2008年10月4日土曜日

お金にまつわるエトセトラ

「策士、策におぼれる」なんて言葉がありますが、昨今の金融情勢はまさにこの言葉に尽きるのではないか、と思ったりします。
基本、借りたものは返す。商売で借りたのならきちんと金利をつけ、元本とともに耳を揃えて返済する。ハズであったものが、何故かそうでないことも多い。

金融商品においては、その性格上、必ずしも有利な状態で取引を終える、という事が必ずしも約束されていないことも少なくありません。まあ、お金を元手に何とかしようと思う、という行為自体はギャンブルとなんら変わりないわけです。
お客さんの中には「きちんとリスクを見越した上で、こうした行為に自己資金を投下するのは、理性のある大人としての嗜み」などという方もいるのですが、元来、ギャンブルそのものにまったく関心の無い柴田としては、その手の商品販売に魅力をまったく感じないので、向いていないんでしょう。


保険関係に限った話ではないのでしょうが、それでも何社か保険関係のスカウトというかリクルートのお話を聞いてきた中での話を思い返すと、何かと「夢は?」とか「目標は?」という話に誘導されます。最終的には「いくらの収入を得ようと思うか?」という話に行き着くわけです。
個人的には収入金額に魅力を感じて保険業界に入った訳ではないので、あんまりその手の話には興味を感じないのですが、アリコ時代もそうですし、損保の研修生時代にもそうした誘導手法は常套手段でした。でも、今更ながらに思うのは金融業界って身内への金払いが良すぎないか?てことです。
確かに金融商品の特性として、扱い金額が多ければ多いほど手数料率で手数料が計算されますから、その分収入は多くなるわけです。
クルマ屋時代もそうですが、普段接している金額によって、自分の感覚も麻痺してしまうことが往々にしてあります。トヨペットの扱い車種で言えば、300万円くらいが普通で、アルファード位になると450万くらいの金額が普通に飛び交いますから、100万くらいのクルマなど、これっぱか、位の感覚も出たりするわけで。たかがフロアマットだけで7万円とかね。

それが保険屋になると何千万、何億、という金額もザラにあるわけです。
特に今時のように金利の安い時代になると、300万円を3.5%の実質金利で借りたとしても、5年の貸し出し期間で30万円もつきません。月に直せば約5000円です。という事は仮に一人あたま月に100万円稼がなくてはいけない会社となれば、300万円の200倍。つまり1ヶ月に6億円貸し出していないことには帳尻が合いません。こりゃ大変。
小口に一軒一軒というのは確実な返済にはなるでしょうが、目標金額にはいきません。いきおい、大口を狙うことになるでしょうねえ。ただ、それは、ますます日常の金銭感覚と離れていくことになるでしょうね。


うーん。てことは、やはり異常なほど金利が安すぎる今の状況が問題なんだろうか?自然金利と言う概念があるそうで、普通の状態ならば金利は4%程度あるのが当たり前なんだとか。おそらくその辺だと貸出金利は8%~10%なんでしょうかね?
今とある金融機関の金利情報を見てみましたが普通預金で0.15%。対して貸出金利は条件にも因るだろうけど、3~4%のようです。つまり両者の差は20倍以上。これってどうなんですかね?もうけすぎ?それともこんなもんなのか?


商業経済の発達によって、それまでの農本経済はぼろぼろになってしまいました。つまりは自給自足の原則がくずれ、貨幣がなくては生活できないようになってしまった、という変化がありました。それ以前は、定住・農本経済によって狩猟・採取生活が駆逐されていきました。
果たして金融経済が、これから先、どこまで健闘していくのかはわかりません。
ただ、今のところはまだ商品経済を駆逐して、これからの主流となるには背骨というのか、その基本精神がしっかりしていないような印象を受けます。
逆に「銀行屋如きに何がわかる」と言えるほど、製造業の方々のがんばりに期待したいというのが今の心境です。自分も含めてね。



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