2008年6月18日水曜日

公務員

うちの親父がガンで入院しています。現在70歳。昭和12年生まれですから、終戦時に8歳。20歳が、就労開始年齢だとすると昭和32年から働き始めていることに。つまり、年金や健康保険料は満額、全期間支払っている世代になろうかと思います。

何が言いたいのかというと、うちの親父の場合、全期間、これだけ年金保険料にしても健康保険料にしても支払ってきた、という累計金額はかなりのものになると思うのです。でも、健康保険も、年金も、「賦課保険料制度」という「現役世代が支払い、年金世代を支える」という分かったような、結局よくわからん方式で運営されていた訳です。多分オヤジとしては盲目的にその時になったら貰えると信じてきて自民党にも投票してきただろうし、会社員としてウン十年の間勤め上げてきたのだろうな、と思います。
ところが、先年、ようやく老齢健康保険の対象者になったと思った途端、後期高齢者何とかとかいう制度を持ち出されてきました。親父自身からはそのことについて何にも聞いたことはありませんが、果たしてその胸中は?と考えなくもありません。


個人的には、報酬を得る、という所業の事始めは高校の時の郵便局のアルバイトでした。それが唯一学校で認められたアルバイトだったからです。で、感想。「こんな程度で、こんなに呉れるのか?」というのがその正直な所。
次のアルバイトは大学時代。廃品回収業者の集積所の整理係でした。4トンとかそれ以上のトラックにぎっちり積み込まれた新聞紙を素早くおろし、所定のヤードに積み上げる、という仕事です。とにかく紙は重い。そんなトラックが朝から晩までひっきりなしにやってくるのですから、たまりません。昼飯付きで日給7500円くらいだったかな?初日の勤務は夕方雨が降ったので、最後4時過ぎ以降は体を休めることが出来ましたが、それでも足腰立たないというか、明日もやるの?といた感じ。柴田博之18歳の初夏でした。その時思ったのは「お金もらうって大変だ」という事。期待されたことをこなさなければ7500円は貰えないのです。

で、何が言いたいのかというと「この国の制度を成立・維持してきた連中というのは、一体何を以ってして給料を貰ってきたのか?」という根本的な疑問です。くどくど言い始めるとキリがありませんから結論だけいいます。「あんたら給料泥棒だろ?」ってこと。

例えば会社員の場合。平社員は経験や実績もないですから、はっきり言って個人が考えることを要求されません。ただの兵隊です。そこから年数や実績を経て、主任であったり、係長であったりという肩書きが付いていく訳ですが、それは偉くなった、という訳ではないんですよね。まあ、それがこの先起こる間違いの大本だったりする訳ですが。
主任・係長・課長などの肩書きは「そういう目線でモノを見ることが出来る目ができてきた」から、兵隊ではなく、小隊の中の軍曹的な仕事が出来る、もしくはそういう働きを期待される見返りとしてその分の報酬が加算された、という事なんですよね。
更にその先、課長、部長ともなれば「兵隊としての役割」を期待されることはなくなります。その代わり下士官ではなく、キャリア・尉官・士官として「組織をより効率的に動かすことによる生産性の向上」なんかを期待されることになると思うのです。つまり、より「偉くなった」という事ではなく「兵隊でない職責」ができるようになったのかな?という事だと思うのです。一般兵の職務に精通していることは必要条件だとは思いますが、それは十分条件にはならない、とも言えます。

ここで、さっきの話に戻るのですが、公務員であることは、そうした制度設計に関わる為の必要条件だとは思うのですが、ただそれだけでは給料をもらう、という事についての十分条件たり得ていないと思います。労働三権のうちの団体交渉権を認められていない(とは言いつつ、なぜか組合なるものが存在し、それが一定の圧力となっているらしいのは何故?)公務員に向けられた期待とは何か、という事をもう一度考えていただきたいものです。
もちろん、公務員の人たちも「俺達だって一勤め人に過ぎない」という意見もあるでしょう。ただ、その程度の意識しかないのであれば、先日の橋下大阪府知事の言うように「ならば、お辞めいただいて結構です」というのも最もだと思います。それこそ最も「職業倫理」を求められる職な訳ですから。待遇云々でその職を選ぶべきではないと思うのは厳しすぎるのでしょうか。「清廉潔白」という事を示すためにも「最も身内に対して厳しい」職場であるべきなのではないでしょうか。

ただ、いろいろ言っても何時かは制度は緩んでいくんですよね。完全独立の第三者機関を作り監視体制をとらせたところで。最後の頼みの綱は「民度」になるわけですが、それでも少しでも先手を打っておくとすれば、やっぱり握れる権能を少しでも小さくしておくべきなのかなあ、と思ってみたり。うーん。堂々巡り。

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