えー。先日ご紹介した事故による損傷箇所の写真ですが、昨日、無事修理が上がり、お客さんにお納めできました。ほっと一息。
ついでに、サービスセンターより続報というか、確認の電話が。とりあえず、相手側のムチ打ちの件は何ともないとのことで、再度の現場検証は避けることが出来ました。メンドクサイですからねー。これはよかったこと。
お次に。相手車の修理箇所について。
こちらは写真の通り、リアの、まあ、側面ですね。相手は、リアバンバーのサイドではなく後ろの面でした。相手側が何を言ってきたかというと、リアフェンダーにエクボがある為、そこも直すので修理見積は15万円だ、とのことでした。???りあふぇんだー?どこ?という訳で、先日の写真をよーく見直したところ、これを言っているのかな?という箇所があるにはありましたが「こんなトコ、どうやったらあたるんだよ?」という場所のエクボ状のへこみ。こんな修理箇所認められるわけないでしょう。
しかも、「リアのアライメントが狂っているかもしれないので、見てほしい。ついてはその分も保険で出してくれ。」確かに保険は現状復帰が原則ですから、この事故が原因と思われる箇所の修復、もしくは考えられる損傷箇所の調整についての費用も支払われます。ですが、「こんな程度のあたり方でアライメントが狂うわけねーだろ。」ただ、相手側が言うには、現場確認の際に柴田が「アライメント調整の費用も出ます」と言った、ということで確認の連絡があったわけです。うーん。頭痛くなってきた。自分が、そう賢くないのは自分でも承知してますが、さすがにそこまで想像力豊かじゃあありません、ワタクシ。という訳で両方とも激しく却下いたしました。
別に出し渋りの援助をするつもりはありませんが、どうせやるならもっと賢くやってください。いくらなんでもレベル低すぎです。せめて、バンパーのステーが、とかリアエンドパネルが微妙に歪んでました、とかね。あと、首が、、、と言って何度か医者に通い、そこで慰謝料をシコシコ稼いでもらう方がいいと思います。どうせ請求されるのならレベル的にそちらの方がまだマシ。自分の搭乗者傷害からも出るでしょうしね。アライメントが、と言うのなら、その分で十分に賄えるでしょうに。あ、あくまでお勧めしているというわけではありませんので、念のため。
直接に無理なく理由が繋がる修理箇所については、「同一原因による損傷」とみなされますから、それは保険の支払対象修理となります。あんまり書くとグレーゾーンの話なので、この話はこの辺まで。
そんな経緯はともかく、ほぼ同じ角度から撮影した修理後の写真です。うーん。お見事ですねえ。さすがプロ。
僕はプラモデルの経験しかありません。よく鈑金屋さんや修理業者さんなどは「実物大のプラモデル」という言い方をよくしますが、人様のクルマをお金を貰って直すというのは、また、別の勇気ある行為だと思っています。
先ず、クルマの構造を知らないとバラせない。例えば、この修理の場合。リアバンパーを先ず外します。傷はホイールアーチの前と、一部ドアにもかかっていました。そのドアですが、塗る、となれば中央にある傷つき防止用のモールを外します。これは両面テープですから交換。それと、以前他の業者がやったらしきヘタクソ修理の跡がドア中央にくっきり見えていました。「これも気に喰わないから、どうせ塗るなら一緒にやっておきます」とのこと。これをやるとなれば、ドアの内装も外す事になります。
お次に、当然ながら鈑金そのものの腕。安く早く、というのが時代の流れではありますが、鈑金修理でこれを実践しようとすると、ほとんどの場合、大量のポリパテのお世話になる、ということになります。
別にポリパテが悪いとはいいません。ただ、あれは材質が密ではなく多孔質の材質です。結論を言うと湿気を吸ってしまう為、厚く盛ってしまうと下の鉄板が錆びてしまうのですね。このため、きちんと気を回す方は、なるべく鈑金ハンマーと当て木を使って修理する方法をとります。半田もいいのですが、あれは密着をよくするためにフラックスを使用しますから、きちんと中和作業をしないと鉄板そのものが腐食してしまいます。
そしてメインイベントの塗装作業、とその前のきちんとした下地作業。手を抜くと、せっかくの苦労が台無しです。そして色あわせ。塗料の材料もきちんと揃えておかないといけません。そしてエアーガンのガン捌き。そして、その後の仕上げ磨き。なんだか、気が遠くなっちゃいます。
おそらく神経を集中している事と、埃を嫌う、という理由でしょうけど、この本塗装の作業段階には立ち合わせていただいたことが殆どありません。一回見てみたいなー、とは思いますが、まあ、邪魔なんでしょうね。実際。
そして、作業しっぱなしというわけにはいきませんから、復元作業。
それだけならまだいいのですが、事務仕事があります。特に保険仕事の場合、保険会社との見積もり金額の折衝があります。希望金額を通す為には、保険会社の担当者以上の知識と見識がないと、向こうの言いなりの金額になってしまいます。それがまた、ディーラーなんかの下請け仕事ばっかりだと更に納入金額の事がありますから、とても大変な事になります。そんな事、保険会社はお構いなしで値切ってきますから、防衛手段は講じておかないとね。
そんなわけで、僕は鈑金屋さんを見ると、つい尊敬と羨望のまなざしで見てしまうのです。もちろん、その腕や修理方針を知っているから、というのもありますが、到底僕には手が届かない所にいらっしゃいますからね。僕自身が何度もお世話になっている、という事もありますが。
今日はこんな所で。
1 件のコメント:
板金屋さんにしても医者にしても、技術と人格を備えた、いわゆる「あたり」のヒトに治してもらいたいですよね。
板金屋も医者も職人ですから、技術(腕)なしではやっていけませんが、人格というのも大事ですね。何のために仕事をしているか。もちろん、生活のために収入を得ることは大事ですが、やっぱり車を愛し、また患者を愛し、その車・患者にどうしたらベストの治療が行えるか。もちろんコスト対効果を考えつつ最善の手段を取る。腕が悪ければコスト(入院期間)も上がる。
尊敬すべき人格者がいる一方で、とんでもない人格障害者もよく見かけますね。記事の中の事故相手みたいなヒト。異常なクレーマー。お巡りさんだって、教員だって、もちろん医者だって変な(時には異常な)ヤツはいっぱいいます。こんな奴らには当たりたくありませんね。
まあ、個人営業だったら、自滅ですけど。
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