以前書いたことがあったような気がしますけど、柴田は長らく「マガジンX」という自動車雑誌を講読していました。多分、一番最初は大学にいっていた時、静岡トヨペットの内定をもらって、自動車のことを少しでも知っていなきゃなあ、と思い始めた平成3年の秋ごろのことだと思います。
当時東京の浜松市学生寮というところ(文京区千駄木3丁目)に住んでいて、多分その近所のコンビニで立ち読みをしたのがファーストコンタクトです。確かその時には新型スープラのスクープ記事が載っていた頃だったかと思います。おそらく時期的には初代編集長である山下さんという方がまだ取り仕切っておられていた頃かな?
学生時代は東京にいたこともあり、クルマというものにはほとんど興味はありませんでした。だって、あの時(バブル真っ盛り)に東京でクルマを所有するなんて、駐車場の金額だけで月に数万円(家賃以上)といわれていましたし、電車はいっぱい走っているし、電車の時刻表なんて終電の時間が気に なったとき以外は見たこともありませんでしたしねえ。
バイクの免許を取ろうと思ったことはありましたが、思っただけでした。
こんな感じだったので、免許は2年生のときに取ってありましたが、ほぼ使わずじまいでした。ですので、クルマの知識なんてそれ以降の吸収で、それまではまったく知らず、クラウンってどれ?と言っていたぐらいだったのです。
話は戻ってマガジンXですが、現在は定期購読はしていません。たまに目を引く記事が載っていると買わなくもありませんが、以前のように毎月ということはなくなりました。それでもさらさらと立ち読みをするのは「ざ・総括」くらいでしょうか。
今でもたまにXに寄稿をされている池田さんという方がいます。「ボンバー池田」というペンネームで「クルマ屋本舗」とかいうコラムを不定期で連載されていたのだったかな?この方の書かれた有料ファイルを買わせていただこうと思ったことがあるのですが、その際に本人確認という名目で直接池田さんからお電話をいただく、ということがありました。おそらく「変な奴には買って欲しくない」という身辺調査も含めての事だと思います。このあたり、以前アンプの事で取り上げた故・桝谷英哉さんに通ずる所があるのかな?
さて、池田さんからお電話をいただいた際に聞かれたことは「今購読している自動車雑誌は?」というものでした。もちろん当時は「X」をまだ読んでいましたので、そうお答えしました。それと「X」と同じ出版社の本で「モーターファン イラストレイテッド」という本も当時読んでいた(つまり今はもう購読はしていない)ので、その名も上げておきました。
ここで個人攻撃をするつもりはないのですが、どうもここのところ、マガジンXの2代目編集長をしておられた牧野茂雄さんという方が頑張っておられるようです。
匿名による歯に衣着せぬ新車批評、ということが目玉であったと思うのですが、個人的な記憶に依れば、確か初めてあそこに実名で登場したのが牧野さんではなかったかな、と思います。先の池田さんの言によれば、ここしばらくの「ざ・総括」の原稿は牧野さん一人で書いている、というお話もありました。まあ、たしかに以前の多彩な感じではなくなってきている感(つまり論評がけっこう一本調子)はありましたので、もうそろそろ定期購読の意味は薄れているなー、とは思ってはいましたが。変なミーハー路線も目に付くようになっていていましたしね。
「モーターファンイラストレイテッド」刊行当初は1年間だけの限定刊行というのが謳い文句だったと思います。最初から「何月号は何の特集をやります」ということが謳ってあって、かなりの分量の情報が詰め込まれていました。確か主筆(今見たら編集顧問となっていました)を両角武彦さんが勤めていたハズです。牧野さんも最初からその名前は見えるのですが、前面に出るという感じではありません。
ところが、売れ上げが良かったのかどうか知りませんが、1年で終わるはずの企画が「セカンドシーズン」などといって現在は第2周目(もう3周くらいに入るのかな?)にはいり、既に両角さんの名前は編集者の欄にはなく、記事のあちこちで牧野さんの名前が散見されます。月別の特集記事も随分企業広告色の強いものが多くなり、自動車評論の御重鎮が顔を出されるようにもなってきたようです。
これも池田さんに「(モーターファン誌も)あれだけの情報を毎月コンスタントな分量で出し続けるのは大変な作業量になるのでしょう?」と聞いたところ、池田さん曰く「あれはメーカーの広報資料の丸写しじゃないですか」とばっさり。まあ、そりゃあそうかと思い購読をやめてしまったというわけです。
そんなわけで、今現在、定期購読をしている自動車雑誌はなくなってしまいました。
ただ、情報は常に入れ続けていないと、という気持ちはあるので、今現在は両角さんのメールマガジンを受信しているのと、池田さんの有料ファイル、それと福野礼一郎さんという方の文章を見かけたときに買っているという状況です。
福野さんの文章で「基本、自動車雑誌はバイヤーズガイド」という言葉がありました。ただ、どうも胡散臭いと感じる雑誌が多くなってきたことに加え、新車そのものの魅力が薄くなってきていることもあり、どうも情報の出処という意味が薄くなってきている(バイヤーズガイドになりえていない)のかな?という気がします。まあ全てがネットに遷り変わっていくとは思えませんが、それでも既存の情報ルートを構成している企業やその中の人が取り残されているような気がしなくもありません。まあ、こうして自分もネット上にいろいろ書き連ねている訳ですが、つまるところは信用度、ということになるのかなあ?
プロの編集者や編集事務所になればなるほど文章はうまくなるでしょう。ただ、その中味であるはずの真意での知識や知恵が、ただ単に目の前を通り過ぎていくだけの情報にしかなっていないような気がします。血が通っていないというか、魂が籠もっていないというか。
自分の商売だけで言えば、右から左に仕事を請けて仕事を流し、下請けから来た請求書に少々手間賃を乗っけてお客さんに請求すればいいことです。ですが、それだけでは現場があまりにも希薄すぎます。自分でやってみればその大変さや困難さは分かるはずもありません。だから少々の事は自分でこなすのです。保安部品には触りませんが、それ以外の軽整備は自分で手をかけます。
でも、どうも最近の自動車雑誌からは、そういう臭いを感じなくなってきているんですよね。
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