昔から天邪鬼なんで、みんながこう言うから僕もそうしよう、という従順な所がなく、「ほんとうにそうか?」という疑り深さでもって、なんとなく「ああそういうことか」と少しでも思えない限りは上っ面はともかく本心から翻心するということがあまりありませんでした。損な性格というか可愛げがないというべきなのか。
ですのでいつも上司とは衝突していました。上司からすれば、さぞかし嫌な部下であったろうと思います。「分かりました」とは表面上言っていたとしても、納得していなければいつまでも反旗を翻すなりサボタージュをするからです。
ではその反論の根拠は?と聞かれれば「果たしてそれが本質的にお客さんの為になるのか?」であり、会社としての云々は二の次というか、組織としてのエゴや会社としての都合は前面に押し出すべきでないという姿勢でしたから、やっぱり嫌な部下でした。自分が雇い主だとしたらすぐ解雇でしょう。
皮肉をこめて言えば静岡トヨペットという会社はそういう意味でおおらかというか、寛大な会社であったといえるのかもしれません。まがりなりにも今日独り立ちできるまでに育てていただいたことは事実ですので、非常に感謝はしているんですけどね。
基本的にお客さんに対しては「信用して任された以上は出来る限りのことをする」というスタンスを通してきたつもりです。
ただ、それについてもプライドが付いて回りますので、へんな言い方ではありますが、お客さんの側から信義にもとる、こちらから卑劣とも受け取れる対応をされた場合、すっぱりその場で付き合い方をガラリと変えてしまうという潔癖さもあったり。まあこれは良し悪しがあるので、もう少し穏やかな対応をすべきだろうかと思い直すこともあったりなかったり。
そんなんなので、「アンタとはもうこれ以上付き合えん」と言い切り、席を立ってきてしまったこともありましたねえ、カッコイイといえばカッコイイのですが。そういう経緯をそのまま上司に報告したことや、所長の目の前の席でそういうやりとりをお客さんとかわして電話を切り、「スミマセンがそういうことですので、この話は潰れました」と言ったこともありましたねえ。
巷では「消費者保護」であったり「消費者庁の創設」であったりと、エンドユーザーの保護に一生懸命なようですが、本当にそれだけでいいのか?と思わなくもありません。
誤解を恐れずに言えば、売る側からすると「お客になって欲しくない人」達や「お近づきになりたくない人」たちも絶対数として確実に何人かは存在する訳で、この何でもかんでも「お客様は神様」的な幻想は安売りすべき概念ではないと思うのです。世の中には何故か自分に都合のいいようにしか思考回路が組みあがっていない人も居るんですよねえ。
幸い、今お付き合いいただいている方々に関しては、そういうことを考えなくてもいい輪というか循環といったらいいのか、そういう雰囲気が出来上がっていますので大変ありがたい状況ではあるのですが。極力この輪を守っていけるよう努力・尽力していきたいものです。
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