2008年6月7日土曜日

価格上昇

テレビをつけると、今月からはこれが上がり、来月からはこれが......、といった報道をよく見かけます。まあ、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエートの略で、西テキサス地方で産出される硫黄分が少なくガソリンを多く取り出せる高品質な原油のこと)の価格から、それがドバイの金額に連動して原油価格の大勢が決まっていくという流れがあるわけで。おおよそ2~3ヶ月前の原油価格が現在の石油小売価格の反映されているようです。
まあ、それでもちょっと前までは1バレル(約159ℓ)40ドルもしなかった原油が138ドル(今現在)な訳ですからそりゃ上がるわな。
ただ、一自営業者の目からすると製造業者における原材料費の占める割合なんてものは、びっくりするほど低いのが当たり前なわけで、便乗値上げもかなりあるのでは?と勘ぐってもいるのですがね。それよりも土地・建物・人ですよ。


話がまたしても脇にそれそうなので軽く触れるだけにしますが、大阪の橋下知事に対する投書だったかで、大阪府職員が「手取り34.5万ぽっちじゃあやっていけない」といっていたとかいう記事を目にしました。おいおい、馬鹿いってんじゃないよ、と思いましたね。その人がどういった生活レベルでやっているのかは知りませんが、金額だけで言えば立派なもんです。しかも「低い・安い」という根拠としての比較対象が橋下知事の給料(145万)とは。
34.5万もの手取りということは実質その人一人を雇う経費としては1ヶ月80万は考えなくてはいけない訳で。とすると商品の利益率を仮に3割としても80万の利益を出すためには約270万円の売上。うーん。
もうちょっと脱線。新車の場合、ものすごく大雑把にいって約2割の利益だそうです。僕の現役時代当時は。当時のマークⅡ2.0グランデの特別仕様車あたりで本体価格250万円。
でも値引きが大体平均して25万円だったとすると残りの利益が台当り25万円。プラス登録諸費用などからの利益が5万円で合計30万円。
でも色々と間接部門の人間や直接営業に関わっていないけど高給取りな人(部長とか社長とかね)もいるのでそんな方々の人件費も割り振られると自分の給料分だけじゃすまなくなる。そうなると4台というよりも5台は250万円平均のクルマを売らないとつらい話になる。うーん。やな話だなー。で、そんな中から生まれた利益を「在籍してれば自動的に下りてくる金額」だと思われてもなー。それだけの給料に見合う働き、ということを考えたことあるのかな、と。さっきの「安すぎる発言」の奴って自分の消費生活基準でしか考えてないだろう、ってどうしても思っちゃうんですけどね。もっとくれなきゃ、テレビでいってるような生活が出来ないだろうってね。

話は戻って原油価格な訳ですが。
ことわざで「風が吹けば桶屋が儲かる」ってありますよね。ある事象が、いろいろな理由を経て意外なところに影響を及ぼすっていう意味だと思いますが、今の経済って世界各地に繋がっちゃってるんで、あちらを立てるとどこに影響が出るのかが読めなくって(環境シュミレーターみたいなもんですね)一体どこを手当てしたらいいのか考えているうちに何も出来ない、という事になってると思うのです。
例えば原油価格が騰がる。中東あたりに産油国は吹き上がるのをそのまま売ってるだけですからそれはそれでウハウハ。だって、ある意味いくらで売っても儲けはあるわけですからね。心配なのは何時まで石油が取れるかってことだけで。でも、ここまで価格が騰がってくれば次の投資、つまり少々手間のかかる産油方法でも十分利益が出る、という事もある(投資といってもオイル以外のことについても十分考えられる訳ですけど)。
つまりカナダあたりのオイルサンドからの精製とか、地上だけでなく海上での産油とか。もしくは二酸化炭素を地中に突っ込んでその圧力で今までは既に放棄されていた油田でも産油を可能にするとか。
その他最近になって言われているバイオエタノールなんかも原油価格が騰がったことによって採算が取れるようになった方法ですよね。食料としてそのまま売るよりも工業製品にして売った方が利益が出るとなればね。食糧問題がどうのこうの、と言ったって、そちらの方が儲かるのなら生産者としてはそちらに回すわな。どうしても穀物のまま売ってくれとなれば、もっと高い値をつけろ、ともなる訳ですし。農業大国であるアメリカとしたって農家が儲かる方向ならばそれに歯止めはかけられないでしょう。投資家に対しての規制を考えても、金融に対する規制はアメリカにとっては鬼門でしょうからやりそうもないし。


