2009年3月30日月曜日

命の値段





損害保険分野における命の値段の算定はかなり大雑把です。こと自動車保険においては。
大体なんとなく対人無制限、とか人身傷害5000万円とかやっていませんか?

これが生命保険分野になると直接「保険料」という保険商品の金額にもろに関わって来るし、いまだに基本的には生命保険のおばちゃんはこの「死亡保険金」の総額を売っている(競っている)ので、目の色変えて「最低5000万円は欲しいわよ」なんて言ってきます。

人は必ず死にます。これはもう、致し方ないことです。柴田なんかは以前「35まで生きていられればいいなあ」と言っていましたが、いつの間にやらもう今年の12月で40にならんとしています。もうこれは余生と割り切るしかないでしょう。だからある程度サバサバしていられるのです。
子供でもいればまた変わるかもしれませんが、それはそれで彼らの人生ですから、いつまでも関われる訳ではありませんしねえ。ま、嫁さんは100才まで生きる気満々なようですけど。確かに早いうちの終末は心残りと言うか「残念」は有るでしょうけど、そこでジタバタあがいても仕方が無い、と半ば割り切っています。その時になってみないと分からないこともあるでしょうが。

さて、話は途切れました。死亡保障の事です。
確率から言えば必ず人は死ぬ訳ですから、いわゆる「終身保険」は、最後には支払いが必ず生じる保険です。つまり保険料が高い保険となります。イメージ的には30歳加入、60歳時支払い終了、死亡保障金額1000万の場合で死亡保障金額の半分強を積み立てている、というイメージです。おおよそ600万強という感じでしょうか。月払い的には17000円台というところ(あくまでイメージです。健康状態や予定利率でも保険料は変わります)。60で保証はいらない、もう止める、となればこの600万円強に30年分の利子がついて(純粋な保険料分は引かれますが)解約返戻金として返ってくる、というわけです。保険会社としては厚生年金のように「その時になって考える」わけにはいきませんから、いつか必ず死んでしまい支払わなくてはいけなくなる「契約者人数×死亡保障金額」分のお金を確保しておかなくてはなりません。

それとは違って、その時その時の死亡率から保険料を計算しておく掛け捨ての保険があります。いわゆる定期保険ですね。もちろん若くして、という方の方が少ないですから若いうちは保険料がバカ安です。
基礎データは4年に一度の国勢調査です。これで何歳の男性は1年間に何人死亡した、というかなり確度の高い情報が出ていますので、これを元に「生命表」と言われる統計データが公表されています。これを元に各保険会社は保険料を決めています。ちなみに生命表自体は公開されているので総務省だかのHPに行けば見ることが出来ます。
さて、大概おばちゃんたちはこすっからいので10年単位でこの定期保険を区切ってきます。こうすることによって、若いうちの保険料が安く、しかも保障金額は高額に設定できるので売りやすいのです。
「あなた社会人になったら3000万円くらいは入っておかなくてはダメよ」なんて、扶養者もいないのに何がダメなのか分からないうちに加入させられてしまっています。ここに加入させられた本人が言うのですから間違いありません。


これらに対して損害保険分野での命の値段はとても安くなります。なぜなら損害保険の場合は1年契約が主流で、しかも必ずしも「死ぬ・殺してしまう」ことはありません。
もちろん交通事故データには敏感ですから、交通事故死亡者何人、ケガ何人、という統計は気にするでしょうけど、実際の所は強制保険である「自賠責保険」の死亡保障3000万、ケガ120万、の範囲内で収まってしまっているケースがほとんどです。あくまでも自動車の任意保険は「上乗せ保証」が基本です。自賠責の範囲で保障金額が収まっている事故の場合は任意保険で支払う部分はありません。確かに高額賠償の例はありますがケースとしては非常に稀なので大きく保険料に響くことは無いのです。
これは実際の話ですが、親戚のおばあさんが交通事故で亡くなった事があります。で、数年後そこのおばさんの話で「確かにあの時3000万円貰ったが........」と(おそらく)ついぽろっと言ってしまったのを聞き逃しませんでした。ということはあの事故は自賠責だけで終わってるなあ、と思ったものです。

そんなこんなで、いくら「無制限」保障とはいえ実際にそれほどバンバン支払っている訳では無いので対人無制限の保険料はそんなに高くないのです。代理店ならば保険料の内訳という画面が見れるはずですから、そういう機会に確認してみるのもいいでしょう。
では人身傷害はどうか。基本的には過失割合関係なしに自分のケガの治療費その他がでて、という内容なのですが。

先日見積を作った方がありましたが、その時に旦那さんからは「なるべく安く」という話だったので3000万円で見積を作りました。人身傷害保険の最低保険金額は3000万円だったからです。ところが奥さんから「他社は5000万円で作っていますが、3000万円の根拠は?」と聞かれました。もちろんそれが最低金額だからです、とお答えしたのですが、次に言われたのは「それで足りるでしょうか」。

まあ、足りるも足りないも、基本人身傷害保険は「相手保険会社から支払われるべき保険金」をも、取り合えず立て替えてくれる保険ではあります。あくまで支払われる保険金は従来の「逸失利益」の分であったり慰謝料の上乗せであったりという分で、5000万円加入していたから黙っていても5000万円くれると言う訳ではなく、
逸失利益その他の「事故をされたことによって蒙った経済的損害」の総額から、相手側から支払われる(支払われた)賠償金を差し引いた差額を上限、保険設定金額までという内容です。
まず相手側からの賠償金があるわけですし、治療に関しては健康保険も使える。もし最悪お亡くなりになったとしても自賠責3000万円+逸失利益や慰謝料その他分。それ以外にも実際には自身の生命保険金が加わるわけです。
自身の任意保険での人身傷害は慰謝料などの算定が甘い分(1日4,200円
×2の所を×3という、50%プラス分のところ)の上乗せや過失割合による相殺分ですから、そこで3000万を5000万に引っ張るのは少々大変な気がしてなりません。やっぱり3000万円で十分だよな。やっても搭乗者傷害を加えておくくらいかな。


今書いていてふと思い出したのは平成16年3月のバイク事故のこと。あれって、当時誰も言ってくれなかったので今の今まで気がつきもしませんでしたが、自賠責の被害者請求が出来たんじゃないか?後で確認してみよっと。多分もう5年も前の事だから時効って言われるだろうけど。
そういうの思うと、やっぱ半端モンの代理店じゃあダメだよねえ、というか役立たずだよなあ、と思わずにはいられません。本当の本物になりたいものです。

2009年3月29日日曜日

パソコンの掃除

どうも昨年の6月ごろからデルの様子がおかしい事が出るようになりました。
最初はなかなか起動しない、というもの。その時は強制終了をして再起動したら何の問題もなく動くようになりました。それからそういった事は出ませんでしたが、その代わりごくたまに一瞬だけ画面がブラックアウトするという症状が出るように。でもこれも一瞬の事だけですぐに元の画面が復帰するので特に気にするのを止めていました。頻繁になるというわけでもなく、ごくたまに忘れた頃にやってくる、という程度でしたから。

最初の挙動不審のときに兄貴にメールをして、対策を聞いておきました。返事が来るまでに間があるだろうから、その時はパソコンの中をあけて掃除機でほこりを掃い、その後ハードディスクのデフラグと古いファイルの整理(?)をしておいて。

夜になって来たメールの返事には予想通りHDDの交換の文字が。まあ定期交換部品だろうとは思っていたけど、仕方ない。でもめんどくさいので今現在、そのまま。

今日のトラブルは画面が一瞬ブラックアウトしたかと思うと次の瞬間に青い画面に切り替わる、という新手の攻撃でした。なにやら英語で「この画面を見たのが初めてだったら再起動してみてね」というようなことも書いてある。初めてじゃあなかったらだめということかいな?とか突っ込みつつ仕方ないので強制終了・再起動をしたところ何事もなかったように起動画面が出てきた。ただ何か面白く無いので、かねがね思っていたパソコンの中の大掃除をしてみようと思い立った。まあ早い話がいつもの通りの行き当たりばったりと言うことなんだけど。

で、これがその途中の写真。デルのいいところは工具なしでバラバラになっていくこと。
で、これでいいのかな?とかブツブツ言いつつあちこちのコネクターを外し、ケーブルを引っ張り、逆掃除機になっているはずの冷却ファン部の分解に挑むことに。前回は怖くてここまではやらなかったので。年末の大掃除の時も外から見て、そのまま取れそうな埃やゴミを吸いとったけど、電動ファンに挑んだのは今回が初めて。つまりは3年分の埃がたまっているはず。


ということで、何やかやと、何とか電動ファン(今まで気がつかなかったけどコイツ2つも扇風機、もとい掃除機がついてやんの)を外すことに成功いたしました。予想はしていたものの、想像以上に汚いというかきちんと仕事をしていてくれていたと言うべきか。

電動ファンを外す前にCPUクーラーを外さないといけない感じだったので「ホウ。これがCPUクーラーか」となんか神妙な感じでそれを取り外し掃除機と歯ブラシ(入れ歯用の軟らかいやつ)で埃を払いました。
お次はメインの電動ファンたちの掃除です。前から後ろから丹念に歯ブラシをあてて埃を払っていきました。このときに思ったのはプラモデル造りやクルマの内装掃除を手掛けていてよかったなあ、ということ。これやっていなかったらまったく道具がありませんでしたからね。思わぬところで役に立つものです。
こうして何とか新品同様とはいかぬまでも、何とか見てくれだけはよくなったので、忘れないうちに組み立てます。最近の柴田脳はドライブレコーダーよりも記憶容量が少ないので入ったそばからゴミ箱に直行してしまう情報ばかりです。早いうちに終えてしまわないと組み立てられなくなってしまいます。

......。



.............。






....................。何とか組みあがりました。無事にこの投稿も出来ています。今のところは。
さて、次はHDDの交換か。何時やろうかなあ。どうやってやろうかなぁ。

2009年3月26日木曜日

法律分野に関わる瞬間

普段はワイドショーなんかで取り上げられる事件の判決結果を見ながら「これはないだろう」「これはひどい」とか無責任な事を言っていますが、殊、自分の関わる法律分野になると「過去の判例に基づいて.....」なんて言ってる自分に気がつきました。もちろん交通事故の過失割合の事です。

もちろん交通事故の示談における過失割合に関して、一代理店ごときが介入できることはありません。あくまで相手方との交渉窓口は保険会社の関係部門担当者であり、代理店は事故状況の報告であったり、関係書類の取り付けであったり、周辺の雑用をこなすことくらいしか出来ません。
示談の進捗状況なんかについての報告はあります。ただ、直接契約者と保険会社間でやりとりをしてもらうと契約者の方が流れを理解していることが稀なので、どこでどういう返事や対応をすればいいのか戸惑うことが多いのも事実です。このためもちろん契約者の意を受けてからの話ではありますが、保険会社との受け答えは全て自分宛てに、という形をとることがほとんどでした。
しかし今回は失敗でした。そこまでしなけりゃよかったと久しぶりに後悔しました。

自分なりに思い返して失敗だったのが、こちらの契約者の修理指定先がディーラーだったこと。まずこれで修理金額のコントロールが効かなくなりました。
第二に運転者が奥さんであったこと。こういう場合よくありがちなのが交渉窓口として旦那が出てくることです。そのこと自体はいいのですが、困るのは当事者である奥さん本人があんまり表に出てこず、でもお気に召さない事態になると旦那に言わせる、というパターン。今回もそれを危惧して直接奥さんに話をするようにはしてきたのですが、自分と話をしているときにはにこやかな顔と声色で対応をされても、旦那が出てくるとどうも話がギクシャクしてくる。
こうなると、先ほどのようにこちらとしては「契約者の意を受けて動いたつもり」になっているのに、逆に「あの人の所為で交渉がうまく行っていない」ということになってしまい、なぜか疎まれてしまうということになります。というかそうなってしまいました。
第三に。事故のパターンが一旦停止無視による事故の被害者側だったこと。これですね。一番もめるパターンです。このパターンは逃げるべきでした。つまり保険会社と事故当事者との直接連絡で進めてもらうべきだったという事です。
一般的には8:2というのが過失割合の比率となります。これは交渉で決まるというより事故のパターンに当て嵌めるという作業です。ここから、修正要素と呼ばれる過度な進入速度であったり道路状況であったりを勘案して最終的な割合の落ちどころを決めます。
正直個人的な気持ちとしては一旦停止も100:0だろうとは思っています。赤信号とどう違う?ってなモンですね。この辺は冒頭の「ワイドショー見ながら.......」というあたりの感覚になります。
ただ、法律の運用というか判例上の判断、という話になるとやはり少し違った視点も出てきます。こういうパターンは通常の場合より加害者側が悪質だけど、こういう場合は被害者の側にも過失がある、というほかのパターンとの兼ね合いを考えた按分というかバランスというのか。
基本的には一旦停止の表示を無視しているということは「それを承知していようがいまいが」そのまま交差点に突っ込んでいる事実には変わりがないわけで。加害者側からすれば「知らなかったんです、ごめんなさい」ということなのでしょうが、それって被害者の怒りに油を注ぐだけなんですね。

こうした事故の場合、実際の示談の行方を握っているのは加害者側の代理店であることが多いような気がします。示談の進捗については節目節目で代理店には報告が行っている筈ですが、特に被害者側から譲歩を求められた場合は必ず代理店に連絡が行きます。おそらくそれは以前にも話題にした損害率(預かってくる保険料総額に対して実際に支払われた保険金の率。あまりに支払い割合が多いと代理店の手数料率を下げられる。)という数字に関わってくるから。つまり譲歩すればその分支払い保険金が増え、損害率も上がるというわけです。
自分が加害者側の代理店だった場合には、極力譲歩できるところは譲歩して、相手側の負担が減るように動いてきたつもりです。ただ、一回だけあまりにも相手側の態度が高慢過ぎたことがあり、そこまで譲歩することは無いということで、通常の範囲内での対応にとどめたことはあります。
では一般的にはどうかというと、これが法律上における賠償責任の範囲内です、ということでそれ以外の譲歩はしてこない代理店がほとんどのようです、というか今まで遭遇してきたパターンではほとんどそこまでの対応しかしてくれない代理店ばかりでした。うーん。

