2010年2月28日日曜日

トヨタの失速につながるか?

先日、トヨタ自動車社長の豊田章男さんがアメリカに行って釈明をしてきました。これについて日本政府というか鳩山君の発言を聞いていないのですが、本当に大丈夫か?と思うのは心配しすぎなことなんでしょうか?


私は昭和44年12月生まれですので直近にオイルショックがあり、当時の状況は今までの右肩上がり一辺倒が当たり前という訳ではなかった世相かとは思いますが、それでも随分と日本は豊かになり、それが当たり前と思いつつ育った世代です。
つまり何をもって日本が豊かになったのか、という理由が分からない世代です。

アメリカは人口こそ日本の2倍ほどあるとはいえ、国土面積は24倍ほどもある国です。もちろん不毛の土地もそれなりに多い訳ですが、やはり土地の広さとい う豊かさと、本質的には農業大国というキャパシティ、そこに眠る地下資源の豊富さという、かつてのブロック経済が成り立っただけはある元々の豊かさがある わけです。
それに加えて軍事力という有無を言わさぬ無言の背景も持っています。もちろん、その軍事力の源泉たる武器の開発能力と製造能力も。


何が言いたいのかというと、結局アメリカは、日本がいなければそれに代わる役割を担う国を見つければそれでいい、という側面が強い訳ですが、日本はそうではないということです。
「国土も狭く、でも人口密度は高く、地下資源に乏しい」という事から、「資源を輸入し、製品化をし、それを他国に売る」、ということで外貨を稼ぎ、それによって食料その他を輸入できる原資を作ってきた国です。それが今の豊かさの源泉だろう、と。
それが「買ってくれるところに見放されだし、技術水準は技術供与なんて言っている間に他国に追いつかれだし、なおかつ工場はどんどん外国に移転している」というのが現状ではないのかな、と見えます。


あんたら本当に大丈夫か?とね。幾ら商品を造っても、それが売れなきゃお金には換わらず、オマンマ食い上げになるんだし。幾ら月末になっても回収できた現金がなくては給料なんぞ払いたくても払えんのよ。本当に。
幾らお金を持っていても、今ならまだ日本円で買いたい日本製品があるからいいようなものの、欲しい商品がなくなれば日本円の価値なんか無いだろうに。例えば日露戦争開戦前の日本国債みたいなもんで。


もっと必死になるべきじゃあないのかなあ?国を挙げて。
実際に、純粋に外貨を稼いで来れる企業なんて10社にも満たない、なんて話もあるわけだし。なんか他人の話みたいな風潮があるけど、決して人ごとではないと思います。


昔は「田んぼも持っていない様な家に、娘は呉れてやれん」と言っていたそうですが、最後は食料と水でしょう。
観光立国なんて甘っちょろいことを言う前に、耕作放棄されて荒れ果てた農地(と景観)を何とかすることを考えた方が先だと思うんですがねえ。農業をする平 均年齢が既に60を超えている訳ですが、早く手を打たないと、そのうち米の作り方や野菜の作り方の伝承すら途絶えるんじゃないか?と思えるんですが。

また、今のお百姓さんは農地解放でタダ同然で農地を手に入れて、その土地をアパート・マンション、工場用地や新規道路や区画整理やハコモノの敷地として切り売りして生計を立てている、という所も珍しくない訳です。それを先祖伝来の土地が、と言われてもなあ。

ちなみに私は今真剣に百姓の開業を考えています。第三の生活手段として。オヤジが死ぬ前に何とか、とね。

いや、実際マジでニート対策なんていう甘っちょろいことを言ってる余裕はないと思うんですが。それはそれで豊かさの象徴だとは思いますけど。本質的に豊かな国、という訳ではなかったでしょうに。
それとも国土に見合う適正人口まで減少するのを座して待つ、という事なんでしょうかねえ。

私自身も穀潰しの1人であることには間違いないので、攻めて食糧生産に参加しなくては、という気持ちだけはあるんですが。

2010年2月27日土曜日

事故車の境界線

世の中には色んなクルマ屋さんがあります。当然色んな尺度があるでしょうけど、一つにはありがちな尺度として「誠実か否か」という事があるように思います。ところがこの「誠実」という事に関して、「何を以って誠実とするか?」という、非常に難しい境界線があります。

ここで一つ、取り扱いに悩むのが「事故車」でしょう。

私は査定員の資格を持っていました。もちろんディーラーの営業であれば誰でも持っているはずの資格ではあります。過去形なのは「資格更新をしなかった」ので、今は査定員の名簿に入っていないということです。

まあ、それは置いておいて。その中古車査定基準においては、事故車という事に関しての明確な規定はありません。
ただ、おそらくそのことを言いたいであろう項目として「連続するねじ止め外板の交換」とか、「溶接留めの外板の交換」歴のあるクルマに対し「外板価値減 点」を適用します。また「自動車の骨格等に欠陥を及ぼしたもの、またその修復歴のあるもの」には「修復歴減点」と呼ばれる減点をします。これらがいわゆる 「事故落ち」と呼ばれる減点です。

確かに原則論から言えばモノコック構造が主流で、衝撃吸収設計をしている今時のクルマは、当たれば全体的な歪みは出るでしょう。ただ、それが一般の方に分かるレベルなのかな?という事も思います。もちろん程度の大小にも因りますけどね。
主要骨格部分はある程度まではいいとしても、車の先端部や後ろは以前と比べて潰れやすく作ってあるので、実際ラジエータコアサポートなんてところは、フロ ント部の接触ともなればすぐ触る所ですし、そこが修正なのか交換なのか、と聞かれると悩む所ではあります。触っていることはすぐ分かるんですが。

もう一つ、この「査定」という行為自体はあくまでもクルマ屋さんの仕入のためにある制度であって、一般の方からすると果たしてどうなの?と思わなくもありません。つまり、仕入れのときにケチが付けられる所はつけておいて、より安く仕入れるための口実としている、という側面もあったりする訳です。この査定制度・査定基準というものは。
実際、この査定基準というものは保険会社サイドではほとんど認知されていません。あの時は「あい○い」が相手でしたけど、とぼけられたのか、本当に知らな かったのかは知る由もありませんが、損害額認定の時の判定基準がどうも私の感覚とズレていました。このため「普通、車の価値判断では日本自動車査定協会の 協会基準を元に算定をするのがクルマ屋の常識ですが、あなた方の判断基準の根拠を示して欲しい」と言った所「ウチの独自基準で、いつもこれでやらせても らっています」という回答でした。

ちょっと余談になりますけど、修理を「した・しない」よりも保管状況によっても車の状態は大きく異なりますし、何より修理をしたにしても、きちんとした手順や段取りを踏んだ、きちんとした修理ならば、新車塗装と同レベルの仕上がりにはなるんですけどねえ。
ただ問題なのは「鈑金修理に関してはキチンと3割以上抜こうとする」ディーラーの下請け基準とか、「そういう金額で仕上げなければいけない」修理屋さんの台所事情とか。その他、妙に低い算定基準の時間工賃や標準作業時間の設定であるとか。そういうところなんですけどね。
で、結局そのツケはユーザーが支払っているんですけどね。