では日本国内では、というと、ただ単に価格上昇分を製品価格に転嫁しているだけなんですよね。で、また生活様式はかつての高度成長の頃の古きよき時代というか大量消費生活から特に変化がない。
クルマ?いっぱい作って売りましょう。ローンでも大丈夫ですよ。
家?男たるもの一生に一度は自分の城を作るのが当たり前。さあ、新築しましょう。今ならお得なローンがありますよ。金利も安いし。
道路?キレイでまっすぐな道を全国に作りましょう。
もういらない?いえいえ。まだまだ必要ですよ。(受け入れ病院がなくてたらい回しが問題になっているのに)緊急搬送車両が十分に通れる道がないじゃないですか。作らなきゃ。
体育館も欲しいし、公民館も欲しい。お役所も耐用年数がそろそろですね。

一体誰の財布を当てにして作ってるんだ?

ポジティブに考えればこれは様式を変えるチャンスだとも思います。いろいろな所で今までの方策では立ち行かなくなってきている。
たとえば箱物・道路作りをやめれば、それをあてにしている業者は立ち行かなくなるでしょう。そうすれば自然に規模縮小してくれます。これだけ建築・建設関係者が多い訳ですから勿論その方たちはあぶれるでしょうし、次の職を求めるでしょう。チャンス!
同時に荒地となっている農地を強制的に農家から徴収して彼らに買わせ(勿論耕作者になり、耕作地にすることが条件)れば農家の平均年齢を劇的に下げられ食料自給率をあげることもできるでしょう。
同時に農協のような「組織を維持することを職とする」本来の目的を失った団体は解散もしくは規模縮小させます。(本来は組合員以外の共済利用者は全体の3割以下とする、なんて規約があります)そうすれば本来の生産者たる耕作者への実入りがもっと増えるでしょう?

同時に、地価の高止まりしすぎている地域を強制的に下げる。だって人口が減って、需要と供給の関係からしたら、今後は需要が減るんだから下がるのが当たり前でしょう?
特に空洞化している市街地なんて余計にそう。家賃収入を当てにしすぎる方々が多すぎる。浜松で言えば現市街地は戦争中に空襲に遭い、境界線なんかどこからどこまでか分からなくなっちゃった。で、戦後しばらく浜松の主力産業であった繊維業者に駅近辺の土地を割り振っていったらしい。
だから、今でも駅周辺の土地は繊維関係者名義になっているところが殆どで、繊維業者とは言っても実態は駐車場業者やビルオーナー、不動産関係の業務が本業のような形になっているところが多いみたい。
あと、戦後のごたごたで行方の分からなくなっちゃった土地所有者の土地をどうせ固定資産がかからないからと言うことで「無縁土地」として市街地に点在するお寺に名寄せしちゃった、という事もあるそうな。ひどいな。やっぱり市役所の職員って。



あ、また電話が。いつもまとまりないけど、今日もまたこの辺で。もう少しまとまりのある内容にしないとダメだな、これじゃあ。

あ、そうそう。大阪の知事のやり方に「性急すぎる」と言う批判があるようです。でも、今まで放置しすぎて(あのおばさん知事なんかは何やってたんだろう?)財政再建団体にまで落ちぶれている訳ですから、あれくらいでもまだ生温い位だと思うんですけどね。
退職金あてにしてマンション買っちゃったけど、どうしてくれるんだとか、俺達の責任じゃないとか言ってる人もいるようですが、自分で積み立てている訳でもない退職金を言われてもねえ。

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