2008年1月21日月曜日

私はこーしてダマサレタ 火災保険編 その1

実は、車屋にいた頃には既に火災保険の資格は持っていました。
「損害保険 
上級資格」とかいう奴です。

何が上級なのかは知りませんが、実務能力は
最低級でした。まあ、いわゆるペーパードライバーみたいなもんです。なんせ、契約書の書き方も知りませんでした。

よく、手は動かないが、クチで直そうとする整備士、という話がありますが、それよりもタチが悪いです。クチすら動きません。

代理店の報酬規定(手数料を何パーセントくれるのかというキマリ)に「上級資格者の在籍人数」とかいうのがあるようです。
つまり、単に
人数合わせとして、業務命令で「資格を取りなさい」ときた訳です。
まあ、ディーラーの保険資格なんて
そんなもんです。

そんな僕に、親戚のおばさんから「アンタんとこで火災保険もやってるの?」ときました。

たしかに、やってはいるけど、やり方はよく知らないし、かといって断わるのもどうかと思うし。
それともう一つ。
当時、会社をそろそろ辞めようかと思っていたので、加入してもらって、すぐに辞めたら後で何言われるか分らないので、「調べとくよ」と一言、言ってその場をごまかしました。今から思えば、なんて良心的なんだろう、と思います。


平成10年ごろ、生損相乗り、とか言う規制緩和がありました。
生命保険会社は損害保険を扱えるようになり、損害保険会社が生命保険を扱えるようになったのです。

ご多分にもれず、金になりそうなものなら、
なんにでも手を出したがる
ディーラー経営陣。誰にそそのかされたのか、
こぞって自社の営業マンに生命保険の資格を取らせました。

クルマと一緒に生命保険も売らせよう」という作戦を立てたのです。

なんせ、一時はセガ(注:湯川専務の頃)の「ドリームキャスト」まで売っていたのですから。

クルマの営業が、生命保険やゲーム機・携帯電話(KDDIはトヨタ系列)・トヨタカードの会員募集・固定回線のマイラインなどなどを「そろそろ車検ですけど……、」とか言いつつ、一緒に売ってこい、という発想って……。

そんな違和感たっぷりの営業をやらされる身にもなって欲しい。


経営責任という言葉は、彼らの辞書にはきっと無かったのだと思います。
後年、労働組合というものの支部長とか、何とか委員とかのメンバーになったことがあります。
その時、本社の「販売促進部」の倉庫の片隅に、「ドリームキャスト」の本体が、まだあったを私の目は見逃しませんでした。
あるときイプサムのご成約記念として使われていましたが、まだ残ってたのね。お客さんからは、

なんでプレイステーションじゃないの?」とよく言われたっけ。僕に言わないで。

私もそう思ってました。



規制緩和そのものは、別に悪いことだとは思いません。
ただ、会社員としての立場で言うと、

余計な仕事が増える」と同義語である場合も少なくありませんでした。
これは、銀行員にとっても同じであったと思います。


窓口が同じ。同じ金融業。保険業界にとって銀行・金融機関は

積極的な推販(大口契約)が、お願い(期待)できる
新たな販売経路であるにすぎなかったと思います。

後年、私の身に降りかかる余計な仕事は、こうして着々と、その素地を整えつつあったのです。

つづく。

0 件のコメント: