まあ、これはおそらくどこの職場にもあることなのでしょうけど、部門間の連絡の悪さというか連携の悪さは、自動車会社も例外ではありません。少なくとも当時は。
何が言いたいかというと、昨日のコラムに対するコロパパさんからのコメントにありました、「下取に出すと同時に、同じ年式・同じグレードの中古車が、自分が出した下取金額+3~40万円のプライスをつけて中古車の展示場に並んでいる」というご指摘ですね。今日はそれについて。
以前は、A店とB店の下取車は中古車センターC店で販売。D店とE店とF店の下取車は中古車センターG店で販売する。といったキメがありました。もちろん各中古車展示場間で商品車を融通しあう、という事はあっても基本的には上記のような暗黙のルールがあったのです。
つまり某店舗のように、中古車展示場と新車のショールームが併設されているような店舗の場合、大概、新車の下取車は隣の中古車センターで販売される事になります。このことは非常に気まずい問題を引き起こす事があるのです。それがコロパパさんの指摘「あれって僕の奴だよね?」です。
自分もお客さんから電話された事がありますけど、ナンバーくらい外せっつーの!このことで中古車部門と大喧嘩した事あります。
そりゃあ、決して高いとはいえない金額で下取らなきゃ転売の際に儲けは出ませんから、ぶっちゃけ、それが下取価格というものです。ですが、心癒えないうちに、数十万円乗っかった金額で次の日から隣に並んでるのを見た日には、おもしろいわけはありません。付き合いの長い営業ならば、嫌味の一つも言ってやりたくもなるのが人情でしょう。
それを察して、せめてナンバーくらい外して飾りナンバーにしとけよ、と。それくらい、したっていいだろう、と食ってかかった訳ですが、「めんどくさい」の一言で終わりでした。
よくディーラーの新車営業は花形だ、だの何だのと言って、よくおだてられますが、実の所は「士農工商」の農、つまり百姓なわけです。位としては武士の次かもしれませんが、実の所は被搾取階級で、今思い出しても「生かさぬように、殺さぬように」でした。
お客さんに頭を下げるのは仕方のないことだとしても、その他、上司には値引き条件を出してもらう為に頭を下げます。
サービスのフロントには、早く作業を仕上げてくれとか、この金額でナビをつけてくれとか言って頭を下げます。現場のメカにも顔を出して、洗車を手伝ったりもします。
中古車部門には、また今度助けて欲しいことがあったら(下取金額のアップ)よろしくお願いしますよ、なんて言って、また頭を下げるわけです。下取車を入庫するときには、いちいち軽く洗車をしておくのが礼儀だ、なんて教えられました。
挙句のはてには、事務のおねーちゃんにまで頭を下げて、新車回送の段取りを組んでもらったりもします。ホントどこまで頭下げてまわりゃあいいんですかね?ってくらい。よく我慢してたよな。ホント。
あるとき、事務の段取りでポカをされたことがありました。自分としても、かなり気をつけて段取りをしていたお客さんのことだったので、いちいち指示を出していたのにもかかわらずのことでした。さすがにカチンときて「テメー、コノヤロー」と事務所の中で張本人を追及しはじめた所、所長に止められました。
止められたその理由が「事務処理をやっていただいている人に対して、その言い草はなんだ」でした。俺たちゃ百姓だな、と痛感しました。そのとき。
またしても終わんなくなりそうなので、今日はこの辺で。綺麗なショールームの裏側では、こんな光景が展開されていたのです。それでは、また。
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