2009年2月6日金曜日

新車への期待値

昨日の投稿を改めて見直してみて思ったのは、新車への期待値ということでした。

自分自身としては学校を出てからそのままディーラーへ新車セールスとして入ったので、見なくても良い中の事情を知っていますから新車といわれてもそれほどの期待をしていないと言うか諦めている所があります。もっというと昨今の新発売車の仕上がりを見るにつけ、別にこれなら積極的に新車を勧める意味はない、とまで思っていますので、どれが良い?と聞かれればとりあえず今はそこそこの中古車で十分じゃないの?と答えています。実際丈夫になったと思うし。

個人的にこれなら買ってもいいと思っている車は初代ヴィッツと初代プリウス、初代フィット、i、ムーヴカスタムシリーズ、RX-8、先代初期型(丸目)のノーマルインプレッサ(WRXやSTiもいいけど、もうあそこまでは要らない)、くらいかなあ。
iくらいはメーカーへのご祝儀で新車でもいいかな?とは思いますが、すでに3年落ちの中古が50万円台で何とかなろうとしているご時勢に本体価格130万というのは考え物ではありますが。

話を戻して新車への期待値ということです。手っ取り早く新車へのクレームで遭遇した事例を挙げると、

塗装の状態が悪い(ゴミの付着、塗装のカケ、ハガレ、ハジキなど)
新車のキズ(外装、内装)
フロントガラスの中に髪の毛(金髪)が入っていた(アバロン)
フロントシートベルトの支持金具が擦れる音が気になる
ブレーキの音が変(キーキー音)
車内の異音
て、感じですかね。主なものとしては。結局外観と音に関するものに集約されるのかな。新車クレームって。納車に行く行程だけでもおっかなかった某車などは走りに関するクレームを心配したくらいですが、まったくその手のクレームはありませんでした。つまりは基本的に宝物的な存在であって(僕のロードスターなんかはそういう部類に近いでしょうねえ)、走りに関することはまあ、言ってみればおまけ的な感覚に近いような気はします。全般的には。
トヨタ車ユーザーだからそういう方向に偏っている、とも言えるでしょうが、でも、ダイハツのコペンユーザーでも「うるさい」「乗り心地が悪い」「音がする」などといったクレームが多数寄せられるということですから、まあその辺は似たかよったかという事かな。

この辺の感覚は擦れているのでしょうけど、外観なんてある程度以上であれば、もういいじゃんと思うことはあります。個人的にはね。商売の場ではそこまで簡単に妥協はしませんが。
確かに初めて買った新車(平成5年10月のコロナ)では、ボンネットへの飛び石キズだけで一枚塗りなおしてもらおうと思ったこともありますけどね。

とある業者さんでのお話です。まあ言っちゃえばハイエースのキャンピングカーを作っているところでした。
ハイエースには特装車と呼ばれるキャンピングカーへの改装ベース専用車があります。カタログにすら載せられていない改装業者専用車です。最初っから改造を前提としているので、後ろの荷台にはカーペットどころかマットすら敷かれておらず鉄板むき出しのままメーカーから送られてくる車でした。お値段は300万円前後くらいだったでしょうか。
とは言っても基本ベース(ハイエースバン)が200万円くらいのところに、これはというところだけワゴン用部品を搭載(顔とお尻、フロントシート、運転席まわりのトリム類、エンジンなど)した少量生産車ですから、メーカーの手間を考えると大盤振る舞いのバーゲンセールだったと思います。

で、この車の受け入れチェックが異様にうるさいものだったわけです。針の先ほどの塗装のハジキやメタリックのムラ、ユズ肌のムラ、埃の付着などなど。まあ、言ってみればセンチュリー級のチェックを髣髴とさせられるくらい。その理由としては「ウチは架装状態で5~600万円級の車を作って売っている所だ。それだけのお金を支払っていただいているお客さんには完璧な状態で車を提供したい。」
まあそれはそれで分からんでもないのですが、そこまで云うならもっとメーカーに金払えよ、と思っていました。外観特別チェック仕様車ということでプラス50万くらいの値をつけてもいいんじゃないのかな?とね。


メーカーの試作車は1台数億円単位になると聞きます。それをモデルライフ何年、生産予定台数何台、というところから1台の生産にかけられる原価計算をしていき、部品1点辺り1銭単位での原価低減をしていくと聞きます。そうして新車価格100万円からという販売価格が実現されていきます。もちろんそこには人件費計算も、原価償却費も、設備投資や宣伝広告費なども計算しなくてはいけません。
だからねえ。メーカーに対しては「ここまで安くしてくれてありがとう」という気持ち(とくにエントリーカーやスポーツカーなどは)がありますので、新車に対してあんまり無碍に思える期待はしていませんし、出来ません。期待するんなら金出さなくちゃあなあ、という感じ。例えばメーカーがそれだけ手間をかけられる金額の車を買う、もしくは、意地でもそういう仕上げにしてきた車を選ぶ、例えばトヨタで言うならオリジンとか。
日本メーカーとしては、お客さんからの初期不良(逆に言うとこれしか見れていないような気もするけど....)に関するクレームには異常に神経を尖らせていますから、そういうことを気にするのならば日本車を選ぶべきなんでしょうねえ。

逆に考えれば、欧州の人なんかはどういったクレームをメーカーに上げるんでしょう?おそらくというか、少なくとも参考意見としては新車開発時に、そうした意見を考慮しないことはないでしょう?
椅子に関してのクレームが多いから、そうする。もしくは開発者自身が我慢できない椅子は避けている。こんな足回りじゃあ乗れない、と来るから容量の多いショックアブソーバーにせざるをえない、とか。消耗品は換えるのが当たり前だから交換しやすく設計する。消耗品が消耗するのは仕方がないが、消耗してはいけない物はとにかく頑丈に作る。例えばボディとか、ドアのヒンジとか。特に下回りは融雪剤に侵されないように分厚く保護しておく。こんな感じじゃないのかなあ?あっちに行った事ないから分からないけど。

まとまらなくなってきたので、今日はこの辺で。





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