で、実は悩んでいます。
あんまり通常以上のことをしても理解してもらえないのならば、そこまでしなくていいじゃんか、という諦め、というかね。とりあえずは、昔からのお客さん以外には様子を見つつ、という対応にとどめておこうかな、と考えています。

2009年3月25日水曜日

ETC

この間オートバックスに寄ったことがあったのですが、ETCの棚が空っぽでした。おそらく高速道路1,000円均一と補助金5,000円効果なのでしょう。次回入荷未定と書かれた紙がエアコンの風にあおられてさみしく揺れていました。

ETC(イーテックと読むらしい)がはじまった当初の時期にはまたディーラー勤めでした。儲かると聞けばなんでも手を出すトヨペットですし、ウチには営業職が200人居るんだからあいつらに売らせればいいと、いつものパターンでいつの間にやら毎月の営業目標項目の1つとしてチャッカリ居座ってたものです。しかし、発足当初のETCカードは年会費が有料だわ、セットアップは一瞬なのにその事前準備がものすごくうるさいわ、ユニットは高いわ工賃もそこそこ取るわでいい思い出がありません。
天下り団体の「ORSE(オルセ)」への意味不明な登録手数料だの、手続きの煩雑さだの、鳴り物入りで始めた割にはいつもの通りの杜撰なフォロー体制や、結局は現場に押し付けるだけのやりっぱなし上層部のいつものいい加減さなどなど、そんなくらいならやりたくない、といういつものパターンになっていきました。
でも、感心な人はいつも居るもので、そんな体制や状況下にありながらもまったく疑問も持たず会社の言われるとおりに動く人も居ましたねえ。なんというか会社員としてできた人というか。


さて、自身のETC暦についてですが。
実は柴田自身はETCなぞつけていません。今はちょっと気にはしていますけど、それまでは付ける気は毛頭ありませんでした。
だって、ETC付けるという事は基本、今後高速料金は払い続けます、という意思表示でもあるわけです。少なくともそう解釈されても文句の言えない状況でしょう。とくに高速道路の利用頻度が高いわけでもないし。
ここ何年かで随分色々な割引制度が出来ていますから、初期投資分(ETC本体金額および設置工賃)が回収できなくもない状況でもあるので近年になってやっと思い腰を上げようかな、と思い始めているところです。
どうせ買うならすぐに外せるようにアンテナ一体型の、電源はシガレットから、という形にするでしょう。こうすれば使うときだけ社内に持ち込めばいいですから。また特にインパネを外しての配線工事も必要なくなります(配線工事だけで1万くらいとる業者もあるようです)。基本的にインターチェンジの通過情報はICカードに書き込まれますのでバックアップ電源は不要ですから、その時だけ作動してくれればいいメイン電源が確保できればいいわけです。車内にあるということは12V作動の機器ですから、シガレットソケットからの電源が確保できれば十分です。
また、セットアップは今の手持ちの車の中なら、おそらくベンツでやるでしょうね。上記の方式ならば可搬式となりますから、他の車で転用することも可能です(他の車に持ち込んでシガレットソケットにその時挿すだけ)。ただ、JHもバカじゃないですから、安い料金の車種でセットアップされたETCを高い料金の車種で使用すると文句が来るでしょう。だからウチの車の中で唯一3ナンバーの車を使っておくというわけです。
個人情報ということで、以前下取車のETCの記憶内容を消去してから転売して欲しい、という話を受けたことがあります。確かにセットアップの申請用紙には申請者の名前や住所などを記載するところがありますが、実際に機器に記憶させる情報は「車のナンバーと車台番号」程度の情報です。つまり高速料金を確定するにあたって欲しい情報しか入れていません。そうしてインターチェンジのETCレーンで「何時何分にこういう車が、シリアルナンバー何番のETC機器を付けて、こういうETCカードが挿入された状態で通過した」という情報をやりとりする訳です。このためもし中古車を買った際にETCが着いていたら別に外す必要はありません。本来はもう一度登録しなおしてくれ、と言っては来ますが、そのまま使えるはずです。まあ、県外ナンバーだった場合はやってもいいかなと思いますが、でもそれだけのために3,000円程度の登録料を払うのもねえ。
でも自分にとってETCは緊急に欲しいというほど切迫性が無いので、もうしばらくは付けないだろうなあ。


今回の措置によってCO2排出量の増加を懸念される向きもあろうかと思います。
でもそれは一時的なものに収まるんじゃないのかなあ。そう万度遊びまわっている訳にもいかないし。1000円需要ってそう長続きするとは思えないんですが。逆に短距離での高速使用が増えることにとって、排出量は減るんじゃないか、と思っています。
例えば今、自分の近くにある浜松西インターから浜松インターまで行き、陸運局で一仕事してくるとします。すると下道で浜松陸運局まで行くとなると1時間近い時間がかかります。それが一区間のみとはいえ、高速を使えば片道で30分弱で行けてしまう訳です。それが往復となれば半日仕事の所が1時間少々(まあ、陸運局での待ち時間がどのくらいかかるかが分かれ道ですけど)で済ませることになります。ではこの時間の違いは何かと言えば、信号待ちのアイドリング期間であったり、渋滞でのノロノロ運転だったり。時間のロスもさることながら、一般道と高速道路上での燃費の差をご存知の方も多いでしょう?
ただ懸念されるのが、使いやすくなったからと言ってやたらと高速道路を使う人数が増えるのでは?ということ。台数増加とノロノロ運転による高速渋滞であったり、また、事故などされた日には逆に逃げ道がありませんから悲惨な話となることもあります。個人的には高速道路は無料開放されるべきと思っているのですが、無料開放することによって、上記の「スピードを出せない人・出せないクルマ」がのさばることまで歓迎しませんし、そういうクルマに限って追い越し車線を走り続ける人が多いのも困ったものです。いっそ若葉マークと高齢運転者マークつき車は高速への侵入を制限するとか?これもまた色々言われる元になるでしょうねえ。

2009年3月19日木曜日

ブレーキのお話

昨日はブレーキの鳴き調整をしていました。

コロパパさんのブログ上で、ブレーキダストについて触れられていましたが、少なくとも現状ではブレーキの効きとブレーキダスト・ローターの削れなどは利害得失の関係にあり、どうしようもない部分ではあります。
効きを良くしようと思えばブレーキパッドの摩擦係数を上げ、運動エネルギーの熱への変換効率を上げて速やかに熱エネルギーに変換されてもらうほかありません。つまり効きのよいブレーキとは摩擦係数の高いブレーキパッドの事であり、摩擦係数が高いということはパッドの磨耗と同時にブレーキローターもよく削れ、また、よく削れているという事はパッドによるローターの引きずりも多い、ということになります。つまり音(よく言われるキーキー音や、ブレーキの効き始めに出る「ゴリッ」という音)やジャダー(ローターの削れ方の不均衡によりローターが波を打ってしまい、ブレーキパットのローターへの当たり方に周期的な波が出てしまう現象。この振動がハンドルにキックバックされてハンドルそのものがガタガタ振れる事もある。)の原因にもなっているわけです。

また日本のようにブレーキの使用頻度が高い地域でこのようなパッドを使うとブレーキダストが出すぎてしまいガードレールが真っ黒(赤)になる、ということもあります。
例えば駅のホームなどで電車の来ていないときにレール近辺を見てもらうとわかりますが、大概赤茶けて汚れています。あれはブレーキローターとパッドの削りカスです。一度遠鉄の赤電八幡駅から100メートルくらいの家の人にマークⅡを納め、2ヶ月くらい後にボディコーティングを依頼されたことがあります。色は白でしたが、すでにうっすらとクルマが赤茶けていました。原因は電車。ブレーキローターが削られ、その粉塵は周囲に撒き散らされるのです。鉄粉が舞うだけならいいのですが、それ以上にボディ表面に刺さります。で、その刺さった鉄粉は自然の掟にしたがい赤茶けた酸化鉄になるのですが、刺さった部分はけっこう深い所までいっているので、そういうところにまでさびが浸入してしまうという事があります。あの時は「(鉄粉取が)大変だった」、とコーティング屋に言われました。

平成5年ごろのことだったかと思います。
それまでのブレーキパッドの材質といえばアスベストが主流でした。俗に言う石綿です。ただ、あの頃からアスベストの発がん性が声高に警告されるようになり、ブレーキパッドも次の材質探しに躍起になり、現在のメタル系パッドに替わっていきました。ただ、あの頃は材質がメタル系になった、というだけでしたので、ブレーキ音に関するクレームが異常に多かったのを憶えています。それこそ対策品が矢継ぎ早に出てきて、ブレーキ音のクレームが出るたびにドンドン交換していきました。
別にここでディーラーを褒めるつもりは毛頭無いのですが、そこはそれ、メーカー直系のお店ではありますので、こういう初期クレームや経過観察中の構造・材質に関する対応は早かったし、特にこういう対応でお客さんからお金を取ることはありませんでした。その辺はさすがトヨタ、クレーム対応に抜かりなしと思っちゃいますね。

と、ここまでが19日に書いていたこと。今日はその続きです。

これを書きながら思っていたのですが、最近のホイール及びタイヤの大径化って、この辺の事情が影響しているのかな?とふと思いました。
例えばブレーキの種類としては大まかに2つあって、1つがドラムブレーキであり、もう1つがディスクブレーキなのですが、ブレーキの効きという事でいうとドラムブレーキの方が効きはいいのです。これホント。フェラーリがかなり近年までディスクブレーキに固執したのはエンツォフェラーリの「ブレーキというのは効いてナンボ」というポリシーが大きかったと聞きます。ではなぜ現在ではディスクブレーキが主流なのかというと、パッドにかける圧力とそこから得られる制動力の関係が直線的な為、ブレーキペダルにかける踏力での制動力の制御がしやすい、という理由によります。もちろんローターが露出している為、導風による冷却が容易でフェードを防ぎやすいという理由もあるでしょうが、第一の理由はそれなんだとか。効きよりも優先されるものがあるということですね。では効きが犠牲にされているかというとそうではなく、制動性はパッドの材質やキャリパーの設計等でカバーできる要素であると判断されたわけです。
ではなぜそれがタイヤの大径化の話になるのか。基本的にタイヤの大径化の理由は「より大きなブレーキローターをホイールの内側に納められる、ということにあります。冷却やメンテナンス性を犠牲に出来るのならばセンターローターと言ってボディの中央部にブレーキローターをもってくる方式(確かオリジナルのハマーはこれだったかと思います)もいいのでしょうが、やはり安全面を最優先すればブレーキの耐フェード性を大きくとれるアウターローター方式となるのでしょう。
ここで最初の話に戻ります。音と効きの話です。ローターを大きくできれば、それだけローターの外形ギリギリの所を制動面として使えます。こうすればブレーキの効きを確保しつつ(回転半径が大きい方がブレーキの効きがよくなる)でもパッドにかける圧力は抑えることが出来るじゃん、ということ。つまり効きの良いブレーキパッド(つまりは良く引っ掛かる摩擦係数の高いパッド)を使うことなく、従来の性能のものが使えれば、異音発生・ブレーキへのクレームが減らせるよね、ということ。また、たまに見るようになった6ポッドキャリパーなんてものも「パッドへの圧力を全体にジワッとかけられる」メリットもあるでしょう。
こうしてみるとホイールの大径化というものは、もちろん見た目もありますが、それ以上に乗員の快適性を上げるということもあるような気がしてきました。ごくごく普通のセダンでも17インチや18インチが普通になってきている昨今、「こんな大きいホイール・タイヤは必要ないよ」と言い続けてきましたが、そういう自動車設計の最適化もあるか、という感じです。


さて、もう一歩話を進めると、今後のブレーキというのはハイブリッドに限らず回生ブレーキというものを使ってくるかもしれません。環境性能や外観の見栄え向上ということでブレーキパッドのカスまでもが問題になればそのカスの発生を抑える方向に行かざるを得ません。つまり運動エネルギーを熱ばかりでなく電気エネルギーに変換する回生ブレーキでパッドの使用領域を減らす、というわけです。もちろん信頼性や耐久性の確保があっての話ですから、すぐに、という訳ではないでしょうけどね。
でも初代プリウスに初めて乗ったときは「回生ブレーキというのはこういうことか」と思わせられましたから、けっこういいアイデアだと思うんだけどな。発生した電気でも、捨ててもいいという前提なら回生効率を考えなくてもいいし。あれ、けっこう率が悪いっていう話も聞きますしね。

今日のところはこの辺で。

2009年3月14日土曜日

ホワイトデー

今日の朝、嫁さんが出かける(実家がペット屋をやっていて、そこでトリマーをやっているのです)ときに「今日は何の日か知ってる?」と聞かれました。3/14って何の日だっけ?と真剣に考えて何にも思い浮かばなかったので「はあ?知らん」と答えたところ、むくれて行ってしまいました。そのまましばらくテレビを見ていたらそのうち「ホワイトデーがどう」とやら言っていて「ああ、これのことか」と思いました。

ウチのオヤジも似たところがあって、自分の誕生日や父の日の朝になると「今日は何の日か.........」と慣用句のように聞いていました。まあ、大概そういうときには「知るか、ボケ」とか「なんだ、今日を命日にしてもらいたいのか?」とか答えていたのですが、同じ調子で嫁さんにそういうことを言うと今日の夜からご飯を作ってもらえなくなるので仕方なく何か買ってくる事としました。

ちょうど朝の内に「自賠責を切ってほしい(「自賠責保険に加入したい」の意)」という依頼の電話がありました。ということで、その自賠責保険料を受け取りつつ保険証をお渡しに行き、その足で昨日引き取ってきたワゴンRを知り合いの業者の所に乗っていこうと思いました。その業者は天竜川町にあるので、そこにワゴンRを預けた後そのまま天竜川駅からJRで浜松駅に行けば浜松唯一の百貨店となってしまったっぽい遠鉄百貨店のデパ地下がすぐそこです。多分あそこなら嫁さんを黙らせるホワイトデー用のお菓子がたんとあることでしょう。一瞬にしてそういう計画を思いつきました。


そうして「コレならば」と目をつけたお菓子を2つほど入手いたしました。1つはホワイトチョコを菊の花のように(林家ペーとパー子の頭のように、という言い方もある)あしらったチョコレートケーキと、もう1つはマドレーヌのセットです。
首尾よくおあつらえ向きの獲物を手中にした柴田は、そのまま遠鉄バスの車中の人となり、嫁さんの実家のある湖東の近隣のバス停で降り、直接敵陣中央にその獲物を投下いたしました。

で、結果は?