話を戻して。
ただ、困るのは、事故というイメージだけが一人歩きして、同時にこの「修復歴」という言葉も独り歩きしているような感があるということです。つまり「直し てるんでしょ?」と、そのことだけがクローズアップされてしまい、別に気にしなければ、どうという事でも無い事に関しても、妙に神経質になってしまってい る。
新車ならば、「ここが、あそこが」と言われてもある程度までは止むを得ないとは思いますが、ヒドイ事故歴車ならばともかく、軽度の損傷歴ならばそれは仕方ないだろう、と思うのですがね。どうせ中古なんですからもっと大らかであってもいいと思うんですが。
もっと積極的な姿勢を取るとするなら、「その分安くしてくれれば、その分安く買えるんならそれでいい」くらいの姿勢の方が中古車を楽しめるような気はします。


ただ、世の中には「事故車専門(しかもそれほど軽微ではない修復歴)の中古車屋さん」も存在していることも事実です。私なんかが見ると「あーあ」と思うのですが、そこはそれ、見慣れない人は「まあ安い」となってしまうようです。

あまりに潔癖すぎる世の風潮の弊害というような気もしないでもありませんけどね。

あ、そうそう、最後になって思い付いたことを。

中古車買うんなら「安く買える」ことに感謝して、予算の上限いっぱいで購入価格を考えるよりも、2~30万円安く買えるクルマにしておいたほうが「心の余裕」が違います。そうしておいた方がいいです。いっぱいいっぱいだと気持ちにゆとりが持てません。
御参考になさってください。

2010年2月20日土曜日

ポーターのダレスバック

トヨペットの新人研修中にとある購買の御案内がありました。

鞄です。

それまでの私には全く興味も何も無いものでした。
でも無い頭を絞って、当時数十種類もあったかばんの中から選び出したのは「パイロットケース」と呼ばれる、飛行士の方々が好んで持つらしい、上開きのアタッシュケース状の鞄でした。

どうせカタログをいっぱい入れる。
すぐに出そうと思えば、上から開いた方が取出しが楽。
アタッシュケースだとガバッと開くので、どの書類が何処にあるのか分かり難い。
アタッシュケースの場合、口が開いちゃうと中味が全部出ちゃってみっともない。
等など。

でも当時、ほかの新人セールスたちが選んだのはアタッシュケースがほとんどでした。1人我が道を往くのは今に始まったことではない訳です。

先輩セールスたちのほとんどもアタッシュケースでしたねえ。中には2つも3つも抱え込んで持ち歩いている人も居ました。そんなくらいなら一つ大きめのもの を持っていれば事足りると思うのですが。結局皆さん、こう思い込んじゃうと、それ以外の選択肢を再考する、という考えには行かないもののようです。

そうこうして10年足らずの期間、このパイロットケースを使い続けました。底付きには金具があり、全面の構成材の芯には合板を使っていたこともあり、非常に丈夫だった為です。
今にして思えば、この「トランクの構造材には木を使う」というところがヴィトンのスーツケースに通じる所もあるわけで、結構いいお買い物だったのかもしれません。今気付きましたが。

パイロットケースを使わなくなったのは、そろそろ痛みも出始めたので買い換えようか?と思ったことと、ちょうどその頃「営業用のコンピューター」が支給された事に併せて、そのコンピューターを持ち歩く為の鞄も同時に支給されたからです。
カタログや書類は車に積み込んでおけば事足りるし、普段持ち歩くのはコンピューターだけでいいし。
ただ、支給品の鞄はかっこわるかったですけどね。

で、トヨペットを辞めたときに仕方ないので今も使っている鞄を買ったわけです。
ごくごく普通の、いわば学生鞄のようなもの。
間仕切りがあって、A4のファイルが何冊か入るようになっていて。

ところが、生命保険の営業職という仕事は結構持ち歩く書類があるので、新たに買った鞄では容量が足りないことに気が付きました。
でも、アリコでもコンピューターを持ち歩く為の鞄を支給してくれたので、結局はそれで事足りることに。

で、しばらくして損保の代理店研修生になったのですが、ここでは営業用のコンピューターの支給などはありませんでした。「将来代理店になろうとする人が、 営業用のコンピューターくらい自前で持っていなくてどうする」ということで、ここで初めてコンピューターを買ったわけです。
で、そこに営業用のソフトを入れて使うという訳です。もちろん営業用鞄の支給などもありません。そこで以前買った鞄にパソコンを詰め込んでみましたが、これでは他の荷物があまり入りません。もう少し大きいのでないと。

ということで物色したかばん屋さんで目をつけたのが通称「お医者さん鞄」こと「ダレスバック」です。アリコ時代に御一緒させていただいた方が「23万円した」といって見せてくださったのがダレスバックでした。
その当時は(今も)「23万円もする鞄があるのか」という事にしか関心が向きませんでしたが、その形だけは覚えていたので、ソコだけちょっと真似してみた のです。ちなみに私の買った鞄の金額は23万円の消費税分で買える程度のものでした。まあ、値段なりのもの、という事も出来ますが。

で、当初はダレスバックで私も営業をしていたのですが、1人でやり始めると、個人情報のこともありパソコンを持ち出して営業することなどほとんどなくなり、そうなるとデカイ鞄を持ち歩く必要性もなくなり、持ち歩く書類もそれほどでもない、という事になりました。
また最初に買った鞄に逆戻りです。

ところが最近、取っ手の部分の革がぼろぼろになってきてしまいました。流石にちょっとみっともない。一番目立つ所でもありますしね。

仕方ないので買い換えることに。


これはどうかと選び出したのは「ポーター」のダレスバックです。冒頭写真のものですね。
嫁さんに相談した所「吉田かばん」「ポーター」というキーワードで反応が来ました。「それなら名前を聞いたことがあるし、良さそうだからそれにしたら?」もちろんこういうものは営業経費からの支出ですから、家計に累が及ぶことがないのでなんとも気楽な御返事です。

まだ品物は来ていないのですが、到着を楽しみに待っているところです。ただ、かばんマニアでは無いし、ソコソコの金額でもありましたので10年以上は使わないと、と思ってます。でも10年という事は私も50かあ。

こういうものが似合うジジイになっているといいんですが。
ちなみに今まで使っていたかばんも、ポーターが来たら非常用に取っ手だけ直しておこうかと思っています。まだ使えないことは無いわけですからね。

2010年2月17日水曜日

付いている事に意義がある

プリウスのブレーキの件はまだまだ収まらないようです。
ABS作動に関しては、別にどうでもいいこと、と思っていましたので、そこから先には触れませんでしたが、そこを言われているんですね。
もちろんABSは、回生ブレーキ作動領域の話ではなく、油圧での通常ブレーキ領域の話です。ただ、この辺事もアチコチで言われていることですから、ここでは省略。

