2010年6月27日日曜日

潜在顧客という幻想 日産・マツダetc

何処そこのメーカーのファンを公言する方は珍しくありません。代々日産車ばかりで、とか、ロータリー大好き、とか。スカイライン一筋とか、ロードスター最高なんて仰る方もいたりします。これは買う側のお話。

では売る側からすると、こういう方々はどのように映るのか?


そう、言っちゃえば単純に「潜在顧客」としてカウントされています。マツダがロードスターの記念イベントを打つのもそれでしょう。とくにメーカーとしては。先日の20周年イベントも「協賛」ではなく「主催」であったはずですし、あの場で「ND(この型式になるかは不明)」型の開発が発表されたのも、その一環のはずです。少なくともイベント予算確保のプレゼン上はそうなっていたかと。


でも、実際の販売現場に居た人間からすると、「
実車を前にしてよーしゃべる人ほど買わない。というか、黙ってジッと見ている人の方が「確度は高い」と思ってます。



確かにファンというのは大事にするべきなんですが、ファンには2通りあって。


一つは、スカイラインだと言われれば。新型が出たよ、と言えばウンも寸もなく2つ返事で「じゃあ第一号車で持ってこい。2番なら要らんぞ。」と言ってくれる方々。これは確実に数が見込める分です。


じゃあ二つ目は?

常々「好きだ」「ファンだ」「昔っから.....(以下略)」とか言ってくれている方々なんですが、あまりにも思い入れとその熱量が高いので、スカイライン等という名前だけでは満足してくれない層です。
その中味までが詮索の対象で、「あそこがどうの」「やはりストレート6が云々」「丸目のリアテールが......」「サーフィンラインは良かった」などと延々と言われて、結局と言うか最終的には「これは思っていたのとは違う」と来る。付き合わされたほうとしては堪りません。

つまり、延々とその愛情の対象に対して情熱を持ち続けているものですから、好きなことは事実なんですが、買うという行為に至るまでのハードルが高いといったらいいのか、審美眼が育ちすぎていると言ったらいいか。


で、結局は買えないんですよね。得てして。メーカーとしては新車が売れなきゃあ話になりませんから、こういった層はお金にならない。

でまた、往々にして次の新車を出すと「前の手の方が良かった」なんてこきゃあがる。次に期待、とかね。

メーカーってかわいそうだなあ。

ありがちな事例として、結構こういう層に向けて焦点を絞って次期型が開発されている例は枚挙に暇がありません。比較対象が他にないから仕方ない部分もあるんだけど、大概先代と比べてココとココをこのように変えてきましたってのが常套句なわけで、ココとココをこういうふうに変えればもっと売れると思ってやってきたのにねえ。



なんか既に日産は割り切っている感も無きにしも非ずですが、呪縛にとらわれているっぽいのがマツダかなあ。「スポーツの名の下に」というか。

でも今までマツダの苦境を救ってきたのは、その殆どがプランニュー車ばかりっぽいのも事実ですよねえ。

で、意外にというかある意味当然とも言えますが、がんじがらめなのがトヨタでしょうね。保守本流は堅持しつつも割り合い外していなかったと思うのですが、ここのところ売れなくなって、本体にも余裕がなくなってきていて。

まあ、適当に先代の事は忘れて、勿論いいところは継承して欲しいですけど、その上で作って欲しいなあ、と思います。

0 件のコメント: