2007年11月23日金曜日

自動車保険の基礎知識

心理学者のように冷静な目で見れるほど訓練をつんでいるわけではありませんので、正直お客さんがどう思っているのかは分かりません。
でも、ふと以下の事を思い出したのは、今日、やっとこさ、事故の修理があがってお納めできた車があったからです。

トヨタには、営業マン用に通称「黒表紙」とよばれる営業マニュアルがあります。この中にお客様の購買心理とかいう項目があるのです。
なんかいいですね。購買心理。いかにも、という感じです。
トヨペットに入社したばかりの頃には、こんな事ばかり、まるで学校の道徳の授業のように毎日聞かされていたので、各営業所に配属されたときには車庫証明も満足に書けないような、イビツな営業マンになってしまっていました。

思い出したのは、その中の「お客様の気持ちの盛り上がり曲線」とかいうやつです。
確かに注文書にサインをいただくときには一定以上に気持ちが高ぶるものなのでしょうけど、問題はこの先です。営業マンはこのときが気分は最高潮。でも、お客さんは、納車の時が、気分が最も盛り上がるときなので、このズレに気をつけましょう、とかいう文意だったような気がします。

思えば、自分としては、納車のときが最も気をつけていた時でした。でも、営業マンによっては、クルマが営業所に搬送されてから2~3週間もそのまま。とっくの昔にナンバーも取れているにもかかわらず、何時までたっても納車されない、してくれない、という気の毒なお客さんやクルマ達がいました。
まあ、お客さんも、あたった奴・セールスが悪かったと思って、諦めてもらうしかありませんね。そういえばアイツはまだ、あそこにいたような気がします。


それはそうと今日の納車のときに、こんな事を聞かれました。「修理費のうち、何割かは自己負担になるのか?」ちょっとご参考までに解説を。
今回の事故は「悪戯」もしくは「嫌がらせ」でした。こういった事故は「車対車+A」(保険会社によって名称が若干異なります)という種類の車両保険に加入していれば保険がききます。

ここでちょっと豆知識。保険の基本的な考え方です。
自動車保険というのは、「保険契約者、もしくは保険の対象者がやってしまった過失部分の賠償責任を保険会社が肩代わりする(対人保険や対物保険)」という保険と「保険の対象となる事故にかぎり、自分のクルマを元の状態に現状復帰させるための修理費を保険会社に払ってもらう(車両保険)」、「事故に居合わせてしまった同乗者の怪我の保険(搭乗者保険)」という内容の保険の3本立てです。

今回問題になるのは車両保険ですが、保険期間内の複数回目の事故でない限り、ほとんどは初回の自己負担金額(免責金額といいます)は設定していないのが普通です。そういう契約内容じゃなかったら代理店が悪いか、契約者(賠償被保険者)の年齢が若いので、保険料を安くする為等の苦肉の策である以外に、その理由が思いつきません。つまり、自己負担は発生しません。

それと、今回のように「契約者の過失に拠らない事故」に関しては、いくら支払保険金額の多い事故であっても次年度の保険等級は下がりません。たとえば飛び石等による窓ガラスの破損とか車上荒らしとか。こういった事故を「等級据え置き事故」といいます。

こういった、自動車保険の独特な考え方を押さえとくと、イザというときに役に立つかな、と思いましてちょっとだけ今回はご披露いたしました。ご参考になさってください。

今日はこの辺で。

1 件のコメント:

コロパパ さんのコメント...

車は高い買い物ですが、同じく高価でも宝石・貴金属とはちょっと違ったものですよね。

貴金属は買ったらそれで購入者と販売者との関係は希薄になりますよね。でも、車の場合はディーラーさんの購入者に対する接し方も、その車の購入行為自体の満足感に大きく影響するように思います。「ああ、これにしてよかった」って。アメリカなんかでは、よく車のメーカー別満足度調査ってやってますよね。車自体の価値だけが評価の尺度ではないってことですね。

物を売るのも大変でしょうが、サービスを売るのも難しいことですよね。