いい加減にうんざりするのは、「何でもかんでも付いてればOK」というところです。まあ、確かにABSも「通常の道路上だったり低μ路面(水濡れや 凍結状態)」だったなら停止距離低減効果や、ハンドル操作が効く、という効能はあるのですが、あくまでも想定された路面上では、というお話です。例えば砂 利道なんかでは逆にタイヤをロックさせてしまった方が表面の砂利を排除してくれるので制動距離は短くなります。あくまでも万能選手ではない、というところ には注意が必要です。

ただ世間様的には「ABSって安全なんでしょう?」という以上の理解ではないんですよね。イコール「付いていればいい」という意識以上にはならない。
これは逆にドライバーを甘やかす、という事にしかならないのでは?と思います。解ってて使うならいいと思うんですがね。

初期のABS付き車はエンジンをかけるとABS作動チェックを毎回コンピューターが行っていました。セルを回しエンジンが始動してからブレーキペダルを放すと、奥のほうで「ヴヴン」という唸り声がかすかに聞こえました。
ABSは、油圧ポンプを作動させて、ポンピングブレーキというにはかわいそうなくらいの次元ではありますが、ブレーキ圧の「入れる・抜く」という動作を秒 間数十回という回数で行います。この油圧ポンプがきちんと作動するかどうかを毎回チェックしている音だったんですね、あれは。
ただ、ABSを標準装備しだした頃から、あの音がクレーム(変な音が聞こえる、とか何とか)になりかねないため、ほとんど聞こえなくなりました。

ABS作動時には結構な音がします。「ガガガ」という感じの。で、同時にブレーキペダルが重くなります。もちろんこれは油圧が作動しているからです。
で、またバカバカしいことに「ビックリしてブレーキペダルから足を離しちゃう」なんて人もいたりする訳です。おいおい。思い切り踏んでいればいいんだっちゅーの。ブレーキ中なんだから。

というわけで、今度考え出したシステムは「ブレーキアシスト」なるものです。

つまり、「きちんとブレーキが踏めない方のためのブレーキサポートシステム」とか何とか。「踏み込み量」と「踏み込み速度」を車両側で管理していて、「コ レは急ブレーキ」と判断しうるだけの数値が観測されると、きちんと車のほうでブレーキ踏力を維持させてブレーキを作動させるというものです。

ただ、冷静に考えて、この程度の判断・操作も出来ない人にクルマなどという質量兵器を任せてもいいものなんだろうか?と疑問に思うのが普通なんじゃあないか、と思うのですが。私が変なのかな。

もちろんそういう装備が付いていても、「使うことなく廃棄する事になる」のが一番良いのは当たり前なんですけどね。でも、どうせ廃棄する事になるのなら、最初から無くてもいいようにしておくのも一つなんじゃあないかとも思ったりもするわけで。
もしくは、質量兵器の最大の根源である「重量そのものを軽減しておく」ことにもっと重きを置くべきじゃあないのかな?とか


ただ、いくら小手先で頑張って装置をつけても、肝心のドライバーを何とかした方が早いのは言うまでも無いことなんですけどね。

2010年2月14日日曜日

エコを国是とするならば。

よく「官製不況」などといわれますが、そういう話は少々みんカラ方面から外れてしまうので自粛し、クルマ関係のエコの話に絞ってみたいと思います。

ここのところ思うのは、「車のエコを考えるのならば、まず自動車税の税区分を考え直すべきではないか」という事です。

皆さんも御存知かと思いますが、自動車税の税区分は500ccごとに階段ができています。~1000cc、~1500cc、~2000cc、~2500ccなどといった具合ですね。
ただ、この「cc」という単位。もちろん元は「地球の子午線の4千万分の1を1メートルとする」というフランス革命の落とし子を大本とする基準なんですが、ここから導き出された容積単位のキリのいいところを税区分のキリのいいところとしているわけです。

ただ、クルマの内燃機関のシリンダー容積としてみた場合、必ずしもこの500cc区切りがエンジンの排気量区分として一番具合のいいものか?といわれるとそうでもありません。

確かに4気筒2000cc、1気筒500ccという排気量はクルマくらいの重量物を移動させる為には非常にいいパワーバランスとなりますが、エンジンの振動の出方を気にすると6気筒にしたい所です。
では、2000ccの6気筒はというと、確かに静かなエンジンなのですが、ちとアンダーパワー(というより低速トルクが出ない)気味なエンジンとなってし まいます。ちなみに2000ccの6気筒エンジンとなるとピストン1本当たり約333ccとなります。個人的な印象だけで言うとクルマのエンジンとして使 うのならば最低@360ccは欲しい、と思っています。


ライトウエイトのスポーツカーというと比較的1600ccというエンジン排気量が使われてきました。ある程度のトルクと、元気のいい回転上昇等を考えると 「@400cc×ピストン数」というエンジンは使い勝手がいいのでしょう。たしか、R32 GT-Rも当初の構想では2400ccエンジン だったと聞きます。

ぶん回さなくてもいい、でもトルクが欲しい、となると@500ccというピストン容積くらいがいいのでは?という感じですね。4発2000cc、6発3000cc。8発4000cc。

こう見てみると、必ずしも500ccの排気量区分にすんなり当てはまる排気量ばかりではないと思います。
つまり、市販のエンジンの中には「排気量規制」があるので、少々無理めな排気量で頑張らざるをえない状況に置かれているものも少なく無いだろうということです。

先日のブログでもないですが、ボディに対して非力なエンジンは不必要にアクセルをあおられる運命にあります。仮にアクセルを開けられても絶対トルクが少な い訳ですから乱暴な運転は止むことがなく、空燃比は明らかにリッチ方向になるでしょうから排気ガスもキレイではありません。
きちんとトルクの出る、車重に対する適正排気量ならば不必要なアクセル開度も避けられるでしょうし、自然とエコ運転という方向に持っていくことも出来るのではないでしょうか?と妄想します。

仮にそういう方向を志向するのであれば、オーバースペックな排気量にはきちんと課税し、適正排気量の税金は軽減する、という方向に持っていくのが筋ではないかな?と夢想しています。
で、不自然な環境に特化した機械には自然減となってもらう。もしくはエンジン交換を勧める、というのもいいかもしれません。こっちの方がきちんとした「エコ換え」政策になりませんか?

