お客さんのクルマ達も結構な割合で年数を経るようになってきました。
私の経験範囲(国産車)で言うと、いくら車両保険の金額が新車価格を基本にするといっても、正直200万オーバーの修理見積になったクルマはありません。 まあ、いつもの鈑金屋さんで以前「アリスト リアフロア全交換 修理総額250万円」というのを見かけましたが、それでもあれが最高でしょうか。
やはり100万オーバーの修理見積りの車となると、「こりゃあ代替か?」と思ってしまう状態であることがほとんどですからねえ。
年式がソコソコになると、それに応じて車両保険金額も下がってきます。
保険屋というよりクルマ屋の観点で気をつけ始めるのが100万円をすぎて、80万円とか70万円くらいになった時です。
何故かというと。
このくらいになると、昨今の部品代の値上げの事もあったりなんかして、そろそろ現実問題として修理見積が到達しそうな金額になってくるからです。
こういう金額になってくるとお客さんに聞くのが
「車両保険でかけられる金額がここまで来ましたけど、仮に今、ドーンとぶつけたりぶつけられたりなんかしたら、もちろんその損傷具合もあるでしょうけど、そのまま乗り続けたいと思うか、それともある程度までになってしまったら買い換えたいと思うか、どっちでしょうねえ?」
と聞きます。こういう質問で、お客さんがそのクルマに対する愛情の度合いを推し測っておくのでです。
そうして、「乗り続けたい」という方には「全損超過修理特約」を勧めておきます。
対物超過でもそうですが、何故か保険会社は「+50万円まで」という区切りが好きなようです。
対物超過は「時価全損」分を超えた、修理金額自己負担分の50万円までを出す(このあたりの説明はかなり大雑把なので、詳しくはご自身の加入されている保 険約款なり「契約の栞」なりをご確認ください)、というものですが、「全損超過」は自身の車両保険版の対物超過みたいなもんで、これもまた車両保険金額+50万円まで、修理をする(6ヶ月以内)のであれば出しますよ、というものです。
乗り続けるつもりであるのならば、つけておいて損は無いだろうと。しかも普段乗りにされている車であれば。
おそらくこのページに来訪される方はロードスター乗りの方が多いと思いますが、ごくごく普通に任意保険に加入しようとされると、せいぜい30万円位の車両 保険金額がいいところだと思います。それ以上の金額の付保は保険屋さん自身があまり車のことには詳しくないのが普通なので、「ええ?でも20年前の車で しょう?」とか言われるかと思います。
まあ、幌へのイタズラ程度ならばこの金額でも大丈夫でしょうけど、普通の接触事故の場合、アルミボンネットの事や、オープンカーの損傷の波及度合いを考え ると、ちょっと厳しそうな気はします。ということで、こういうところで「全損超過修理」を付けるのです。これなら30万の車両保険で+50万円までは出ま すから一安心。
○Aのように、まともに契約内容の確認作業もしてくれないところでは、内容の説明もまともに受けられません。何時の間にやら「全損害担保(普通の損保でい う「一般車両保険」)10万円」などという、何のために付けているのか分からない内容になってしまっている人は、それこそ「枚挙に暇がないくらい」ですの で、要注意です。
ちなみに私のロードスターの場合は、私自身が代理店なので「このクルマはこういうクルマなんだ」とか何とか言って50万円で押し通してました。まあ、幸いなことに結局保険を使う機会は無かったけど。
もう一つ。
更に車両保険の金額の落ち込みが進み、事故の損害が酷ければ車を買い替えるつもりはある、という方。さすがに保険金額が30万円位になると、いくら車両保険を満額引き出したとしても、なかなか満足なものは買えません。
だって、仮に同程度の年式、同程度のクルマを探しても、この辺の価格帯になると「諸経費の占める割合が車両代金のかなりの部分となる」ので、「選択肢が大幅に狭まる」ことになりかねません、というかそうなります。
このため、諸経費分は除けて置くことを考えておかなければいけませんが、なかなかそういう緊急資金を用意する人もいないのが現実な訳です。
ということで、ありがたいことに「買替時諸費用担保」なる特約があるのですね。まあ、色々成約はありますが40万円を限度に諸費用分を見てくれるというも のです。諸費用の内容なんてものは、まあ、いってみれば私自身が保険屋でありつつもクルマ屋なわけですから、まあ、ねえ。
まだこの特約を使うハメになった事例はないので、その時はまたレポートするようにしましょう。
最近は、安くなった時価額の車の方にこれを付けるようにしています。それでも先の「この車に乗り続けるか、それとも、そこまでの愛情はない、と割り切るか」という大前提はあるのですがね。
御参考になさってください。
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