コロパパさんのブログで「保険請求の診断書を書くのがメンドクサイ」旨の文章がありました。
実際、保険請求をする際(に限らないけど)の「信頼できる最後の砦」として医師の診断書もしくは所見を求めることは多々あります。一つはそれだけ信頼するに足る資格を持つ人、という認識があるからでしょうし、逆の見方をすれば、そこしか信頼という名の引っ掛かりが無い、という言い方もできるでしょうか。
医療保険に関して言えば、保障内容の通算という、募集人側の確認項目はあるにせよ、あくまでそれは確認できた内容の範囲内の事であり、契約者からそれ以上の情報開示が無い限りは、事実上そこまでの作業となってしまいます。
あ、保障内容の通算ていうのは契約者の職業や年収から逆算した「アンタの稼ぎなら加入する保険・保障内容はこの程度で十分だろう?」という保障金額の設定上限です。先日自殺したロス疑惑の三浦さんとかじゃあ無いですけど、保険金目的の殺人が珍しくない今日この頃、あまりにも高額な保険契約はモラルリスク上好ましくない、という判断から最近では未成年の死亡保険金は1000万を上限とするとか、各社に分散してかけてある保険金の総額でも3000万円を上限とする(あくまでも例えとして)などといった自主規制があります。これが医療保険なんかでいうと入院日額は上限15,000円とするとかという規定ですね。
自動車保険では運転者と同乗者の怪我に対しては「搭乗者保険」という保険が主にそれらの保障を受け持っていました。この保険では入院日額いくら。通院日額いくら、という支払い方が主流だったんですが、中にはこれを悪く(うまく)解釈する人が続出して入院日額15,000円、通院10,000円という契約をする人が現れたんですね。通うだけで10,000円(事故日から180日以内で)くれるなら、毎日通っちゃうよ、なんて人もいたわけです。
最近ではこの日額制限も厳しくなり、基本的には入院日額10,000円、通院日額5000円以上の契約は社員照会契約(事前申請をしないと引き受けてくれない契約)となってしまいました。それ以上に、こうした日額支給方式もすでに保険会社的には嫌われ始めており、今では「部位症状別・定額払い」という、傷病別診断名(これも診断書に書かれた傷病名を根拠とする)によってすでに支払い金額が決まっている保険に切り替えられてきています。
さて、なかなか陽子線治療に行かないんですが。
個人的に思うのは、医療機関にかかる際の情報公開を、もっとして欲しい、というところでしょうか。自分自身、初めての入院の時には「一体いくら請求されるんだろう?」とドキドキしながら第一夜を過ごしたものです。そしてあちこちに貼ってある「医師や看護婦(当時)に対する謝礼は受け取れません」という紙を見ては「払っている人が多いということか.....」と思ったりしました。
でも実際は、ごく一般的な治療であれば高額医療制度を使えば1ヶ月分の治療費として8~9万円の備蓄があれば何とかなるものです。食費は入院していなくてもかかるものですし、パジャマだって持込で十分。どうせ治療に専念するだけなのですから、あれやこれやと心配する類いのものではないような気がします。
それより心配すべきなのは「入院する(働けない)ことによる減収」では?と思っています。
ある意味、必要性の薄い医療保険があの程度の金額で提供できているのは、請求事案件数が少ないことによるものだと思います。保険料を見ると60歳近辺を境に二次関数的な上昇カーブを描いていますが、この辺が実績を鑑みた結果なのでしょう。
それと同様、所得保障保険の保険料は計算すると微妙に割高なので、正直その加入を一思案してしまいます(個人的には未だに未加入)。また、近年よく話題になる介護に関してですが、これについては介護補償保険と称する保険商品があります。これも支払い保険料に比べ、支給する際の支給要件が厳しく、また支給金額が比較的少額に感じます。
両方とも「保険料を支払う確率の高い」保険としては致し方ないのかな、とも諦めているのですが。自動車保険のように加入率が高ければまた別の視野が開けてくるのでしょうがねえ。
前回の「陽子線治療1」で、陽子線治療の実施実績人数が少ない、という事を書きました。これはウチのオヤジの例でもそうでしたが、「がん」と言われれば、その時からお医者さんは患者さんにとっては神様になります。そして唯一の情報源という事でもあります。
で、ここからがグレーゾーンになるのですが、お医者さんとしては「何とか自分のところでできることはやりたい」という意識が働くものなんでしょうかねえ?もちろん今までは自分の所でできる事はやってきた、という意識はあるでしょうけど。
先日のセミナーでは今回新設される福井の陽子線治療設備の方が来てくださったのですが、その方曰く「トヨタのお店で『日産車をください』とは言えないでしょう?」という例えで説明していました。とにかく地元の医療機関からの紹介患者数が無い、という事らしいのです。お医者さんが過去の柴田のように「今月の一台」じゃなく「今月の1人」なんていっていることは無いと思うというか思いたいところなんですけどね。
ちなみに、トヨペット在籍当時は新車のセールスであったにもかかわらず他メーカー・他ディーラーの新車を売ったことも少なからずありましたし、新車を買ってもらったことはないけど、中古車を買ってもらったことはある、というお客さんも何人かいました。保険の付き合いしかなかったという人もいましたねえ。今でもお付き合いのある方で。まあ、思えば変なセールスだったんでしょう。
もう少し続きそうですね。
1 件のコメント:
私の眼科が癌の少ない分野ですから、癌治療の知識は不正確かも知れません。
長い歴史を持つ外科手術(通常の放射線治療や化学療法との併用を含む)に比べて、陽子線治療はまだまだ実績が少ないのが、紹介が少ない最も大きな原因ではないでしょうか。近辺にその施設がないのも原因でしょう。
比較的早期の癌であれば外科手術の成績は非常に良好です。最近の腹腔鏡や胸腔鏡手術の進歩で、体に与える外科手術の侵襲はかなり少なくなっています。
良識のある外科医であれば、自分たちのもつ治療法よりも良い結果をもたらす事が明らかな治療法があれば、その治療が行える施設を紹介するでしょうし、少なくともほぼ同等の結果を出す治療法があれば、選択肢として患者さんに提示するはずです(と願っています)。
ただ・・・外科医から癌を取ってしまったら仕事は半分以下になります。似たような結果が想定されるなら、患者さんへの治療法説明の中に、自分たちの治療法を選択する方へ誘導するバイアスが入る可能性は否定できません。
トヨタの車もホンダの車もそんなに大きく違わないのなら、トヨタのディーラーのセールスさんはホンダ車を勧めないでしょう。
陽子線治療にアドバンテージがあるのは認めますが、その先生も、正直な印象、ちょっと我田引水的なところがあるんじゃないでしょうか。地元から紹介が少ないってのは、治療の結果を一番良く知る地元の評判が今一つ良くないってことの裏返しのような気もします
ちなみに患者さんの医師への「お心付け」について。
これは本当に迷惑なんです。出された物を断るのって面倒なんですよ(押し問答みたいになって)。そんなところで余分なエネルギー使いたくないってのが本音です。
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