もう少し、「頭を使った誘導」を期待したい所です。


近頃はアイの燃費を気にしながら走っているのでせいぜい「制限速度プラス10~15キロ程度」で走るのが常になっているのですが、上限速度よりも、出足で イラつく後続車が多いようです。こういう時のアクセルの不必要なまでのアオリが燃費を悪化させる第一原因だと思っているのですけど。

まあ、そういうクルマは比率的にミニバン系統が多いのは仕方ない所としても、「こんなタイミングで抜いていくのか?」というあまりにも乱暴な、というかク ルマに頼りきった運転には少々辟易します。ついでに何故かマフラーを換えているクルマが多い気がします。そういえば軽でも良くみるなあ。
結局は一時の雰囲気乗りのパジェロオーナーと同じで「過大な車重と過大なエンジンパワー。ついでに相対的にプワになるブレーキ容量と頭の脳細胞」という事なんですが。まあ、大体次の信号で一緒になるんですけどね。

超過修理費用特約と買替諸費用担保特約

お客さんのクルマ達も結構な割合で年数を経るようになってきました。

私の経験範囲(国産車)で言うと、いくら車両保険の金額が新車価格を基本にするといっても、正直200万オーバーの修理見積になったクルマはありません。 まあ、いつもの鈑金屋さんで以前「アリスト リアフロア全交換 修理総額250万円」というのを見かけましたが、それでもあれが最高でしょうか。
やはり100万オーバーの修理見積りの車となると、「こりゃあ代替か?」と思ってしまう状態であることがほとんどですからねえ。

年式がソコソコになると、それに応じて車両保険金額も下がってきます。

保険屋というよりクルマ屋の観点で気をつけ始めるのが100万円をすぎて、80万円とか70万円くらいになった時です。

何故かというと。

このくらいになると、昨今の部品代の値上げの事もあったりなんかして、そろそろ現実問題として修理見積が到達しそうな金額になってくるからです。
こういう金額になってくるとお客さんに聞くのが
「車両保険でかけられる金額がここまで来ましたけど、仮に今、ドーンとぶつけたりぶつけられたりなんかしたら、もちろんその損傷具合もあるでしょうけど、そのまま乗り続けたいと思うか、それともある程度までになってしまったら買い換えたいと思うか、どっちでしょうねえ?」
と聞きます。こういう質問で、お客さんがそのクルマに対する愛情の度合いを推し測っておくのでです。

そうして、「乗り続けたい」という方には「全損超過修理特約」を勧めておきます。

対物超過でもそうですが、何故か保険会社は「+50万円まで」という区切りが好きなようです。
対物超過は「時価全損」分を超えた、修理金額自己負担分の50万円までを出す(このあたりの説明はかなり大雑把なので、詳しくはご自身の加入されている保 険約款なり「契約の栞」なりをご確認ください)、というものですが、「全損超過」は自身の車両保険版の対物超過みたいなもんで、これもまた車両保険金額+50万円まで、修理をする(6ヶ月以内)のであれば出しますよ、というものです。

乗り続けるつもりであるのならば、つけておいて損は無いだろうと。しかも普段乗りにされている車であれば。
おそらくこのページに来訪される方はロードスター乗りの方が多いと思いますが、ごくごく普通に任意保険に加入しようとされると、せいぜい30万円位の車両 保険金額がいいところだと思います。それ以上の金額の付保は保険屋さん自身があまり車のことには詳しくないのが普通なので、「ええ?でも20年前の車で しょう?」とか言われるかと思います。
まあ、幌へのイタズラ程度ならばこの金額でも大丈夫でしょうけど、普通の接触事故の場合、アルミボンネットの事や、オープンカーの損傷の波及度合いを考え ると、ちょっと厳しそうな気はします。ということで、こういうところで「全損超過修理」を付けるのです。これなら30万の車両保険で+50万円までは出ま すから一安心。

○Aのように、まともに契約内容の確認作業もしてくれないところでは、内容の説明もまともに受けられません。何時の間にやら「全損害担保(普通の損保でい う「一般車両保険」)10万円」などという、何のために付けているのか分からない内容になってしまっている人は、それこそ「枚挙に暇がないくらい」ですの で、要注意です。


ちなみに私のロードスターの場合は、私自身が代理店なので「このクルマはこういうクルマなんだ」とか何とか言って50万円で押し通してました。まあ、幸いなことに結局保険を使う機会は無かったけど。




もう一つ。

更に車両保険の金額の落ち込みが進み、事故の損害が酷ければ車を買い替えるつもりはある、という方。さすがに保険金額が30万円位になると、いくら車両保険を満額引き出したとしても、なかなか満足なものは買えません。
だって、仮に同程度の年式、同程度のクルマを探しても、この辺の価格帯になると「諸経費の占める割合が車両代金のかなりの部分となる」ので、「選択肢が大幅に狭まる」ことになりかねません、というかそうなります。

このため、諸経費分は除けて置くことを考えておかなければいけませんが、なかなかそういう緊急資金を用意する人もいないのが現実な訳です。

ということで、ありがたいことに「買替時諸費用担保」なる特約があるのですね。まあ、色々成約はありますが40万円を限度に諸費用分を見てくれるというも のです。諸費用の内容なんてものは、まあ、いってみれば私自身が保険屋でありつつもクルマ屋なわけですから、まあ、ねえ。
まだこの特約を使うハメになった事例はないので、その時はまたレポートするようにしましょう。

最近は、安くなった時価額の車の方にこれを付けるようにしています。それでも先の「この車に乗り続けるか、それとも、そこまでの愛情はない、と割り切るか」という大前提はあるのですがね。

御参考になさってください。

2010年2月13日土曜日

こんな所に落とし穴 HDDナビのメモリースティックによるバージョンアップ

昨日、何とかかんとか理由をつけてアイを引き上げてきました。アイのいない間はベンツに乗ることになりますが、ベンツの燃費がリッター10キロ程度なのに対 してアイはリッター17キロ程度は走ってくれるでしょうから、自分がアイに乗っているほうがお得です。なんせ1.7倍ですからねえ。代車料がもらえるお仕 事ならいいのですが、毎回そうとは限りません。
あ、ちなみにベンツは一応ハイオク指定となってはいますが、圧縮比を見ると、ハイオクが必要なレベルとは思えないので、私の場合は素直にレギュラーを入れています。別になんともないし。

3日ほど前に三菱のホームページをうろついていたときの事です。

なにやらダウンロードがどうのこうのという項目がありました。そこから更に奥にはいってみて見つけたのは、ナビゲーションデータとミュージックデータのデータ配信のページです。
へー。ナビのデータ更新って、DVDメディアに入れ込んだデータを売るだけかと思っていたら、メーカーのサイトで最新データを配信してくれるんだ。ふーん良心的だねえ。他のメーカーは知らんけど。

ということで更に文章を目で追うと「メモリースティックにデータを入れ込んで、それを介してデータ更新をする」らしい。ふーん、メモリースティックねえ。今手元にあるのはSDカードだけだなあ。まあいいや。持ってればデータ更新が出来るんなら買っとこうか。


ということで、今日はパソコン屋さんへ寄ってきました。あそこならあるだろう。

ところが。

ないんですねえ。メモリースティックが。メモリースティックDuoとか、Proとかなら置いてあるんですが、取説には「それはダメ」とか書いてある。
それはそれとしても、何気にメモリースティックの棚は狭く、しかもやけに高い。隣の棚にあるSDカードなんてすごく安い。ええ?なんで?


考えてみれば、最近のデジカメはSDカードを使う奴が多かったよな。携帯でもマイクロSDとかが多かったような?

これだけSDカードが棚の大半を占領しているということは.....。という事は、またあれか。ソニーめ、また主流を獲り損なったな。メモリーカードの時代の趨勢はSDになったということか。という事はソニーの野郎、また撤退する気だな?

