2010年10月22日金曜日

帳簿を付けつつ思ったこと。

クルマを買ってもらう為には、先ず本人に「そのクルマが欲しいという気持ち」が無いと商談は成立しません。と同時に車を購入するだけの「お金が払えること」もしくは「払おうという気持ち」が無いとやはりお話は成立しません。

と、ここまでは個人レベルでのお話です。つまり法人となると、お話は少々違ってくる訳です。

法人の場合は、社長がどの程度経理関連に明るいか、ということで少々お話の行く先が変わってきます。社長の決済(独断・判断)があればそれで済む所と、その先にもう1つ関門が待ち構えている所があるわけです。その関門とは?


会計士や税理士です。


彼らに意見を聞かないと「買えない・決断が出来ない」という会社は結構存在します。これはクルマだけに限らず保険に関してもそうです。
1つには、社長が経理関係に疎く、というかあまり積極的に関与せず、完全にお任せコースで「あそこに任せてあるから大丈夫」という、根拠のあるのかないのかよく分からないレベルで安心しきっている、という事があるような気はします。「良い仕事さえしていればいい」という感覚といってもいいかもしれません。

ただ問題なのは、彼らは計数の専門家ではあるのかもしれませんが、経営内容に関しての専門家ではなく、それが分かるのは社長本人でしかないはずなのに、重要なピースが抜けたままになっていることが割合多いような気はします。
あくまでも会計士や税理士さんは「お仕事として帳簿整理をしているだけ」であって、帳簿を付けている立場からの意見以上ではないですからねえ。そこから先を模索する会計士もあるのでしょうけど、詰まる所は「所詮、他人の銭の話しだし」という事で最終責任までの面倒は見てくれるわけでもなし。


ただ、私からするとこうした経理面への無関心なところも、企業の海外への生産拠点移転に拍車をかけている側面があるのでは?と思っています。

他を圧倒する技術だけでは食っていく事はできません。

きちんと売掛と回収と設備投資と経費とを天秤にかけ、資金の循環まできちんと管理できないと、無理な暴発にも易々と乗ってしまう事にもなり、親会社の言いなりにもなり易く、いつの間にやら銀行の言いなりや横槍を嫌々ながらも聞くことになりかねない世の中です。結局お財布を人に握られるということは下世話な表現をすれば「金玉を握られている」状態であり、文句を言いたい時でも何も言えなくなってしまいます。

親会社からすれば「付いて来れない所は切る」だけの事です。今までの下請けたちに後ろ髪を引かれるだけの交渉材料・譲歩材料が無ければ、日本の生産技術云々という情実を絡めた判断がウエートを占めることはないだろうなあ、とも思えるわけです。


まあ、要は「実は一企業・一経営者としての独り立ちが出来ていなかった」ところがあまりにも多いのではないか?という疑問なんですが。


「資金は借りてくればいい」とか「借金の額も器量の1つ」なんて言う方もあったような気もしますが、それって回っている内は良いとしても、ひとたび回転が滞ると、身ぐるみ剥がされるという事でもあるはずです。裸一貫の強さ、というのも分からんでもないですが、やはり先立つ物がなければなんともしようがないのも事実なわけで。


まあ、それはそれで帳簿付けなくっちゃ。

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