2010年6月16日水曜日

コルサのディーゼルターボ

私は売ったことがないのですが、昔先輩社員がマークⅡセダン(81系)のツインカム24などという珍しい車を下取にして、またまた珍しいコルサのディーゼルターボを納めた所を目の当たりにしています。
その時の先輩社員もコルサのディーゼルターボなどというモデルを納めたのは初めてらしく、「こんなんで大丈夫かなあ?」とか言っていましたが、納めて下取のマークⅡに乗って帰って来て一言。「マークⅡよりよく走る。ありゃあいい車だなあ」。

その後暫くして両角さんという自動車評論家の方が編集されていた自動車技術関連の本を見たのですが、その中にも採り上げられていましたね。コルサのディーゼルターボのエンジンが。「セラミックタービンのレスポンスのよさが十分感じられる、非常によくまとまったエンジン」と評されていたかなあ。


そんな訳で私のコルサディーゼルターボに対する評価は「ボディはしょぼいし、全体のまとまりも突出したレベルじゃあないけどけど、エンジンだけはピカイチ」という事で固定されました。



さて、318iはともかくとして、コルサディーゼルターボ。ちょっと探してみると北海道で1台36万円で並んでいるのがあるようです。うーん。高い。


ガソリンエンジンのコルサだとせいぜい10万ソコソコですからねえ。

まあコルサを並べているクルマ屋としても「下取で取ったはいいが、捨てるには勿体無いし、かといって商品力があるわけでもないし。まあ、売れたら儲け物くらいの感覚で並べとくか。」という下心がミエミエの金額で並べている所ばかりです。

すると、ハタと考えたのが「果たして幾らくらいまでの価格差ならば、燃費で車輌本体の金額差を埋めることが出来るのか?」という事です。比較条件は以下の通りとします。



年間走行キロ1万キロ。


コルサディーゼルターボの燃費は18キロ(マニュアルでもあるので)で計算。

コルサガソリンエンジン車は、ほとんどがATという事もあるので12キロで計算。

ガソリンの価格はネットに出ていた浜松の志都呂のコスモの現在表示価格で計算。

ディーゼルで111円/ℓ
レギュラーガソリンで136円/ℓ


これで計算すると、各燃料の年間消費量と、その燃料代は


ディーゼル→555.5リットル×111円=6万1660円


ガソリン→833.3リットル×136円=11万3328円






ということで、上記の条件でいくと
燃料代の年間差額は5万1668円となりました。結構差が出るもんだなあ、と思います。問題はディーゼルターボが18キロの燃費を叩き出してくれるかどうかにかかっているんですが、こればっかりは乗ったことがないので、何とも言えない所です。売っている業者の言葉を鵜呑みにするしか無いですねえ。
当時の新車のディーゼルの燃費数値は10.15モード表示ではなく60キロ定地走行データしか表示義務がなかったので、比較計算のしようがないんですよねえ。


ま、それはそれとして燃料代の価格差が5万強。仮に2~3年乗るとしたらそこで10万から15万程度のアドバンテージがある筈という事になります。


でもねえ。うーん。ほぼ同じ状態のガソリンコルサとディーゼルターボコルサがあったとして。

両者同じ金額なら勿論ディーゼルに軍杯が上がるでしょう。

でも20万以上の差があるようなら選択の余地は無いですねえ。そうまでしてディーゼルを選ぶ意味が薄すぎる。まあ、あの低速トルクは捨てがたいとしても。


ではどの辺がギリギリの許容範囲か?となると。



うーん。





いいところ5万から10万までかなあ。でも+10万円までは出したくないなあ。


ガソリンコルサが10万円なら、ディーゼルコルサは出しても15万円。20万では意味が薄いでしょうねえ。いいトコ17万円位までか。

ちなみに新車時の車両本体価格では20万近く差があったようです。つまり20万ほどディーゼルターボが高い。で、まだ新車ならば価格差の取り返しようもあるとは思いますが、もはや10年以上前の中古車で同じ価格差が存在するとすれば、異様に高い値付けであるということにもなります。そこまで出すならサクシードやプロボックスバンのディーゼルも十分視野に入ってくるし。


よく、欧州ではディーゼルがエコエンジンとして認識されていて云々、という文章を見ます。まあ、決して間違ったことを言っている訳ではないでしょうけど、現実問題としては「政策誘導された軽油の安さ」と、「ディーゼル車の販売価格」だって、決して見逃せない要素の筈だと思うんですけどね。

きちんと作られたディーゼル車ならば、決して受け入れられない車にはならないことは、ハイエースワゴンの販売比率が圧倒的に3000ccのディーゼルターボが主流であったことが証明しています。あの時もガソリン車のほうが20万ほど安かったのですが、比較対象にすらなりませんでした。「ガソリン車ガソリン車」といい始めたのは石原さんの「ディーゼル悪者論」以降の話です。

こうした「初期投資金額の差」のことも、きちんと論じて欲しいなあ、と思います。



それはそれで、コルサのディーゼルターボ。もう少し安く出してくれるところを探して見ましょうかねえ。

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