ベータ(もちろんビデオデッキの事です)やマイクロフロッピー(一時ソニーもワープロを作っていて、そのワープロで使うようになっていた極小サイズのフロッピーディスクの事)なんかがそうでしたが、またしてもヤラレタっぽい展開です。
ウォークマンのガム型充電池だけはそこそこ寿命が長かったけど、考えてみればそれだけか。あ、CDは主流になったか。でも、ヘタするとブルーレイも怪しくなってきているような気もするなあ。持ってないからいいけど。

仕方ないので店員さんに聞くと「私も実はそれにハマりました」と嬉しそうにいうじゃありませんか。いや、あんたとは友達になりたいとは思わんのだけど。まあ、それはともかくメモリースティック自体は既に消滅しかけているメディアだということは確かなことのようです。
近くのハードオフに行ってみたところ、16GBとか8GBとかのおもちゃのようなメモリー量のメモリースティックが置いてありましたが、アイの取説には32GB以上の空き容量のあるメモリースティックを用意するように、と書かれています。これでは役に立ちません。


ということで、仕方なのでヤフオクで手配してみることにいたしました。あーあ。


ソニーさん。もう少し自身の作った規格に対して愛情というか責任を持って育てようとしてくれないものでしょうかねえ。やたらと○違いのように色々な製品を世に出すバイタリティは大したものだとは思いますが、こうもクルクルと変わり身をされては付いて行けないっすよ。
森田さんは「愉快なる理想の工場」を標榜されたようではありますが、それは中の人間にとっては「愉快な」のかもしれませんが、ユーザーからすれば少々「理 想」とは違うもののような気がします。多少古臭くても、普遍性のある規格のほうが、使う側にとってはありがたいんですけどねえ。


そういえばもう一つ。アイのタイヤについてです。
柴田家ではミシュランにあらずばタイヤにあらず、とばかりに基本ミシュラン以外のタイヤを履いたクルマは存在しないのですが、残念ながらアイのタイヤサイズがミシュランタイヤのラインナップに存在していません。うーん困った。

アチコチのページを覗かせてもらうと、ブリジストンのプレイズとかはよく見かけますが、あのタイヤについて良いイメージが私自身にはないんですねえ。もっと腰のしっかりした、変にたわむことのないタイヤが良いなあ。

もう少し悩むことにします。

2010年2月11日木曜日

プリウスのブレーキ

行く先々で「トヨタ大丈夫?」「プリウス平気なの?」などと色々声をかけられます。

とりあえずの感想としては、アメリカ国内の反応については「景気も悪いし胸くそも悪いし、とりあえず捌け口として言えるだけ言ってやれ」的な反応かな、 と。まあ、トヨタのいつもの「本当にごめんなさい」的な、平身低頭で謝って「何でもします、許してください」対応はどうかとも思いますが。

さて、実際本当の所はどうなの?という話なんですが、話の本質としては「エアバック付いてるから安心」キャンペーンと今回のことと本質的に変わっていないと思っています。

つまり当時は作るほうも、売るほうも説明不足で、「エアバックが付いているから安心なんですよ」という幻想をユーザーに抱かせ、単純すぎる思われ方で「安全な車」としていた訳です。
それで日産が大量の広告キャンペーンを始めたことを発端にして、トヨタとしては「売られたケンカは買う」とばかりに「運転席だけではなく、助手席エアバッ クも標準装備にして、しかもウチはABSまで付けちゃう」キャンペーンを始め、実際ほとんど値上げすることなく順次全モデルを改良型に切り替え、実際全て の車にダブルエアバックとABSを標準装備させてしまいました。まあ、中には「助手席エアバックのレス仕様」なんてメーカーオプションもあったりしました が。

当時の販売現場では「これはエアバックが付いている・いない」という会話がほとんどでしたし、エアバックそのものについてのお話などほとんど皆無でした。ま、そういう雰囲気だけだった、とも言えますが。
ただ、本来ならば「エアバック作動の3条件」とか、あくまでも火薬の爆発によるガス圧で作動させている、という最低限のことは伝えておくべきでは?とは思いましたけどね。取扱説明書にはそうしたことが書かれていましたけど。

一つ脱線。ヤフオクなどを見ていると、結構エアバック付きのハンドルが出品されているんですが、あれって大丈夫なんだろうか?一応火薬だよ?まあ、今まで事故とか無かったのならいいけど。
鈑金屋さんなんかでもワリカシバッテリー繋いだまま線をいじくっている所もある見たいだけど、もう少し注意した方がいいと思うんだけどなあ。もしくはそれだけ誤作動に対する安全策が万全なのか。


さて本題のブレーキです。

基本的にプリウスのブレーキは、ブレーキもハイブリッドです。つまり回生ブレーキという「運動エネルギーを電気エネルギーに変換する」装置と、通常の「運動エネルギーを熱エネルギーに変換する」装置が組み合わされています。
ブレーキが効かなくなった、ノーブレーキ状態と言われるのは結局この2つのブレーキの「切り替わりの一瞬」の事です。
もしくはどの時点で切り替えるのかというところで、なるべく電気として回収するところを増やしたいと思えば最後の最後まで回生ブレーキを働かせるでしょうし、その代わり、切り替えの一瞬が最後の止まる寸前にくるでしょう。

必ず初期制動は回生ブレーキが働くという事なので、他の車ほど、ブレーキに耐久性が必要とされないということで、今回プリウスのブレーキにはプラ部品も一部使われているようです。

普通に止まる程度ならいいでしょうが、急ブレーキのような急制動の状態だと、いくら切り替えが一瞬だとはいえ、コンマ何秒かでも長く感じられるものです。まあ、トヨタも急ブレーキの時くらいは普通に油圧動作のブレーキ作動だけにしろよな、とは思います。


私がプリウスのブレーキの件をエアバックと同じ、と思うのは「システムが違うブレーキだから、そういう特性があります」と、なんで一言そういうことを販売店に言わせないのか?ということです。

システムが違うんだから、扱いも違うのが当然でしょう?

とにかく何も考えないで乗れるのがいい、というのならば、それこそ遮音対策を完璧にしておいたディーゼルターボを積んでおいて、変に弄られるとまずいの で、とか何とか言ってブガッティのヴェイロンみたいにエンジンフードも無くしてエンジン見れないようシしておく。で、エンブレムだけは「スーパーハイブ リッドシステム バイ トヨタ」って金文字で書いて入れておけばいいじゃん、って思います。低速からも力があって、高速域でもよく伸びる。しかも燃費もい い。

現実問題、「ハイブリッドだから燃費がよく、エコだ」、という以上の認識ではないんだから。

ディーゼルターボなら今までのシステムをそのまま踏襲できるし、変に電池なんて重量物もない。燃料だけは「トヨタのスペシャルガソリン車はこちら」と書い た給油ホースを作っておいて、何食わぬ顔で軽油を入れる。コルサの1.5ℓディーゼルターボなんていいエンジンだったんだけどなあ。

ということで、今回のトヨタの失敗は
「ハイブリッドを、理解のない一般の人に売らせ、普通の、クルマには興味のない人にもハイブリッドを大量にばら撒く事を目論んだ点」
に敗因がある、と思っています。ハイブリッドを理解しようとしていた人に細々と売っていれば良かったんです。実際。

