ここ数日は、センサーの故障が相次いでいます。近頃の人気ナンバーワンはO2センサーです。
排気ガス検査機器大手「ホリバ」の社長曰く「センサーなどという精密機器を排気ガスの中に突っ込むなんて、以ての外だ」ということを当時、排気ガスの検査機器の開発を提案した開発者に対して言った、ということですが、その言葉通り、排気ガスの出た直後に設置されているO2センサーが相次いでお亡くなりになっております。やっぱ、こんな所にセンサーを設置しようという方に無理があるんだろうなあ、という感じです。
たかがセンサー、されどセンサー。実はこいつ、ちょっと値の張る代物で、部品代2~3万プラス工賃という、作業のゴーサインを出すのにはちょっと躊躇してしまう金額のブツなんです。
そのお役目はシリンダー内の燃焼状態の把握です。
つまり、排気バルブの直後に排気ガス中の酸素濃度を測るセンサーを設置し、排気ガス中にある酸素濃度を測定することで、より完全燃焼しうる燃料の濃さを計算し、改めて燃料噴射量を再調整しよう、というものな訳です。「酸素が残ってる」イコールNOx生成量に直結しますから。
まあ、NOx規制値に極端に比重が高いらしい現行の排気ガス規制内容が如何なものか、という事は置いておくとして。
直噴ガソリンエンジンの頃になるとシリンダー内部に直接センサーを突っ込んで、なんて話も目にしましたが、それ以前の話だと排気ガス中の酸素濃度を測ってそれを元にフィードバック制御を行う、という手法が一般的であったようです。
ちなみにその後、O2センサーは排気ガス中の酸素濃度を測るだけでなく、ピストン吸入側にも設置されるようになり、INとOUTで、出入りの酸素量の差を測る、なんてことまでするようになりました。
余談ではありますが、最近流行のV6だとか、V8なんてエンジンになると「INとOUT」の2つで一組のセンサーが「左右の片側バンクごとに1組づつ」、つまり計4つのセンサーで構成される仕組みになっているものもあります。
もう一つややこしいことに、センサー部が冷えていると上手く検知部が機能しないなんて事があるようです。このためエンジンを掛けた直後から直ぐにセンサーが働くように「O2センサーヒーター」なるものまで組み込まれているそうです。で、またここがよく壊れるんですね。
巡行状態の燃焼状態はともかく、最近の排気ガス規制は冷間始動直後(つまりちょっと濃い目のガスを入れないとエンジンがかかってくれない時期)の「一番排気ガスが汚れている領域」を改善しないと規制値をクリアするにはどうにもならないレベルまで来ているようなので、ここの領域でセンサーが作動してくれないと規制値が通らない。もう、ムリヤリ寝ている子を起こして働かせるもんだから余計な所が壊れる、というループを形成しつつある訳です。
以上の事をまとめるとこういうことになります。
エンジンを掛ける
↓
エンジン制御をするための大本となる情報収集のためセンサー作動開始
↓
(エンジンは普通に動いているが)センサーが壊れるorセンサーヒーターが作動しない
↓
センサーから来るべき情報が来ない
↓
コンピューターが「エラー状態」と判断
↓
メーター内のウォーニングランプの種類は限られているので、大概「エンジンのウォーニングランプ」が点灯する
↓
ドライバーは「何かやばそうな感じの形をしたランプが光っている」と思う。よくあるパターンとしては「壊れた」と思いこむ。
↓
「柴田さん、変なランプが点いてる」と電話がかかってくる
となります。
もちろん環境保護は励行されてしかるべきだと思うのですが、そのために大掛かりな仕掛けを構築され、それにまた脆い部分があり、そのために更に廃棄物が増えているということもあるループは如何なものか?という気がしないでもありません。
そんなことよりも、通常求められる程度のスペックの機械はともかく、どう見たって過剰なスペックの機械を嗜好する方々からキチンとそれなりの負担を背負ってもらい、代償を払ってもらうほうがいいような気がするんだけどなあ。どうせその方が余計なエネルギーを食うし、さらに過剰な廃棄物を排出するんだし。
例えばエンジンのシリンダー数は6発以上、1気筒辺り500ccを超える排気量なら贅沢品とみなす、とか。その辺までが庶民としての分相応の範囲だと思いますけどね。加えるならば車両重量1.5トン以上とかさ。普通に使う分には4発・2000ccの1.3トン程度までで十分でしょう。
なんにせよ、センサーなんぞ使わなくてもいい程度のスペックを指向していくべきだと思うんですがね。
話は変わりますが今回、車齢18年超の車は重量税の減免が無いとのことなんですが。
ええー?そりゃあないでしょう?逆にあの頃までの車は軽かったんですから。
ということで今回の措置により確実に初期ロードスターユーザーの支持をなくしましたね、民主は。まあ、元々そんなものはなかったという説もありますが。
ということで今日のお題は「本体は壊れていなくても、付属品が壊れることで泣きを見る」というお話でした。それでは。
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