2009年4月7日火曜日

ミサイル発射に思う

無事にというか、何事もなく北朝鮮のミサイル発射イベントが終了いたしました。世間様的にはいろいろと言われているようですが、ちょっと個人的に思ったことを幾つか。

自身がおこちゃまで純真な頃は「軍隊の無い、戦力を放棄した平和な国って素晴らしい」って素直に思い込んでいました。
ただねえ。外交の場ってモノは、外見上はビシッとした身なりで優雅に晩餐会など催しつつ歓談しあうなんてお上品な事をしているようですが、実際の所は権謀術数というか、それこそ周到な布石を事前に打ちつつ「オレがオレが」という所をいかに見せずに相手を思う壺に追い込んでいく、という場なわけで。
第二次大戦の頃までは覇権主義というのか「植民地欲しー。俺の所だけでもいいからいい思いしたいー。」というのを生で出しても「そういうモン」だったのが、今はそれを如何にお上品に隠しつつ、という方向に変わっているだけですよね。イギリスなんかの「女王陛下の名の下に」なんて言い回しは優雅ではありますが、実際には産業革命以降、飛躍的に伸びた商品生産における製造物の消費地を世界中に探し回っていただけで、「ここはオレのテリトリー」「ここはオレが先にツバつけた」などと欧州各国がやりまわっていただけでしょう。
そこに遅ればせながら明治維新を経た日本が、その最後の時期に登場して、それこそ狩猟型と言ってもいい植民地経営手法ではなく、国土防衛(主に対露)を根っこにした農耕型植民地経営を以って国力の蓄積を図ろうとした、というのが大まかな流れであるように思います。もっとも、当時すでに狩猟型植民地経営が成立するような国は根こそぎ欧州各国が抑えてしまっていた
ということもあるかと思いますが。


何かと新参者が苦労するのは世の常でありまして、日本としても舐められないようにするにはどうしたらいいか、ということで必死こいて身につけた処世術が「国際法の遵守」というその1点でした。国際法そのものは列強各国で暗黙の内に成立しかかっていた紳士協定的なものを成文化したものです。欧州各国としては自身の定めた「こうあるべきだ」、又は「これだけは一応止めとこうぜ」的な、ある意味理想と現実の折衷点を追った内容でもあったこともあり、当初、新参者である日本が意外なほどそれを遵守していこうとする姿勢を見せたときには、しゃらくさくもあり微笑ましくもあり、といった微妙な感覚でもって日本を見ていたことでしょう。例えば東郷さんは当時、名の通った国際法の権威であったと聞きます。

さて、明治時代の当時の日本は、今よりもはっきりと軍隊・武力の意義というか本質を理解していたように思います。今なら暴力団幹部連中ですか。いうなれば「正確で、適正な、暴力・圧力の注入」を目的とした団体の有用性です。いくら今現在きれいごとを言っても各国が軍隊を手放さない理由はそれでしょう。
いくら言っても言うことを聞かない国に対しては実力行使。これが一番手っ取り早くて確実。中国のチベットに対しての姿勢を見ても一目瞭然じゃあないですか。まあ、それ以前に中国の「世界の工場」としての立場の優位性やレアメタルの生産地としての立場の確立、それに世界中の余剰商品の受け入れ先としての中国市場の有用性なんかのバックもありますから、なかなかに中国に対して公然とモノが言えない状況をふまえての行動ではあるでしょうけど。


話は戻って北朝鮮のミサイル。近くにこんな美味しい国があって北朝鮮としては幸せだったでしょうねえ。公式的には軍隊という組織を持たないと宣言している剥き身のカキのような国。しかもお金をたっぷり含んだ「ぷりぷり」の状態です。しかもそこに住む人間は揃いも揃って「お人好し」ばかりときているんですから。しかもなぜか世界状況はおとぎの国の世界とばかり、正論で押してくることしか知らないかのごとく「人権問題」だの「拉致被害者」だのしか言ってこない。
それこそ膨大な国家予算をつぎ込んでまで「セルフ・ディフェンス・フォース」なるものを維持しているくらいなら、なぜ「SAS」のような対テロ実戦部隊の1つも持たないのかなあ、とか。工作員を送り込まれる側ではなく、逆に「対北朝鮮国家転覆工作員」を送り込む事位はしてもいいだろうに、と思うのは乱暴なのでしょうかねえ。それこそ機密費の本来の使い方でしょうに。経済大国とおだてあげられ、本人もその気になって浮かれているくらいなら、それだって一つの立派な外交カードだと思うのですがねえ。
例えば「よっしゃ。それなら1つトヨタの現地生産工場を1つプレゼントしようじゃあないか。鉄鉱石はそちらの鉱山の物を使ってやるとしよう。もちろん従業員も現地の人を使う。但し幹部社員ポストや重要部位生産についてはこちらに任せてもらおうか。なに、生産が軌道に乗るまでの間だ、心配するな。
ただ、こちらもタダという訳にはいかない。そうだな。何かひとつこちらにも1つ仕事が欲しいな。うん、そうだ。君の国では通信設備が不十分だろう。その整備事業を1つウチに任せてもらえんか。」てな具合でもいいじゃあないですか。何か1つ根幹になるものをえさにして。ただ、ブラックボックスはきちんと確保しておく。いうなれば穏やかなテロかもしれませんがね。

元は中国かもしれませんが、本家では半ば忘れられた格好であった「将棋・囲碁」なんてゲームは、それこそ先読み先読みの権謀術数の世界でしょう?何でもっと実地に使わんかなあ。「布石を打つ」なんて元は囲碁の言葉でしょう?



もうちょっと大人のゲームを魅せて(演じて)ほしいと思うのは僕だけでしょうかねえ。

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