それこそ理解と意識の浅い一般の整備工場(全部がそうという訳ではないにしても、全ての工場が意識が高いかと言われると、そうとも言い難いと思います)に も回生ブレーキを触らせようとしている訳ですから、くわばらくわばら、と思います。今後はハイブリッド車に近寄らない方がいいかもしれません。

事故のときの対処も、後ろに積んだ200v前後のバッテリーのせいでものすごく大変そうですしね。

2010年2月10日水曜日

ディーラーのセールスと併設工場の温度差

新 車を買う時に付けたディーラーオプションと呼ばれる部品は、静岡トヨペットの場合、基本的には清水にある新車センター(工場を出た車は一旦ここに集めら れ、ここから更に各地の営業所へキャリアカーで搬送されるのです)の架装工場でフェンダーポールであったり、フットランプであったり、後付けのナビなどを ここで取り付けられることになります。

ところが、いろいろな事情でここで取り付けることのできないクルマがあります。
例えば、納車を急いでいるので清水で悠長に取付を待っている時間が無いだとか、何故かクルマが来てから部品を発注するらしく、部品が欠品しているので、約束している日時までに取り付けが間に合わず、クルマだけ先に納めるだとか。
あとは諸般の事情で、まともに値引計上できる注文書の内容ではなかったので、クルマは裸の状態で注文書を作り、部品はサービス売上で注文し、取り付け工賃 も値引してもらったり、有耶無耶の状態にしたりとか。まあ何とか、かんとかお客さんの追い金条件に間に合わせているクルマがあったりするんですね。実際。


ただ、神ならぬお客様はそんな裏事情は御存知ありませんから、のほほんと新車が納まるのを心静かにお待ちになっているわけです。言葉は悪いですけど。


ただ、こうした事情や経緯は営業の方からのお話です。現実にそれをやらされるはずのメカニックたちからすると、いくら新車を買っていただいたお客さんのクルマの仕事とはいえ、単なる「余計な仕事」となります。
彼らからすれば、自分たちには自分たちの仕事の目標数字があり、車検台数や法定点検、その他諸々を合計した売り上げ目標数字なんてものもあるわけです。昼間はもちろん予定していたお客さんの仕事もありますし、飛び込みの一般修理もあります。

ぶっちゃけ、併設工場の人間は点検や車検整備には精通していますが、コーナーポールをつけるためにバンパーを外して穴を開けるなんて作業はほとんどやったことがありません。オーディオの入替とか、ナビの取り付けも同様です。エアロパーツの取り付けなんかもそうですねえ。
そういう意味では、設備はあるにせよ素人仕事とレベル的にあんまり大差は無い、と言ってもいいでしょう。

そんなわけで、営業の側から言われて来た仕事を昼間にこなすなんて余裕は、ほとんどの場合、彼らにはありませんから、よほどせっつかれたり、手間のかかりそうな仕事ならともかく、そうした「余計な仕事」はほとんどの場合、夜なべ仕事として消化されることになります。
しかもほぼ、素人仕事として、疲れのたまった時間帯にそれをこなすのです。つまり、失敗しない方がおかしい。

ということで、異様に工場で行ったこの手の作業は失敗率が高いのが特徴です。バンパーに傷を付けちゃった。ガラスに傷を付けちゃった。インパネのシボ加工 が施してある面に、ドライバーで掻き傷を付けちゃった、等など。全て私が目にしてきた実例です。養生テープくらい張れってーの。

しかも、何故か彼らは「納車の前の日の夜」にこうした作業を手掛けることが多く、結果、失敗するとリカバリーが効かない事態を引き起こします。でもお客さんの所に謝りに行くのは私、みたいな。結構これでサービスと喧嘩したことが少なからずあります、私。


人間、痛い目を見ないと懲りないのは共通した性癖のようです。どうせ同じ素人仕事ならば、注意してやった奴・経験済みの奴の作業の方が上手いに決まっています。ということで、結局私の担当するお客さんのこういう類いの仕事は、全て自分でこなすようになりました。
おかげで、何時仕上がるのか?とヤキモキする事もなくなりましたし、仕上がってくるまで不安で仕方がない、という事もなくなりました。人間は、その環境に適応・順応していくというのは間違いないところです。実際私がそうでしたから。


ということで、いくら大メーカー様の看板が掛かっているからといっても、中では何をしているのか分かったもんじゃあないですし、部門毎の都合というものもあります。無闇に看板や外見だけを見てそれを信用するのは正直如何なものかと思ってます。

もちろん全部がそうだといってるわけではないんですけどね。

ディーラーと保険会社の温度差

昨日の事故のことで、今朝保険会社のサービスセンターの担当と話をしていたんですが、途中話が二転三転して、ディーラーの現場(サービス・営業)の人間の保険会社に対する気持ちと、保険会社の人間がディーラーに寄せる気持ちの温度差という話になりました。

保険会社の課支社からすると、ディーラ―は車検の際の自賠責も含めた保険契約の保有量という意味で、非常にありがたくも取り扱いが慎重にならざるをえないお客さんです。

あ、そうそう。ちなみに保険会社の実際の感覚からすると、保険会社のお客さんとは、契約数の多い代理店がそうであって、個々の契約者ではありません。個々人のお客さんの管理はあくまでも代理店の守備範囲の仕事であり、保険会社にとっては顔の見えない存在です。
今でこそ直販、ダイレクト販売の自動車保険も存在しますが、結局そこで行っているのは「事故の際の賠償・補償に関する受け入れ」という通常業務のみであ り、契約に関する受け入れや事前説明という部分は、ある程度お客さんの自己責任や思い込みにお任せ状態(少なくとも私の印象では)です。
まあ、それでよしとする方も少なからずいらっしゃるのが現実なんですが、それだけ代理店の連中が今まで楽をしてきた、というか、何にもしてこなかったと言えばいいのか。

話を戻すと、それだけ大きなお客さんであるディーラーに対して、保険会社ではあの手この手の懐柔策をとってきています。私レベルではそんな話は来ませんで したが、耳にした話では毎週のようにお誘いのあるらしい「接待ゴルフ」ですとか。まあ、ゴルフに興味など全く無いのでどうでもいいのですが。
あとは、保険会社の社用車として、そこのディーラーから新車を買うとかですね。「今回、有玉営業所さんからプレミオを1台営業車として買わせていただきたいと思うのですが.....、」なんて電話が入ってきたりする訳です。
また、毎週のように保険会社の総合職と言われる立場の人間が、たまには課長なんかも同行しつつ朝礼に来てみたり、ミーティングの時間に保険の講習なんかをしてみたり。

例えば当時の3月期などは、車検入庫目標200台とか言っていました。単純に自賠責保険を1社で独占できるとしたら1台3万としてもそれだけで600万円の保険料になります。
ちなみに損害保険会社の中の保険契約獲得の成績基準は「保険料」ですから、600万円は大きいです。自動車保険が1件平均5万円としても120件欲しいですからねえ。単月で。


それだけ保険会社から恋焦がれられているディーラーでは、保険会社をどう思っているのか?