上々です。


大成功です。


一瞬にして嫁さんの顔は穏やかになり、首尾よくそのまま村櫛まで送迎させる事にも成功いたしました。そればかりでなく先ほども「ケーキの中がこんな風になっている」という喜びの写真付メールまで送られてきました。


これで何とか数日間は柴田家も平穏無事な空気のまま持ちこたえる事でしょう。世間様的には何事もなく、平穏無事な夫婦であるように思えるのかもしれませんが、水面下ではこのような地道な努力もあるのです。



ちなみに今回の投下資本金額は3,000円ちょっとでした。

2009年3月13日金曜日

やっぱ止めときゃよかった

昨日投稿しかけて止めた記事は、フィリピン人の偽造パスポートでの入国がばれて強制送還される、という話についてでした。背びれ尾ひれが着こうがつかまいが、話の骨格は上記の通りだと思います。ビザ切れについての長期滞留については特赦という前例はあるようですが、偽造パスポートじゃあその余地はありません。
例え娘がいようがいまいが、その娘が13歳になっていようが関係のない話です。外国に行く、ということは自身の所在を明らかにした上で「入国してもいいでしょうか?」ということでしょうから、偽造パスポートということなら、そのはじめの一歩すらできていないわけで。で、出直しの機会を与えてくれるというだけでも温情採決だと思うし、娘が希望するなら娘だけは日本にいてもいい、とさえ言っている訳です。だけども手続きを履き違えた本人に対しては「最初からやり直してきなさい」と。
ただこれに対して朝日新聞がその社説で「もっと気持ちを汲んで、配慮をしてやってもいい」ということを書いていたので「おいおい」と思ったので昨日、そういう投稿をしようかと思ったのです。でもまあ、他でいくらでも同じことが書かれているので、まあいいやと。


さて、今日のお題。何を止めときゃ良かったって、シュテルンです。行かなきゃよかった。

今日、鈑金修理のため預かっていたクルーガーを納めてきました。そしてそこに代車に出してあった我がベンツ君に久しぶりに乗って帰ってきたのですが、あいにくの雨でワイパーを動かしました。ところが妙に拭取りが気に入らない。滑りが悪い。ワイパーゴムの動きが気に入らない。
そんなわけで、これはどうもワイパーゴムの換え時ではなかろうか、という判断をしましてオートバックスに行きました。あそこなら在庫があるかなー?という期待があったからです。で、行ってみたのですがありませんでした。
そこで今になればこれが13日の金曜日の災いだったのか、シュテルンなら在庫があるだろう、と思ってしまったのです。以前純正品でゴムを換えたところ1700円近く取られました。まあ通常2本のワイパーゴムが自分のベンツの場合1本ですんでしまうので、まあこの位なら仕方ないや、と思っていたのです。で、いくらシュテルンでも2,000円くらいで買えるだろうとタカをくくっていました。

まあ、その後色々あって、シュテルンまでたどり着き、ワイパーゴムの部品を出してください、と言いました。それからしばらく待たされた後、あまりにも遅いので「在庫がないのならば今日じゃなくてもいいので帰ります。」と言いかけた所「今請求書を作っています」とのこと。
何とか目的のパーツが裏の倉庫から出てきて
言われた金額、なんと3,717円也でした。一瞬目が点になりましたが、平静を装って財布から4,000円を取り出し支払いを済ませ、おつりを受け取りつつ一言、「これはワイパーゴムだけでこれだけの箱に入っているんですか?」

そして初めてお会いした「ロングコート(噂では白衣を着ている、とのことでしたが今日逢った人は青いロングガウンのような格好でした)のオジサン」曰く、
「純正では
ワイパーブレードとセットでの交換となっています。部品もこれだけでは出ません。」
それに対して更に一言、
「(自動車部品の専門会社の)
コーエイでは純正のゴムだけでも出ましたが?
コートのオジサン(俺も傍から見れば立派なおじさんか)にはあっさりと「そうですか」と受け流されてしまいました。

世間的にはブルーテックで売り出し中のメルセデスベンツ様でしょうが、
販売会社がブルーテックじゃないよ、これじゃあ。ぜんぜんエコじゃないじゃん。ゴミと共に売上増やしやがって。ワイパーなんてゴムだけ換えりゃあ別になんてことはないし、仮に一対で換えるにしてもワイパーブレードそのものが高すぎる。錆でも浮いてんならともかく。国産標準仕様なら500円もしないぞ、こんなパーツ。別にそんな特別なことをしてるわけじゃなかろうに。


.........。と、そんなわけでフロントウインドウガラスの拭取りはよくなり視界はスッキリしたのですが、逆に心の中は、ものすごくどんよりとなって帰ってきました。

部品代の伝票を作っている最中に辺りを見回したところ、1年点検25,000円、24ヶ月定期点検(車検のことね)5万何がし、と書かれた整備点検基本価格の表が目に留まりました。高っか。これ倍するぞ。基本工賃だけでこれだけかよ?すげーぼったくられるな、これ。ベンツだからといって特別何かやるわけでもなかろうに。逆に特別何かやらなきゃいけないって事は、それだけ製造品質が低いって事じゃないの?

ということで今日勉強してきたのは、ベンツというクルマそのものは、決して悪いクルマではないとは思いますが、
その取り巻きの連中が悪すぎる、ということでしたね。ホントあれじゃあ車がかわいそう。高額なクルマ(あえて高価とは言わない)というイメージをネタに妙に値の張る内容にして、高い値付けの金額を要求してくるお店。まるでどっかのボッタクリバーと一緒じゃんか。あの高額な分で要りもしないDMやら何やらを送ってくるのであれば、それこそ迷惑なだけだし。

ということで二度とシュテルンには行かないと思います。

2009年3月11日水曜日

人間の腐り方

前回の「自己主張の代償」というタイトルを改めて目にして、自分が今いる環境や状況も、まあ、「自己主張し続けてきた代償」か.....と、ふと思いました。
色々すったもんだがあったとはいえ、一応トヨペットの営業職というのは世間様的には通りは良いようですし、少なくとも上がりはなくとも給料は月末になれば出してくれてはいましたし。おそらく試したことはないですが、銀行の借り入れなんかもスムーズにいったのではないかな、と思います。別に今、銀行に借り入れなんぞはありませんし、住居もありますので借金なぞするつもりも無いのですが。


