日のコラムは、表題とはぜんぜん違う内容になっちゃいました。ゴメンナサイ。
今日の所はこれまで。

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