2010年1月4日月曜日

マフラー(クルマのではなくて首に巻く方ね)

正月2日は、浜松唯一の百貨店に行ってきた訳ですが、その目的はマフラーの物色でした。別にマフラーの1本や2本は持っているのですが、わざわざ街中にまで足を伸ばしたのは「いいマフラーというのはどんなものか?」という事に興味があったからです。
私の個人的な想像の範囲でいいマフラーとは、分厚いフェルト生地の、いかにも「毛織物」といった風情のものを想像していました。

ということで、いざ遠鉄百貨店へ。

お目当ては紳士服売り場のあるフロアーに昨年にはあったはずの「アクアスキュータム」です。御存知の方は御存知でしょうけど、バーバリーと肩を並べるトレ ンチコートの老舗ですね。どっちが本家でどっちが本元か?というような感じではありますが、私の知る限りでは今のところ多方面にブランド展開をしているっ ぽいバーバリー優勢といった感じでしょうか。
それでも、頑なに自身の出発点であるトレンチコートをはじめとする紳士衣料から、大きく踏み外すことのないっぽい商売の姿勢は好感が持てます。

ちょっと話はずれますがアクアスキュータム。
もうすこし商売っ気というか女子供に媚びる所がないと、スイスアーミーナイフの2台巨頭「ヴィクトリノックス」と「ウェンガー」の如く、アクアスキュータムがバーバリーに買収合併・吸収されるかも?という気がしないでもありません。

わたしの初めて買ったスイスアーミーナイフは「ウェンガー」社製でした。なぜって、機能的にウェンガー製の製品に優位性を感じたからです。ブレードのロックシステム、はさみのバネの耐久性などなど、実用性を重視したその機能性に魅かれてそれを買いました。
対して、ヴィクトリノックスはその柄のカラーバリエーションや見た目のキレイさ、時代の気分への即応性(USBメモリーを内蔵したモデルだとか、パソコン のちょっとした分解修理に使えるマイクロドライバーの先端ビットをセットしたモデルとか、LED照明を内蔵したモデルなど)でもって商品展開をしていまし た。ちょっとエンブレムもウェンガーよりカッコよかったり。

結果はヴィクトリノックスによるウェンガーの買収による吸収合併だったかと思います。うーん、がんばれ、アクアスキュータム。


話は元に戻ります。


そんなこんなでたどり着いたアクアスキュータムの売り場は昨年に比べ微妙に狭くなったような。あと、壁際に店舗が移っていましたね。でもまあ、残ってくれていただけ儲けモノです。
では、マフラーは?店舗を見渡すとマフラーそのものは5点ほどしか展示してありません。まあ仕方ない。実際に手にとって見て見ると思ったよりも生地そのものは分厚い訳でもありません。うーん、スカだったかな?もうすこしどっしりとした質感を期待・想像していたんですが。

隣にいた嫁さんが「ねえねえ」と袖を引いてきます。何かと思って耳を傾けると
「コレ25000円もするよ。マフラーっていくら良いモノでも7~8000円くらいで買えるものじゃあないの?」。
ほう2.5万かい。柴田予想では15000~20000円程度だったらな、くらいで予想していたのですが、それをかるーくオーバーしてくれるじゃあありませんか。更に他の品物をみると3万円也という値札も目に入りました。さすがアクアスキュータムです。そうきたか。
原材料を見ると全て「イタリア製 カシミヤ100%」とあります。確かに肌触りというか手触りは軽く滑らかでふわっとしています。逆に軽すぎると思えるくらいでもあります。うーんそうかー。この手のトップクラスはカシミア製なんだなあ。

ちょっと予想と違う展開に(あくまでも想像上は分厚いフェルト生地状の物を予想していたので)、ちょっと他の店舗も徘徊してみることにしました。
そうすると、まあ値段に応じて手触りが激変していくことがものすごくよくわかりました。あ、これは15000円くらいかな?んー、これは1万円くらいだろ う、という手触り金額予想が怖いくらいに当たるんですね。さすがアクアスキュータム扱いのものは3万円しただけのことはあります。やはり手触りが違いすぎ ます。


で結局どうしたか?


買いませんでした。


いまいち踏ん切りがつかなかったからです。脳内シュミレーションでは「こういう質感のこういう品物がこういう金額くらいであれば......」というストーリーが完結していたのですが、いきなり最初から違う展開だったので。

そーかー。カシミヤか。


うーん。


ちなみに嫁さんは最初からそんなことは予想していなかったので、素直に1階のバーゲン品の中から中国産カシミヤ製5,000円也だったかのマフラーを買ってきました。これ暖かいよー、といって喜んで首に巻いています。


うーん、やはり生地もんってのは肌触り命かー。以前のお客さんに「ウチで作っている製品は高島屋でお仕立券つき25000円のワイシャツ生地が主だ」と豪語していた方がありました。
何度かそこにストックしてあった生地をいただいて、ワイシャツを仕立ててもらい着ていたことがありますが、そこで気が付いたのは、いい生地は痛みやすいと いうこと。肌触り・質感命で、命短し恋せよ乙女ってなもんで、連日使用の、洗い上げはクリーニング屋任せではすぐにダメになってしまうんですね。もちろん クリーニング屋の腕もあるんでしょうけど。
つまり高級製品としての要求項目の中では耐久性は二の次な訳です。つまり大量にストックしてある衣類の中から「今日はこれ」、という具合の超ロングタームのローテーションが前提なんだな、と。



これと同様のことがあるとするなら、もしやアクアスキュータムのカシミヤマフラーってのは、やはりそういうものなのかなあ?使い回すものではないんです よ、と。まあ、そんなにいつも使うわけではないにしても、やはり連続使用という状況は想定外なんだろうか?貧乏人には貧乏人なりの使い方ってものがあるの で、マフラーだけに張り込んでもねえ。

せっかく高い金出して買うんならそれくらい聞いてからでも遅くないので、そこんところを店員さんに聞いて、納得の行く説明が得られるんなら買ってもいいかなあ。
使い道を考えて、そこまでのクオリティは過剰品質だと思えば辞めればいいんだし。

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