さて、人間の腐り方。これは先日ふと目に止まった文章からつらつらと考えていたことです。
以前は「オタキング」、最近は「記録式ダイエット」でご記憶の方が多いかと思われる岡田斗司夫さんのインタビュー記事中にあった言葉です。
上がりが順調になってくると、社員の性格が悪くなってくるんです。『イベントやってれば儲かって食える』っていう根性は人間の心に悪いんですよ(笑)、変な言い方ですけど。本当にね。(中略)ガイナックスはめちゃめちゃ貧乏なのにもかかわらず姿勢がちゃんと保たれててるのに、それよりも豊かなゼネプロにそれができないというのがもう我慢ならなかった。
この前後の事情はめんどくさいので特にお話はしません。ただそれだけではなんなので。
引用文中にあるイベントとは、以前ビックサイト(でしたっけ?)でエレベーター事故があったときに開催されていたイベント「ワンダーフェスティバル」の事です。もっともこのインタビュー記事自体が2002年以前のものですから岡田さん自身はこの事故にかかわりはありませんが。ただ、このイベントを立ち上げた当初から10年間くらいは岡田さんが始めた会社「ゼネラルプロダクツ」がこのイベントを運営していました。現在は食玩で有名(だと思う)海洋堂がイベント運営を引き受けています。

ここからは自分の解釈も含めての話しになってしまいますが、ここで言う「上がりの安定」とは基本的には収入の安定、地位の安定ということだと思います。常に背水の陣では気持ちがもたないのも事実ですけど、あまりに安定していると逆に「入るのが当たり前」になってしまい緊張感がなくなってくるように思います。また、当たり前では感謝のしようもないでしょう。
昨今のクビきりの問題にしてもそう思うのですが「払う為の努力はするけど、入ってくるモン(売上とそれに付随してくるべき利潤)がないんだから仕方ないだろう」という気持ちもあります。また、未来永劫今の状況が続く訳ではないんだから「何で多少でも貯めとかなかったんだ?」と思わずにもいられません。派遣村がどうのこうのといっていましたが、助けるのと甘やかすのとの境界線が曖昧すぎるような気がしてなりません。

2009年3月9日月曜日

自己主張の代償

2/17の記事で採り上げた「被害者の立場」の事故のその後の顛末です。

結論から書いちゃうと、いまだに決着がついていません(事故そのものの発生日は11/4)
相手側(加害者側)からは後ほど「0:8」でお願いしたい旨の連絡が入りましたが、こちら側(被害者側)はやはり1:9でないと受け入れられない、とのことで平行線のままです。

保険会社としても、契約者がそういう意向なのであればとにかくそれをそのまま相手方に伝えつだけです。でも、相手側の状況としては特に示談を焦る要因も無く、これ以上譲歩しなくてはいけない修正要件(事故状況)も無い(だろうと思われる)ので、ちょっとやそっとでは進展はしないでしょう。僕もそう思っていますし、保険会社の担当者としてもそういう意見でした。

それでもと思って今日電話したのは「弁護士特約」がついている(つけてある)ので、弁護士特約を使って、弁護士の意見を契約者(被害者)に聞かせてあげたらどうでしょう?ということでした。それが納得の材料となるのであれば、というものでしたが保険会社社員曰く「例えそれで勝訴となっても4千円程度の賠償金額の違いでしかありませんから、この案件を受ける弁護士がいないでしょう」。まあ、そりゃあそうか。

事件の概要はかいつまんで言えば「一旦停止無視の交差点による車輌同士の接触事故」です。
こういうものを持ち出すのは面白くない気もするのですが仕方ない。こういうとき過失割合の判定に大概の保険会社で使われているのが「別冊判例タイムズ 民事交通訴訟における過失相殺率の判定基準」という本です。ほぼ全ての公道上の事故における事故のパターン別に過失割合の妥当な線を定めているというか、過去の判例における判決例が網羅されている(らしい。実際の所は、全ての判例を見たわけではないのでそこまでは知りません。だけど、ほとんどの保険会社のサービスセンターではこれを使っています。)物です。
これによるとこの事故の基本過失は2:8です。つまりは直進してきている車が過失2割。一旦停止車線から進入してきたクルマが8割悪いということだそうです。仮に一旦停止のことを知らずに突っ込まれたとしても、突っ込まれていること自体が前提になっているので、その辺の事はすでに前提条件となっている、ということのようです。それで2:8ということなのだそうな。

これで黙っていては、というか、通常は「動いていれば最低2割の過失が生じて当然」という分かったような、しかも受け入れにくいことを散々言われて不承不承それを受け入れさせられる、というのがたいていの場合のパターンです。事実、自分自身もそういう条件を飲まされたことがあります。
ただ、自分自身もそういう面白くない解決案を呑まされたことがある当人として、「最低限相手に賠償金を払うのは面白くない」ということで相手過失割合8割:相手への賠償金ゼロというのが被害者として「面白くないこと」であるにせよ、最低、相手に対して溜飲を下げることのできる譲歩ラインだと思っています。で、当初はそれを本人に了承してもらい、話を進めさせていたわけです。
実際問題、それ以上に(2:8→1:9に)過失割合を修正させるには、相手方は保険会社の会社員である以上、その上の上司の印鑑をもらうべく、相応の説得事由が必要となります。つまりは「法律上妥当と思われる賠償責任割合の分を加害者に代わり保険会社が肩代わりする」のが建前である訳ですから。それは賠償責任範囲を超えているだろう、といわれればそれでおしまいなわけです。もちろん保険数理上も、それを前提にして(いるらしい)計算がなされている訳ですから。

今回、すったもんだの末「0:8」での妥結を相手に認めさせました。業界人内にしか通じないことなのかもしれませんが、これは被害者側の勝利です。相手側の賠償責任を放棄させた訳ですから、それだけでもなかなか稀有なことなのですが。もちろん、相手側の状況も見極めたうえで誘導した着地点でもあったわけですが。


さて。示談は今でもなされていないのですが、困るのは被害者に修理依頼を受けた修理業者です。今回はとある日産ディーラー。修理代金の20万円強の売掛金が4ヶ月も滞ったまま、今現在も入金を待ちわびている状況です。
車両保険に加入されていれば車両保険金の先払い制度でもって示談を待たずに入金がされているはずなのですが、それをしなかったのは契約者の判断ですし、こちらとしては散々車両保険の案内はしていました。
こうなると、1:9の自己主張に固執されるのなら早々に日産への修理代金を自分で支払っておいて、それからじっくり腰をすえるというのなら分かる話なのですが、どうもそれが理解できないようです。結果論としての被害者の持ち出し金額も1:9と0:8はほとんど変わらないんですが。まあ、言い出した側として引っ込みがつかなくなっているということもあるのでしょうけど。

0:8の示談が決着点だ、といって当初被害者の了解を得て、その旨保険会社に指示を出していたのは自分でした。だから、その条件を相手側に飲ませるまでは自分の責任範囲とは思っていましたので、関係ないこととはいえ自分が修理金額を建て替えて日産に払い込もうと思っていたこともあります。
ところが途中、0:8主張を退けられたことを被害者に説明しに行った時に「やはり1:9だ」と言い出されました。後日保険会社の担当員と被害者とで直接話をさせたところ「自分は0:8示談を了承したことはない」「柴田が勝手に言い出し事だ」と言っていたそうで。

