2010年2月10日水曜日

ディーラーのセールスと併設工場の温度差

新 車を買う時に付けたディーラーオプションと呼ばれる部品は、静岡トヨペットの場合、基本的には清水にある新車センター(工場を出た車は一旦ここに集めら れ、ここから更に各地の営業所へキャリアカーで搬送されるのです)の架装工場でフェンダーポールであったり、フットランプであったり、後付けのナビなどを ここで取り付けられることになります。

ところが、いろいろな事情でここで取り付けることのできないクルマがあります。
例えば、納車を急いでいるので清水で悠長に取付を待っている時間が無いだとか、何故かクルマが来てから部品を発注するらしく、部品が欠品しているので、約束している日時までに取り付けが間に合わず、クルマだけ先に納めるだとか。
あとは諸般の事情で、まともに値引計上できる注文書の内容ではなかったので、クルマは裸の状態で注文書を作り、部品はサービス売上で注文し、取り付け工賃 も値引してもらったり、有耶無耶の状態にしたりとか。まあ何とか、かんとかお客さんの追い金条件に間に合わせているクルマがあったりするんですね。実際。


ただ、神ならぬお客様はそんな裏事情は御存知ありませんから、のほほんと新車が納まるのを心静かにお待ちになっているわけです。言葉は悪いですけど。


ただ、こうした事情や経緯は営業の方からのお話です。現実にそれをやらされるはずのメカニックたちからすると、いくら新車を買っていただいたお客さんのクルマの仕事とはいえ、単なる「余計な仕事」となります。
彼らからすれば、自分たちには自分たちの仕事の目標数字があり、車検台数や法定点検、その他諸々を合計した売り上げ目標数字なんてものもあるわけです。昼間はもちろん予定していたお客さんの仕事もありますし、飛び込みの一般修理もあります。

ぶっちゃけ、併設工場の人間は点検や車検整備には精通していますが、コーナーポールをつけるためにバンパーを外して穴を開けるなんて作業はほとんどやったことがありません。オーディオの入替とか、ナビの取り付けも同様です。エアロパーツの取り付けなんかもそうですねえ。
そういう意味では、設備はあるにせよ素人仕事とレベル的にあんまり大差は無い、と言ってもいいでしょう。

そんなわけで、営業の側から言われて来た仕事を昼間にこなすなんて余裕は、ほとんどの場合、彼らにはありませんから、よほどせっつかれたり、手間のかかりそうな仕事ならともかく、そうした「余計な仕事」はほとんどの場合、夜なべ仕事として消化されることになります。
しかもほぼ、素人仕事として、疲れのたまった時間帯にそれをこなすのです。つまり、失敗しない方がおかしい。

ということで、異様に工場で行ったこの手の作業は失敗率が高いのが特徴です。バンパーに傷を付けちゃった。ガラスに傷を付けちゃった。インパネのシボ加工 が施してある面に、ドライバーで掻き傷を付けちゃった、等など。全て私が目にしてきた実例です。養生テープくらい張れってーの。

しかも、何故か彼らは「納車の前の日の夜」にこうした作業を手掛けることが多く、結果、失敗するとリカバリーが効かない事態を引き起こします。でもお客さんの所に謝りに行くのは私、みたいな。結構これでサービスと喧嘩したことが少なからずあります、私。


人間、痛い目を見ないと懲りないのは共通した性癖のようです。どうせ同じ素人仕事ならば、注意してやった奴・経験済みの奴の作業の方が上手いに決まっています。ということで、結局私の担当するお客さんのこういう類いの仕事は、全て自分でこなすようになりました。
おかげで、何時仕上がるのか?とヤキモキする事もなくなりましたし、仕上がってくるまで不安で仕方がない、という事もなくなりました。人間は、その環境に適応・順応していくというのは間違いないところです。実際私がそうでしたから。


ということで、いくら大メーカー様の看板が掛かっているからといっても、中では何をしているのか分かったもんじゃあないですし、部門毎の都合というものもあります。無闇に看板や外見だけを見てそれを信用するのは正直如何なものかと思ってます。

もちろん全部がそうだといってるわけではないんですけどね。

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