2010年1月2日土曜日

迷惑な話 単位表記について

ここ何年かの間に、微妙な所ではあるのですが、非常にはた迷惑な事態が少しずつ進んでいます。

そのはじめの兆候は天気予報から始まりました。そう、今までミリバールで馴染んでいた大気圧の単位がいきなりヘクトパスカルなるものに変更されたのです。 まあ、まだこれは序の口の範囲にすぎません。また、ミリバールがヘクトパスカルになろうとも、単位の呼称は異なっていても数字そのものは変わらないので実 害は少ないからです。



次に気がついた範囲で「ああ、替わったなあ」と思ったのはクルマのエンジン出力表示です。以前は馬力表示であったものが、現在はキロワット表示になっています。
ただ、キロワット表示をされても正直イマイチピンと来ないために、多分今でもカタログでは馬力表示をカッコ内で併記しているかと思います。

しかし、思い返してみてもキロワット表示をしているものってほかにあったっけ?という感じで思い当たりません。
そういえば確かコンプレッサーの出力表示も馬力表示からキロワット表示に代わってしまっています。このため鈑金屋さんなんかで「どのくらいのコンプレッ サーを買ったらいいのか?」と聞くと大概馬力表示の答えが返ってくるので、いまいち商品選択がしきれないということもあったりします。

しかし何で変えるの?良いじゃん、いままでの表記でも。

好意的に言うならば、クルマの馬力表記に関しては今までのことでいうと「何でもかんでも100馬力は欲しい」「カタログに100馬力と表記したい」という販売上の圧力や見得もあって、ムリヤリ100馬力になっているエンジンも在ったりしました。
ただ、実用上でいうと無理に馬力数値を作るよりは、遥かに最大トルクをより低回転時に発生させている方が使いやすいエンジンになります。

このため、「100馬力表示を目指さなくても良い(何処が100馬力相当なのか一見しただけでは分かりにくい)出力表示単位」という事では意味があるかなあ、という気はしています。
ただ、こちらも「どのくらい力があるの?」と聞かれると、やはりお客さんにとっても自身にとっても馬力表示の方が馴染んだ物言いですし、昔と今とを比べやすいということもあるんですけどね。



さて、実はここからが本題。

先日、とある必要があって空気圧計を買いに行きました。ここで初めて気が付いたのですが、今時の空気圧計ってのはプラスチック製のものがあるんですねえ。
昔ながらの金属製ボディの、あのノズルに刺して「プシュッ」とでてきたメジャーを読むタイプの物を買おうと思ったんですが、見てみたら全部プラ製に替わっていました。あれれ?

それはさておき。

ここでもうひとつ気が付いた重要なポイントは、何時の間にやら使い慣れたというか普段目にしていた「㎏f/c㎡」という空気圧の単位が、何時の間にやら国際単位表示とやらの「kpa」に統一された物しか売っていなかった、という事実です。

まあ、巷の説明では100倍すれば「だいたい」の数値になるので実用上問題ありませんという説明書きも散見されますが、なんだか妙に釈然としません。というかもっとこういうことはきちんと公示するべきなのでは?というか私が知らなかっただけなのか?



こういう国際規格とか国際統一表示なんてものは、おそらく「ISO」とかが採択された頃を境にしているのでしょうが、でもこれってヨーロッパで使っていた 単位をそのまま国際規格としましたっていうだけで、日本国内で使うものについてそれにしたがう必要はないような気がするんですが?だって替わるのは不便 じゃんか。というか、それで得するのは向こうの人間だけだし。

「度量衡の変更」ってのはもっと大きく取り上げられてしかるべきだと思うんですが?



いまだに建築分野で使う「坪」や「尺」。旧来から使っていたものでいえば旧暦の暦など。使い慣れているもの、慣わしとして通用しているものは生活に溶け込 んでいる分、それなりに有用なんですから、そうまでして変える必要ってあるんですかねえ?というか、私が馴染まないというだけなんですが。

ハンドルのウインカーレバーも国際規格上「ハンドルの左側につけるべし」という事に何時の間にやら決まってしまっているんですよねえ。実は。

1 件のコメント:

コロパパ さんのコメント...

国の間で単位が違うと困ることがしばしばありますよね。
特にひどいのはアメリカ。
距離はマイル、ヤード、フィート(フット)、インチでしょ。
重さはポンドにオンスで面積はエーカー、容積はガロン(等)・・・めちゃくちゃです。
本来は、メートルにグラム、m^2(平方メートル)、リットルなんですが、アメリカ人は一向に変えようとしない。

グローバリゼーションが進められる今の時代、単位は国際的に統一されるべきですよね。実際、国際的な航空機や宇宙船なんかでは単位の勘違いで大事故が起こりそうになっているし。
アメリカ人に比べれば日本人は順応性が高いと自慢できるんじゃないですか?

そもそも車の馬力なんて物理学の単位からして変なんですよ。馬力は仕事率ですからジュール/秒=ワット、物理の基本単位です。
慣れですよ、慣れ。

デモ、車の100KWって電化製品みたいで変ですけどね。1KWのオーブンを同時に100個使って料理が出来るってことですね、ハハ。