この時点で修理代を建て替えてあげる気力も示談への情熱も失ってしまいました。まあ勝手にやってちょうだい、ということですね。ただ、そこまで自説にこだわるのならば日産への後始末はきちんとしてからやるべきなんでしょうけど、どうもねえ。

多分また月末近くなってから自分宛てに日産から電話が来るでしょうけど、困ったものです。

ハイブリット

昨日は「月刊しばた新聞33号」を配っていました。一部の方にはまだ配りきっていないので今日配ります。ごめんなさい。

ぜんぜん話は違うのですが、昨年の夏ごろに、それこそ沸騰していた話題といった感のある「地球温暖化とCO2」ですが、原油価格が暴落したことで見事に沈静化してしまいましたね。表面的に、というだけかもしれませんが。
石油というエネルギー源がものすごく使いやすく、また効率もいい(というか良すぎる)モノであるが故に他のエネルギー源を商売の種としている業者が日の目を見ない、というのは仕方のないことだとは思います。このため、原油価格の上昇(うわべの)という1点だけが当時取り立たされていた「新技術系」のエネルギー利用の唯一の根拠であったわけですから、まあ現在の状況は仕方ないことでしょうし、何より地球温暖化、CO2削減という掛け声自体が新商法のタネの1つであったことは疑いようのないことでしょう?

ハイブリッド車であるインサイトが売れているとかいないとかという記事を目にしました。買取屋さんで聞いたところによると「プリウスの中古車が無いか?」という問い合わせがとても多いのだとか。どうもハイブリッドというイメージが一人歩きしているような感じですね。もちろん燃費がいい、ということが大きいとは思うのですが、なんだかプリウスというイメージを身に纏って自分をよく見せたいという匂いがそこにはあるような気がして(それはそれで、クルマの購入動機の立派なひとつでもあるのですが、程度のいい現行車の中古車だけに集まるというのがちょっと嫌)ヴィトンのバックに群がる人たちと同質のものを感じてしまい、ちょっと気味が悪くもあります。
「ハイブリット車のインサイト」が安い、ということを取り上げるところもあるようです。でも、トヨタの肩を持つわけではありませんがインサイトが安いのは「安いシステム」を使っているからで、それ以外にはごく普通の(おそらくシビックあたり)ボディその他を手直しして使っているからでしょう。コストを切り詰めるということはそういうことでしょうしね。
それよりも初代プリウスを赤字覚悟で(当初1台あたり25~50万くらいの持ち出しになるだろう、という話があった)あの時期に、あの金額で市場投入したトヨタをもっと褒めてもいいんじゃないかなあ、と思うんですけどね。だから個人的には今でもプリウスを買うんなら初代と思っています。ちょっと譲っても初代のマイナー後を買うでしょう。NAVIに関しては電子装置の日進月歩をモロに感じますから、すっぱりNABI無しを買って後付にするでしょうね。
本体に関しては、電池そのものは永久保障ということを聞いてはいるのですが、その他の機械部品がそろそろ寿命を迎えるものが出てき始めているらしいです。ですから本体はなるべく安く買ってきて、きちんとそれらの部品の予算を残して維持する、というやり方をするでしょう。

それにしても新聞配りながらあちこちの話を聞いてきましたが、何処もかしこも、という感じでしたね。随分仕事にあぶれてしまっている人が多いようです。中には夫婦揃って失業中なのに新車買った、というところもありました。やはり一旦覚えた「贅沢」という蜜の味は忘れられないんでしょう。あとは、何が何でも隣と同じでなくては、という意識が強いのかなあ、という気もします。

2009年3月5日木曜日

保険屋さんとクルマ屋さん

トヨペットを辞めてアリコに行ったばかりの時のことです。保険屋は、と言うか生保屋は優雅だなあ、と思いました。

トヨペットに居た頃は12時の報告があり、3時の報告、5時の報告、8時の報告と営業成績の報告時間があり、イベント時(まあ、土日ってことですね)には10時の報告までありました。早い話、営業部長などという偉い役職に着いている人たちはやる事が無いので、日がな営業数字の挙がるのを待つしかやることが無いので、報告時間をマメに設定しているとしか思えない矢継ぎ早な報告を求めていました。ひどい時には「条件申請は直接営業部長(静岡の本社に居る)の携帯に電話すること」などというばかげた通達があったイベントもありました。

そんなこんなで、クルマ屋と保険屋というものはずいぶんと育ちというか生活習慣が違うものだと思ったものです。
先日事務所の社長から電話があったときに言われたのが「柴田君はいつお昼と食べているのか?」という質問です。答えは「営業中は食べない」です。つまりお昼は移動時間であり、またアポを取ってある時間であったり電話をしなくてはいけない時間であったりするので、ほとんど昼食時間として過ごす暇はありません。イコール、ほとんど昼飯を食べていることはありません。たまに食べている時があるとすれば事務所(自宅)で事務処理をしていて、気分転換や脳みそに糖分を補給しなくては、と思うときくらいなもんです。

これと同じような所で、やっぱり育ちが違うのかなあ、と思うことが今日ありました。それは、「何をもって日々の糧とするか」ということです。
クルマ屋出身の自分からすると、動いてナンボ、お客さんの便宜を図ってナンボ、と思っているのですが、どうも保険屋さんというものは契約を取ってナンボ、契約の継続率を守ってナンボ、という意識の方が強いのかな、と。
例えば、保険屋さんの中には「自動車保険は事故処理が面倒。だから、ウチは自動車保険はやらない。傷害保険はほとんど請求がないからウチは傷害保険一本でやる。」と公言して憚らないところがあるくらいで、基本的に「自分のところにお金が流れる流れを作る」というところに神経が集中しているのかな?という感じが拭えません。また、トヨペット時代に「中途更改」という手続きで自分からの契約に切り替えてもらった自動車保険があるのですが、その時にすごい勢いで元の代理店からクレームを受けたことがあります。かいつまんだ要旨でいえば「俺のお客に何をする」ということだったんですが、なんというか、その過剰すぎる自意識に辟易したものです。

基本的に自動車保険に関して言えば「払ってナンボ」と思っていますし、仮にお客さんが離れることがあっても「それまでの人だった」という割り切り方をしています。保険料に関しては保険会社が決めることですからねえ。
それ以上に、今までの経緯で積極的に「今度はもう結構です」と断わることすらあります。だって、フォローをさせてもらう以上、気持ちが繋がらない人には気持ちが入りませんから。

ただ、お客さんからすれば、どうなんですかねえ。もちろんどこまで求めるか?という事はあると思うのですが。
もちろん自分で何でも事後処理をするという人であれば、通販でも構わないとは思うのですが、今までの経験上、通販でやっていた人って本当に何も知らない人か、逆に変にセコイ人が多いんですよねえ。誰か、この印象を払拭してくれるような人が現れてくれるといいんですが。

2009年3月3日火曜日

振り込め詐欺

今まで見てきたことの中で、「ぞっとした」ことは数あれど、心底ぞっとしたこととなれば幾つか上げられることができると思います。まあ、小学校の時の夏休みの時期にやっていた「あなたの知らない世界」......、というのは分かりやすいツカミですが。

