もう少し分かりやすい写真を撮っておけば良かったと悔やまれますが、最近気が向くと引き受ける仕事がこれです(メンドクサイ時とか忙しい時とか、その他の理由で気が向かない時には引き受けていません)。
手前が施工第3段階が終わった部分で、奥側の白っぽいのが第2段階まで施工し終わった箇所です。新車の塗装やきちんとした作業が施された鈑金塗装は、この通り14年近く経った後でもきちんと磨きだしをすればこういうツヤを取り戻します。この写真のクルマは黒いのでよけいに磨きだし後のツヤが映える、というのはありますが。
細かく見れば鳥のフンをそのままにしてしまってあったりして塗装が侵されていたりする所もあったりしますが、ここまで磨いてやればあまり気になりません。
で、この第三段階から更にもう一度、もっとキメの細かいコンパウンドを使って更に仕上げ磨きを施したのがその下の写真です。
更にこのあと、コーティングを施します。新車塗装そのものは非常に強力な皮膜を持っているので本来ワックスやコーティングの類いは必要ありません。
ただ折角キレイにしたのに、引渡し後、すぐに磨き傷をつけられてしまうのはなんとも心が痛むので、埃が払いやすく、鳥の爆弾を受けても取れやすいように、というだけの目的でコーティングを施しました。これで表面が更にツルツルに滑るようになります。
ついでに、このクルマはワイパーを外しました。フロントガラスに貼ってあるマスキングテープは「ワイパーはこの位置になっていたよ」という印です。組み付けるときの目安の為にこうしておきます。
何でワイパーを外したかというと、ワイパーに塗ってある塗料というのはあんまり質がよくないのか、少々年数を乗るとツヤが落ち、色がはげ、錆びてくることも珍しくなく、このままだとあんまり見栄えがよくないからです。つまり外したワイパーをきれいに塗りなおしてあげると、磨き上げが終わった黒々としたボディにピカピカのワイパーが映えて「まあステキ」となるのです。
ワイパーは外から見える部品だけでいうと、根元から伸びた腕の部分の「ワイパーアーム」、そこから先のパンタグラフのようになってガラスの曲面にゴムを馴染ませる「ワイパーブレード」、そして拭取りの要になる「ワイパーゴム」から構成されています。このうち塗ってあげるのは「ワイパーアーム」の部分です。「ワイパーブレード」まで塗ってあげてもいいのですが、これは汎用の交換部品(ワイパーゴムつきで1,500円程度)があるので、次回の交換時期にセットで換えてもらうとして、今回は手を付けませんでした。
最後の仕上げとして、目立つプラ部品(センターピラー近辺のドアの飾り板など)にプラの保護剤を塗ってあげるとこれまた「まあ新品みたい」となり、表情が引きしまります。
できればホイールハウスの中などは高圧洗浄器で泥汚れを落としてやるともっと引き締まるのですが、既にこちらの電池が切れかけていたので、今回はそこまでやりませんでした。
そんなこんなで、お昼過ぎから作業を始めてはや5時間。何とか作業も一通り終わって引渡しをしてまいりました。
喜んでくれましたねー。「新車みたい」って何度も言ってくれました。まあ、そこまで喜んでいただければこちらとしても本望です。やってよかったと思う瞬間ですね。
機械そのものはなんともなくても、塗装やプラ部品の見た目の劣化が目立つと、それだけでもう古くなったなあー、とか思ってしまうものです。塗装そのものは強固なものであったとしても、酸性雨の影響であったり、磨き傷が目に付くようになってしまうと途端に古びて見えてきたりします。中にはコーティング剤の影響で塗装表面が侵されたりしている事もあるとかないとか。
本当の所、塗装面には触らず、できればそのまんま、なんにもしないのが一番いいようです。やっても埃取りで磨き傷がつかないよう滑りをよくする処理だけ、という感じですね。
ガラスコートとかテフロン加工とか色々能書きの書いてあるものは色々ありますが、ここ10年くらいの間に生産された車は随分と塗装が強いですから、そういうものは必要ありません。その証拠に10年以上経ったこのクルマも磨き上げを施すだけでここまでキレイになってくれるのですから新車塗装は偉大です。
ただ、ディーラーがそうした商品を率先して施工している感はありますし、柴田自身もそれを売らされていましたが、やっぱり必要ない(施工後数年を経た車と未施工の車とを実際に見ているものの立場からして)、というのが実感です。
実際に新型のEクラスを買った人が「ヤナセで売っているモノだからいい物の筈だ」という事で、一緒にしこたま色んなもの(コーティング処理とか)を買っていましたが、あれも「売れるときに売れるだけのものを売る」というだけですからねえ。
純正オプションといえば聞こえはいいですけど、あれって新車開発の時に平行開発しているわけでもなんでもなくて、あくまでクルマができてから考えるものらしいです。サイドバイザーとか。で、それらにメーカーのロゴを入れて売ってると。
だから、けっこう取り付けに苦労するものがあります。以前やった日産キューブへの盗難防止装置とかね。あれは酷かった。
そんなわけで、話がどっかに行きはじめているので今日の所はこの辺で。
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