別にどうとも思っていません。まあ、また来てるなあ、という程度でしょうか。保険会社的には悲しいことに。

上役の人間のことは知りませんけど。

実際、新車営業職にとって「自動車保険」はお小遣い稼ぎの原資程度にしか思われていない(そういう意味では保険代理店も似た様なものかの知れませんが)ので、そう保険に熱心なのはいません。少なくとも当時は。

だって、見積りすら作れない奴が大半でしたしね。

だから保険の内容に関しても同様です。
もちろんお客さんの側からすれば「クルマのプロ」と思い込んでいらっしゃるでしょうけど、中に居た人間からすると「所詮、他人のクルマの事」という雰囲気が無かったとはいえません。特に来店客が受注先の多くを占めていう連中ほどそういう傾向が強かったですねえ。


先ほどの「新車を買わせていただきたい」という話ですが、保険会社的にはそこまでで充分すぎるほど配慮をしていると思っているはずです。

でも違うんですよねえ。

現場のセールスとしては「自分の一台」にならなければ意味が無いんですよ。営業所の台数が増えても関係ない。営業課長や所長的には、また違うでしょうけど。

ですので、保険会社の経費の使い先としてそういうことをするのならば、一番保険に意識的なセールスとか、一番保有契約の多いセールス(普段顔を出していれば分かっているはず)に台数が付くように、そこまで配慮して買うべきです。
結局そういう話を営業所長なり課長なりに話をしても、手持ちのコマとして、例えば成績の振るわない奴にカンフル剤として1台成績をつけるとか、自分の可愛 がっている奴に配分するとか、そういう材料にしかならないんですよ、実際。言ってしまえば存在感の無い1台なんですね。。


同様に、保険会社経由でディーラーを紹介してもらってクルマを買う、と言うパターンも目にしますが、上質なフォローを期待するのなら、そういう買い方は止めたほうがいいでしょうね。もちろん、それを期待して、そういう買い方をされるんでしょうけど。
結局、売り手側(しかもピンポイントで)から見て、有り難がられる買い方が一番上質なフォローをしてもらえる筈です。


というか、私ならそうですし、そうします。

例えば私のことで言うなら、「クルマのフォローもあり、保険のフォローもある。何かにつけて声を掛けて頂ける。」という以上にありがたいことはありません から、身を粉にして、とは大げさな表現になりますが、出来る限りの算段はしますし、気も回すようにはしているつもりです。
まあ、自営業という事もあり、独りよがりになりがちでもあるので気をつけなければいけないのですが。

2010年2月9日火曜日

事故が続くなあ。

どうのここのところ事故続きです。昨年12月の頭からずーっと。ほとんど途切れなく鈑金入庫があります。

いくらなんでも昨日は2台のクルマを入庫してきましたので、しばらくは無いだろうと思っていたのですが、今朝、また電話が鳴りました。なんだろうと思って電話にでると「事故しました」との電話です。あらあら。

幸いこちらにケガはないのですが、相手は自転車とのことで今病院に来ているのだとの事。

基本、人身事故の場合は警察への届出がないと自賠責は動きませんし、任意保険の対人保険はあくまで自賠責の上乗せですので、まずは警察への事故報告が第一です。

こっちはクルマという事もあり、自分が転んだわけではありません。自分が痛いわけでもないので、とりあえず医者だけは行っておいてもらい、それでお仕舞いくらいに思っていたようです。
私への電話では「ちょっとアバラが痛いと事故相手が胸を押さえていたので、念の為、医者に連れて行ったのだけど...」、と言っていましたが、人の痛みはどの程度か判りませんからねえ。人身事故ならなおさらです。さっさと警察を入れて保険会社に後処理を一任するべきです。

実際、レントゲンを撮ったらアバラにひびが入っているとのことでしたし。




ただ、ちょっと思いました。そういえば私は事故をしなくなったなあ、と。

実は事故魔でしたので。

トヨペットの時って、いつも5等級付近をウロウロしていたので保険の満期の時にはヒイヒイ言ってました。分割で払うと金利がかかりますから、無理してでも任意保険の保険料は一括で払ってましたので。

スイマセン、偉そう言ってますが、決して人のことは言えた義理ではないのです。

ただ少なくともその分、人よりも自身の経験量・数共に多く、お客さんの事まで含めると結構な経験数になります。何がどう転ぶか人の世はわからないものです、はい。

で。それはともかく。



考えてみると、人出が多い時間帯に事故は多発します。

解りやすい所でいうと朝の通勤・通学の時間帯と、それから夕方から夜にかけての帰宅途上の時間帯です。


で、よくよく思うと、私の行動時間は見事にそこから外れているんですね。大体朝は9時半以降くらいにならないと動き出さないし。最近は帰りが夕方になるこ とが多いですが、いつもなら用事がないときにはさっさと帰ってきますから、2時とか3時くらいには自宅事務所に居る事が少なくありません。

なんたって自営業ですから、無駄な動きは即経費の無駄遣いでしかありません。それがサラリーマンなら時間つぶしにフラッと出かけるのもいいでしょうし、セールス時代はその時のほうが多かったぐらいなんですが。
でも今は、きちんと予定を書き出しつつ、行動ルートを考えつつ、寄り道がないでもありませんが、なるべく無駄なルートを取らないよう、用事がなければさっ さと帰り、電話で済む用事は電話で済ませ、行動距離と郵便料金は常に天秤にかけて「あそこまでガソリン使って行くくらいなら切手代・メール便代のほうが安 い」なんてことを考えてます。

ということで、時間を持て余し、車中で昼寝なんてことも全くしなくなりました。どうしても眠くなったら寝ますけど、大概はキシリッシュのハイパークールガムで何とかしのいでます。
そんなこんなで目的意識もはっきりしているので、やることがなくなったらさっさと帰りますし、帰りたくても帰れず、ボーっとすることもありません。今は。

昔は?うーん。ご想像にお任せいたします。

ここまでなれば事故もそりゃあ無くなるわなあ。


というわけで、社長さんたちに御提案です。

社員さんの事故を減らしたかったら、通勤時間をずらすことを考えてみたらいかがでしょう?それも前と後ろに。

まあ世の常で、みんな一同に揃って朝礼なんてことが好きな人が多いのは知ってますが、果たしてそれがどれだけ意味があるのかなあ?と。

目的意識がはっきりしていれば、仕事なんて何時から始めて何時に終わってもいいような気がしています。どうしても事務所に来なければいけない時だけ来ればいいだろうし、用が無い奴に居てもらっても光熱費が嵩むだけですからねえ。


ただ、トヨペットという所は用もなく、意味も無く集めるのが好きな所だったなあ。


というわけで、皆さん、心の余裕は常に持っていましょうね。

2010年2月7日日曜日

やはり人間、普段乗りのクルマに染まる

今日は、「アイを試乗したい」という熱烈要望にお応えして、兄貴とアイの試乗に出かけてまいりました。兄貴曰く「会社までの通勤路をトレースしていいか?」 とのことでしたので「ドーゾ」と答えるしかありません。浜松の人にしか判んないでしょうけど、蒲公民館の近くまでぐるっと回ってきました。