1つ、非常に幼心(というものが在った時期があったのです)にとって強烈な出来事であったのは、中学校の修学旅行のときに見た浮浪者です。
それまでにも何人か浜松駅で見たことはあったのですが、あれほど間近に見たのは初めてでした。有名な観光地であるはずの京都駅で見た浮浪者の姿は、それまでに見た色んな観光地や建造物などよりもはるかに強烈でリアリティ溢れるものでした。なんというか、いきなり背中に冷水を浴びせれられかけたような、なんともいえない恐怖心というか、そんな感じでありました。「ああなっちゃイケナイ」と強烈に思ったものです。別に差別というわけでもなんでもなく。そういう意味においては強烈な「修学」旅行でしたね。

さて。そこで今日は何が言いたいのかというと、振り込め詐欺。騙す方も悪いが、騙される方も........、とも思わなくもないですが。ともかく仕掛けたほうが全面的に悪いのはご承知の通りです。

ですが、交通事故なんかでもよく感じる「加害者有利」的な匂いがここでもするんですね。というのは騙し取った金額の事なんですが、ここで被害にあった振り込まれた金額ってどうなるのか?ということなんです。
知人が何年か前に空き巣に入られて200万ほどいかれた、ということがあります。まあ、何で夜間金庫に入れないのか、という根本的なことはともかくとして。結局何年かしてその犯人が千葉の方で捕まったのだそうです。同じく空き巣かなんかで、ということですが、その時の余罪の追及中に出てきたのが知人の空き巣被害であった訳で。
で、その被害金額について警察に言われたのは「犯人に弁済能力が無いので」ということで結局は泣き寝入りだったそうなんですね。で、刑事責任の追求に関してはこっち(千葉県警)に任せてくれ、という事だったそうなんです。でもこちらとしては、せっかく忘れかけていた記憶を再び掘り起こされて、でも何も出来ないじゃあ、あげかけた手の振り下ろしどころがないじゃあないか、ということです。せめて200万円分殴る蹴るしてもいいよ、ということならまだしもと思うんですけどねえ。さては、そこをぐっとこらえるのが文明人たる人としての剣が峰ということなのでしょうか。

そんなこんなで思うのですが、振り込め詐欺。再犯率がどんなもんか、とは思うのです。
何千万円、何億円という被害額を出しても「払えません」「使っちゃいました」で、弁済義務は無いわ、仮に実刑判決が出ても無期懲役までなるわけでもないでしょう?で、何年かで出てきて社会生活に適合すればいいけど、いきなり現実社会に放り出されれば、やはりワリのいい稼ぎをしてしたほうが、と思いがちなのでは?と思うのですが。

ここでまた暴言暴論。
いっその事、事務職などの決裁権のない単純業務は全て犯罪者にやらせるというのはどないでっしゃろ?そうすれば公務員の給料削減も出来るし人数も減らせる。囚人1人1人にかかる経費も公務員の年間平均給与を考えればすごく削減できると思うんだけど。閉塞感のない刑務所なんていう刑務所も紹介されていたけど、そんな設備に金かける位なら.....。
刑務所の囚人に発注される仕事も激減していることだし。元々公務員には団体交渉権がないはずなんだからちょうどいいじゃん。費消しをしようにも個人口座はないんだし、どこかに溜め込もうにも中の人間はどんどん入れ替わるし、忘年会や慰安旅行や視察もしないだろうしね。教育刑なんていう考え方自体が甘いと思うんだけどなあ。

ここで冒頭に戻ります。何かやっちゃった人の公正を切に願うのであるならば、「コレはもう二度とやっちゃあイカン」と思い知るだけの何かがあってもいいのではないかな、と思うのです。
「所持金や財産が無いので弁済能力がない」で済んでしまうの?ということ。200万円なら200万円、1億なら1億を稼ぐのに、どれほどのことをしなければいけないのか。まあ、これは経済事犯に限ったことではないですけどね。「やっちゃあダメだよ」と言われて素直にやらなくなるくらいならこんなに楽なことはないのですが、所詮はパンツを穿いただけのサルでしかないのかな、と思うことが多いんですよね。
以前ならば「以心伝心」であったり「言外の言」といった言葉もあったのですが、どうも最近は「日本語がしゃべれる」ことと「意思が通じる」ということはやはり別だなあ、と思わずにはいられません。さみしい話なんですけどね。

2009年3月2日月曜日

1年点検。

ここのところ立て続けにそういうことになっているのだけれど、皆さんは1年点検(12ヶ月点検)を受けているでしょうか?

中には「それってっ法律で決まっているの?」などといった受け答えをされることが多いので内心笑ってしまうのですが、12ヶ月点検はれっきとした法定点検です。6ヶ月点検は業務用車輌には未だに法令で定められている点検ですが、乗用車に関しては「日常点検」という名前の運行者が責任を持って確認をする、ということになっています。まあ、日常点検なんか僕もしていないので、オイル交換もあわせて半年毎にきちんと点検を入れるようにしています。6ヶ月点検程度なら基本料金が安いので、とっとと点検しておいてもらったほうが車のモチもいいです。

さて、冒頭の12ヶ月点検の話題に戻ります。
立て続けにあったというのは、4年落ちくらい、4万キロ台のクルマです(軽)。とあるクルマはタイヤ交換で預かってきて、他の車はついでの点検で、もう一台(これは普通車の6年落ち、7万キロ)は普通に12ヶ月点検でした。
3台ともブレーキパッドがギリギリの状態でした。特に前者の2台は走行メーターが45000キロ程度でしたので、え?もうないの?という感じでした。後の1台はキロ数的には分からなくもないのですが、それでもけっこうギリギリな残量でしたので、この時期に点検してよかったねえ、という感じ。
まあ、タイヤの残り溝が少なくなったくらいなら少々気をつけてもらうなり、というやり方もあるだろうけど、ブレーキパッドの場合は止まれなくなりますからシャレになりません。

トヨペット時代からそういう傾向はありましたが、乗用車の6ヶ月点検が法令から外れた頃から「きちんとメンテナンスをする」ということが随分と軽んぜられるようになってきたような気はします。また、「日本車は壊れない」神話を都合よく言う人も居ます。ただ、消耗品が減るのと壊れるのとはまったく別の事ですし、元々メンテナンスに関して無頓着な人はクルマにも無頓着な人が多く、扱いもラフな人が多いような気はしています。
特にそういうデータには触れたことはないのですが、事故件数における整備不良者の割合ってどんなもんなのか、と思うことはあります。まあ、そんなことより運転マナーの整備不良者が圧倒的に多数派だとは思いますけど。

車検の年数を延ばす、という議論が取り沙汰されているようです。別にこのことに関してどうのこうの言うつもりはありませんが、そんなことよりも車検のたびに徴収される税金が、その料金の多くを占めているのですから、それを減額する方がよほどいいと思います。それよりもきちんとメンテナンスをする、ということがおろそかにされるような気がしてならないので、もっときちんと機械の扱い、というものを徹底させていく方がいいと思うんだけどなあ。

というわけで、点検は12ヶ月(出来れば半年の方がいい)に一度はきちんとしてもらいましょう。やはり2年に一度では少々期間が開きすぎているような気はします。