医療の現場の方からの感想をいただけると、それはそれ、なるほどなあと感じます。
陽子線治療推進というか、そのセンター長の方からすれば「何でもっと周辺病院は紹介してくれんのじゃろか?だってこんなにいい方法だよ?欧米ではこんなに実績のある方法なんだよ」という所でしょう。
得手不得手の箇所や症状(日本人に多い胃がんは陽子線治療法に於いては不得手としているのだとか)はあるにせよ、当人からすれば「こんなにいい設備で、こんなに患者さんも喜んでくれている」という気持ちは強いでしょうし、採算分岐点として設定している年間患者数400人という所は、まあ私企業ではありませんから気にしなくとも良いという事ではないにせよ、一応ねちねちと周囲から言われているでしょうし。
病院側というか担当医師からすれば、コロパパさんも仰っていたように患者さんの命運を握っていることもある以上、おいそれと博打を打つわけにもいかないでしょうし、出来れば確実性のある手段を取ろうとする、という判断も止むを得ない所かな、と。
「欧米では治療実績のある....、」といわれている箇所なんですが、彼の地(特にアメリカ)は自由診療のお国柄ですから、おそらく患者の側から「こういう治療をして欲しい」と事前に調べもするでしょうし、自分でそういう治療をしている施設まで出向いている、という行動パターンの成せる業という事はありはしまいか?という気もします。
日本の場合は、浜松あたりでは「とりあえず聖隷へ行く」という風がある気はします。そこにお任せコースで行き、あとはそこの医師に全運命を丸投げする、という感じですかね。少なくともウチの周辺に関しては。コロパパさんによれば最近は「モンスター患者」なる人たちまで居るそうですけども。
以前、陽子線治療費の平均金額が230万円前後と言う話を出しました。これにしたって自ら出向いている人たちなら無論承知の上でしょうけど、皆保険であるはずの健康保険が一応完備されている日本では寝耳に水の出費にもなるでしょうし、仮に陽子線治療を紹介する医師の側としても、少なくともそれだけの負担を強いてしまう治療法を紹介するだけの度胸というか何というか、言っちゃってもいいものだろうか、という気持ちもでるでしょうしね。静岡ならばわざわざ御殿場方面まで行かなくちゃ行けないわけだし。通院で良いとはいっても、高速で通うほうがお金がかかるような気も....。
お金の負担と体の負担。治療実績と話に聞くだけの海千山千の話。ま、たしかにこういう状況ならセミナーの講師の言うように「手の打ち様のない状態の患者さんが紹介されてくる例が多い」というのも分からなくもありません。また、患者さんの側から言い出さないと「では、陽子線治療にしましょう」とはなかなかならないようだ、という講師さんのお話も頷ける話です。
基本的には地元の病院から患者さんが紹介され、がんセンターでは陽子線治療の適否を判断してから陽子線治療を始める、というスケジュールのようです。このため、先ずは医師に「がんセンター」を紹介してもらわないことには話は始まらないようです。
ただ、こういうことになると「患者自身が治療法を選ぶ」という事にもなる訳で。患者の側から言われれば「まあ本人がそういうなら、どうぞ」となるのか。どっちがいいんですかね?
施設の建設金額が初期投資100億、年間維持費8億(減価償却除く)という事ですから、これだけの金額をガンのためだけに1私企業がつぎ込めるのか?となるとどうなんでしょう?という事は身近にこういった治療施設を目にする機会も医師の側にはあまり無い、という事にもなるのでしょうか。そうならばセミナーの講師も、もっと地元の病院に対して情報公開や紹介依頼を積極的に行っていく方がいいのでは?という気もします。
ただ、コロパパさんの仰ることをそのままとれば、外科手術の中ではガン関係の手術がおよそ半分近くを占めている、ということですから医師以外の、病院の総務部とか医事課あたりの人たちにとっては、そうした外部からの情報提供はあまり歓迎したくないものなのかもしれません。
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