2009年7月3日金曜日

環境

去年の9月だったか10月だったか。初めて噂に聞く「ツインリンクス もてぎ」に行きました。

個人的には初めて埼玉以北に行ったのですが、感心したのはその空の広さというか、地面の使い方のおおらかさというか、伸びやかな土地柄にまず感心しました。
柴田の自宅兼事務所は浜松の辺境に位置していますので、今ゼンリンのデジタルゼンリン地図で計測したところ458平米・138.6坪の敷地を夫婦2人、犬2匹で占有しているのですが、それをものともしない伸びやかな地面の使い方に羨望を感じたものです。

トヨペットに入社したときに、ふとした話のなかで柴田が「2階建ての家に住んでいる人が羨ましかった」、という話をしたとき「それは贅沢者の言う事だ」と言下に言われたことがあります。つまりは2階建ては敷地面積の狭さをカバーする為の苦肉の策であり、それを必要としない平屋の家というのはそもそもが贅沢なのだ、という事でした。
それを裏付けるように、浜松の市街地に住む人々は庭というものがほとんど無く、その大部分を駐車場としており、その面積を確保するのにも四苦八苦している人たちもある、という事に気がついたのはそう後の事ではありませんでした。村櫛ならばクルマなどその辺に置いておくもんだ、という意識があったのですが、所変われば意識もずいぶん違うものだと気がつきました。

話は変わって、数年前に横浜に住む叔父が亡くなりました。その初めてのお盆に、それこそ初めてその叔父の住んでいたマンションに行きました。
その叔父は長らく東芝に努めており、自宅としてマンションを購入した、というところまでは聞き及んでいたのですが、想像では「東芝なんて超有名企業に勤めていたんだし、随分と稼いでいただろうからそれなりに豪華なマンションに住んでいるに違いない」と思い込んでいたのです。ところが。
実際に叔父の家に行きびっくりしたのは「え?こんなところなの?」というぐらいそのマンションが狭かったことです。親子4人だったのですが子供部屋はそれぞれ3畳もあるか?という程度であり、リビングは6畳程度、その横に和室がこれも6畳あったかな?という程度です。そしてそれらがうなぎの寝床のように縦に細長く配置されており、おもわず「これかい?」と唸ってしまったほどでした。同級生で吉祥寺のレオパレスに住んでいた奴がいましたが、それを1人で使っていたことを思うとよほどそちらの方が優雅とおもってしまうほどでした。
これがサラリーマン生活40年の成果かと思ったものです。叔父さんには悪いけど、正直な情けなくなりました。一所懸命やってきて守ってきたものがこれか、と。こんなものなら田舎に留まりもっと余裕のあるスペースと時間を持ちつつ、贅沢さえしなければもっと余裕のある暮らしが出来たのではないか?と思わずにはいられませんでした。まあ、価値観の違いは人それぞれで如何ともし難いものがありますので、仕方ない所もあるんでしょうけども。


人間一歩引いて見ればいくらでも違う見方のできるものだと思います。逆に自分の今を見て、何でもっと頑張らないんだ、と思われる方もあるかもしれません。
ただ、今囚われている「こだわり」を捨ててみた結果を想像してみるのも一興かもしれませんよ、となんとなく思ったりもします。

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