私の中では、大学時代に初めてワープロというものに接して、なんてこれは面白いものなんだ、と感動したものです。
その後しばらくこういう器機を使う機会のないまま過ごし、トヨペットを辞めた辺りから、また改めてコンピューターを使い始め、自前で器機を揃えてやり始めだしたのはここ5年ほどのことになります。
初めてのワープロは東芝の「ルポ」でした。
それで初めての長文を打ったのは大学の卒業論文です。今でこそ卒論をメールで送るのも良し、という所もあるやに耳にしていますが、当時はまだ、そういうことにはトンと関心が無い時代であったこともあるでしょう。また私の所属学科が「日本史学」であったこともあるでしょう。
当時の卒業論文の提出様式は「原稿用紙(400字詰 B4サイズ 学校指定の専用原稿用紙)80枚から100枚の分量で、万年筆かボールペンにて手書きで記入したものを、学校指定の卒業論文用表紙で表装し、綴じ紐で結んで提出すること」となっていました。
ここで、せっかく買ったワープロが全く役に立たないことがわかりました。当時のルポですら原稿用紙のマスに入るように印刷することも可能でしたから、どういう理由でそういう規定になっているのかを学生課に尋ねたものですが全くの門前払いでした。「ともかくそういう決まりになっているから」の一点張りだったと記憶しています。とにかく手で書け、と。
仕方ないので草稿を書き、それを推敲し、清書前の最終下書きまではワープロで作業をしました。ただ、実際に清書する段階になってもまだ結構誤字脱字があったことは憶えています。結局手で書いて憶えるということをその時まで繰り返していましたから、「手で覚えている」「目の前に出てくる字を見て違和感が有る無いの判断をする」事に慣れていたためでしょう。このことに気付いたという事だけでも、これはこれで収穫と言えたかもしれません。
さて、ここから断絶の15年程があってワードを使うようになるのですが、ルポの頃ってこんなこと気になったかなあ?と思うような妙に引っ掛かる特徴的な変換がいちいち気になります。
今でも感覚にしっくりと来ないのが「づ」と「ず」の使い分け。いちいち使い分けをしないと、思っている漢字となって変換されてこない点。手書きの頃はいちいち気にせずともいきなり漢字を書いていたので、「づ」なのか「ず」なのか意識せずに使っていたということですね。これがいちいち引っ掛かる。
「原因」と打ちたいのに、読みとしては「げいいん」と教わってきている為、そのまま打つと「鯨飲」と変換されること。つまり、読みとして使われるひらがなとワード内に登録されているそれとが微妙にずれている点。今思いあたる他の事例が思いつきませんが、もっと他にもあったように思います。
その他、「いう」という言い回しに対して、いちいち「いう」か「言う」なのかを変換し直さなくてはいけない点。動詞なのか字句の繋がりとして「いう」と入ってしまっているのかを判別していない、という事でしょう。何故か律儀に前の語句繋がりで変換しようとしているようで、わりと「何でこんな簡単な変換候補が出てこないんだ?」と不思議に思うことがあります。
「2ちゃんねる」で、「こんにちは」と「こんにちわ」のどちらが正しいのか?という話題があったようです。これも手書き時代なら恐らく違和感なく「こんにちは」と書いているでしょう。文字としては「は」でも、読みはたしかに「わ」なんですから。
ですが、メール等で読みで入力していく、という作業をするとなると「こんにちわ」と、そのまま出力された文章になってしまっているのも理解できる所です。
でもこの辺の読みと文字の慣例的な使い方って、小学校1年生の一番初めの頃にやる、一番最初の日本語の常識じゃなかったっけ?
こうした点は、手書きの文章で伝達されてきた日本語の作法と、データというか音で入力された文章を文字化していく作業の整合性が取れていないという事もあるのでしょう。その点、他のワープロソフトがどの程度使い勝手が良いのか興味は尽きませんが、マイクロソフトも大どこの意地を見せて何とかその辺を改善してもらいたい所です。
ただ、以前耳にした話だと「ワード」のデータ入力センターが中国に有るとか無いとかの話を耳にしたので、幾らなんでもそりゃないだろ、とも思ってしまいました。日本でやってよ、それくらい。
2 件のコメント:
インプット・メソッド(IM)をマイクロソフト製のものからATOK(日本製)に換えてみたらどうですか?
まあ、私自身にしてみればATOKも以外と癖があって使いにくいですけどね。
コメントありがとうございます。
そうか、そういうやり方もあるんですよね。見てみたら30日試用版というものあるんですね。
ルポの思い出は随分前の話になってしまったので記憶が定かではありませんが、さほど気にせずともわりあいサクサクと文章を打っていたように思ったんですが。
そういった点はアップルはどうなんでしょう?
コメントを投稿