2008年11月1日土曜日

昔の事。

永くクルマ屋をやっていると、一人のお客様で2回目、3回目の代替ということも珍しくないですし、実際今お付き合いしていただいている方の殆どはそういった方になります。ただ、1台のクルマに乗る期間がこうも長くなってくると、久方ぶりの代替という事もまま、起こる事になります。

で、そこで起こる事(つまりは商談の際の交渉の場面)は、そのまんま7年前、10年前の再現だったりすることも珍しくありません。というより、そのまんま。
普段は調子伺いだったり点検の案内だったり雑談だったりで、そんなことを何年間も繰り返しているので商談の場面でのその人特有のクセなんぞすっかり忘れていたのに、その時になって「あっ」と思い出す。「しまった。忘れてた。」なんてね。「そういえばそうだったよなー」とか。

こちらも商売ですから、よっぽどまでは我慢しているつもりなんですが、今までに何回か商談をこちらからお断りした方があります。なんというか手癖の悪い方というか、商行為の相手とするには、どうもお行儀の悪すぎる方がいるのですね。
礼儀として、商談を持ちかけた、持ちかけられた、のいずれにせよ、話をはじめた以上は良い方向にせよ悪い方向にせよ、きちんと結果を相手に伝えるのが当たり前だと思うのです。でも中には、ギリギリまで引っ張って「やっぱり.....」なんて断り方をする人がいました。嫌なら嫌ではっきりと途中で「ここまで」と言ってもらえれば、こちらもお仕事ですから「ああ、そういうことでしたら結構です」という事で、すんなり引き上げてくるのですが、どうも話を打ち切れない方がいる。
他には、これは新車販売の時でしたが、値引きがうるさ過ぎる人。これも嫌でしたね。新人の時なら兎も角、ある程度以上のキャリアになれば注文書の値引き欄は常にチェックをしていましたから、車種別の上限決済金額(つまりは値引きの通る範囲)は殆ど頭の中に入っているわけです。ところが、こちらのいうことを一切聞き入れず、とにかく「もう一度所長に聞いてきなさい」の一点張りの人。こちらもあまり気持ちの良い商談相手とはいえなくなってきてますから、「それなら結構ですから、もう帰ります」といって何度か帰ってきちゃったことがありました。
実際、最終的には買ってもらった方もありましたが、既に相手に対するこちらの気持ちが冷めていますから、その後のお付き合いは業務連絡上以上のものにはなりませんでしたね。



あ、そうそう。よく「私は所長決済まで行かないと買わない」なんて自慢げに言う方がありますが、あれ、雑誌の読みすぎです。
確かに毎月の所長会議資料には「条件指示枠」と「所長枠」なんていう欄が分けて書いてありましたが、名ばかりでした。所長枠で値引きが収まっている注文書は当時殆どありません。所長の机の横には条件申請書の紙が束になっていたものです。
つまりは所長枠ですら、常に大幅にはみだしている注文書が普通で、そんな中「所長でござい」とばかりに(値引きの)大盤振る舞いしていたら部下に示しがつきません。
つまりはベテランセールス出身であることの多い所長のまとめた商売であればあるほど「こんなもの」という数字でまとめられた注文書が多いのが事実でした。途中、それを逆手に取り、商談中のお客さんに必ず所長を紹介するようにすること、なんて余計な御指導が本社からあったりしたのものです。

自分の場合は、そういうお客さんに対しては、さっさと所長をあてがって条件を切らせていました。「とにかく所長さんが出した条件なんだから......」という事だけで納得してくれるのですから楽と言えば楽なんですが。実際には「よくこんな数字を平気で言うよなあ(つまりは抑えた値引き金額)」とか思いつつ。


本日の教訓。
あんまり人(雑誌・新聞など)の言うことばっかり鵜呑みにしてると碌な事が無い様に思います。相手も同じ人間な訳ですから、結局は営業を味方につけておく作戦の方が良い様に思うんだけどなあ。

それでは今日はこの辺で。

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