ちなみに兄貴の普段乗りはアルファの145です。もう10年ほど前になりますか、どこぞの中古屋に有ったらしい試乗車上がりの145を買ってきたのです。

私も当時乗せてもらいましたが、楽しい車でした。FFという事は仕方がないにしても、それを抜きにして楽しい運転感覚を持った車です。
ただ困ったことに、3000回転以上まわすと面白いクルマで、ついでに排気音も微妙に変わるので、ついついそれ以上にいつも回してしまうクルマです。

プレイステーションの「GT3」に登場するクルマ達には色んなパラメーターがあるということですが、特にその中で「フーン」と思ったものに「車体剛性」というパラメーターがあるんだとか。
つまり、走行距離が伸したクルマほど「車体がヤレてくる」ということです。特にイタ車は少々ボディ剛性のパラメータを弱めに設定しているとのこと。

それに関して。

常にエンジンを回しているほうが面白いので、通常運転でも高めの回転数を常用域としてしまい、結果としてボディ剛性が落ちやすいのではないか?という気がしています。
兄貴のアルファも例外ではなく、こないだ久しぶりに乗って唖然としました。正直「何だこのポンコツは?」って感じです。ボディヤレまくりのガタガタでした。呉れると言われても即座に「いらねえ」とお答えするであろうヤレ方。


さて、その兄貴がアイを運転する様を横でじっと見つめていたのですが。

荒かったですねえ。というか乱暴。
アクセルの踏み方、ハンドルの切り方、ブレーキの踏み方。どういう加速の仕方をするのかを見たいのも分からなくもありませんが、そこまでガアガア踏まなくても分かるんだろ?というくらい。そういうキャラの車でもないだろうし。
ただ思ったのが「兄貴はアルファもこういう運転の仕方をしていたなあ」という事。つまりアルファのキャラクターに染まってしまっていて、こういう運転の仕方しか知らないんだろうなあ、とね。その前はスターレットのマニュアルですから余計に染み付いているんでしょう。

よく聞く話ですが、エコ運転を推進している事業所なんかでは、制限速度を守ることによって随分と燃費が改善され、使用燃料量も削減できているのだそうで す。と、同時にブレーキも緩やかに踏めば良いのでパッドの消耗も遅くなり、結果的に車の他の消耗部品も長持ちするようになり、維持費そのものが削減できて きているようです。

という事はその逆もありなんでしょう。

イタ車のボディが弱い、というのは車のキャラクターやイメージが「乱暴な運転を誘発している」というところに起因するのではないのかな?と。
つまり新車のボディ剛性自体は他の車と大差ないとしても、乱暴に運転された車は結果的にボディを痛めつける運転になってしまっており、そういう性格付けや イメージを持たれているクルマは、その多くが「結果としてボディのヤレた中古車になってしまっている」という事なんだろうなあ、という事。

また、「いい味」というのは長持ちしないのが常ですしね。

さて、明日からアイは代車へと出張ります。当初予定していた先ではなくなりましたが、またしても別の鈑金修理予約が入りまして、「代車でベンツは嫌」とのことで、アイの初出張先は個人の方の鈑金代車という事に。

というわけで私のほうは明日から、またしばらくベンツで動くことになりますねえ。

そういえばこう寒いと浜松でも雪がちらついていたりするんですが、そうなるとベンツの外気温表示はなんだか安心します。
元々が路面状況(凍結するか否か)を予測する為のもの、と取説には書いてありましたが「さもありなん」と思いますねえ。他の車にも標準装備して欲しいものの一つです。

2010年2月5日金曜日

ごめんなさい。軽を見くびっていました。

今日、初めて市街地走行を経験した上での給油をしました。写真はその時の走行計の表示です。

で、給油したガソリンは14.42リットル。計算すると約18.4キロ/ℓという数値になりました。

いいじゃん。へー。軽のターボってこんなに燃費良かったの?


ただ、誤解しないで欲しいのは「ものすごく気を使ってアクセル踏んでました」というところです。
普段私は革靴を履きません。通常はナイキのフリーシリーズの黒系統の靴を愛用しています。この靴は縦横にものすごく深く溝が切ってある靴で、地面をきちんと踏みしめている感の強い所が気に入っているのですが、同時にアクセルコントロールが非常にやりやすい靴でもあります。
で、この靴で、そーーーーーーーっとアクセルを踏みしめていくわけです。

横のアルトに抜かれようが、後ろのサクシードバンがイライラしてそうだろうが関係ありません。いくら出足で頑張ってアクセルを踏もうが、一気に80キロくらいにまで持っていく気力でも持ち合わせない限り、どうせ一般道では次の交差点で並ぶのです。

すーーーーっと。我慢しながら速度が載るのを待ち、35キロ、40キロと速度を乗せてゆきます。上限はもちろん制限速度の+10キロ程度まで。結局このあたりで走るのが経済速度なのです。

何か以前書いていたことと180度違うような気もしますがお許しください。

昨日は思わずアクセルを踏みしめそうになった時がありましたが、ターボの伸びが来るのが瞬間的に分かったので「あっ」と思いすぐにアクセルを緩めました。無駄な加速はガソリンの浪費の元です。



そんな具合でのんびりアクセルを踏み続けて火曜日の夜から翌3日間。カタログ数値(18.6キロ/ℓ)に匹敵する数値を実際の市街地走行で出すことが出来ました。すげー。やれば出来るじゃん。
あと試してみたいのは、今までやってきたようなアクセルの踏み方だとどのくらいの数値になるのか?どの程度今回の数値から落ち込むのか?というところですね。


ただ、ここまで燃費数値を延ばしておけるのならば、「
真面目にハイブリッド車の存在意義が疑わしい」と思うのは私だけではないはずです。


それと、やはり車両重量900キロに対して排気量660ccでは「肺活量が足りないんじゃあないの?」と思わざるをえません。ここはやはりスマートに供給している1000cc版のこのエンジンをアイに搭載して、堂々と白ナンバーで売ってみるのも手じゃあないでしょうか?
売れるかどうかはともかくとして、アイのボディはそのままで小型乗用の安全基準を満たしているのだ、というアピールは出来るのでは?と思いますが。そうなれば「軽は危険」神話をひっくり返すことも不可能ではありません。却って他の軽メーカーは慌てるでしょうけど。

軽を選ばない理由の一つとして「安全性に劣る」ことを挙げる方は少なくないと思います。
ただ、三菱というメーカーは、変なタイミングで変なものを出してくるメーカーなんですね。以前何故か純新規設計で「パジェロミニ」なんていう車を作ったこともありました。
あれも軽にしては異様に作りのがっしりしたクルマで、ほとんどそのままオーバーフェンダーをつけただけで白ナンバーのクルマに変身させた「パジェロジュニア」とか「パジェロイオ」なんて物を計のボディから派生させていました。
ここで敢えて、普通車クラスの安全基準を満たしたボディでありつつも、必要最低限のサイズとして軽規格のボディサイズを選択した、なんてストーリーはいいと思うんだけどなあ。