2008年6月23日月曜日

昔からなんとなしに思っていたことがある。それは、結局人間って奴は「物を燃やすことしか出来ていない」のではないか?という疑問である。
考えても見て欲しい。現在人間が使っているエネルギー源としてその大勢を占めている電気だが、これは地面をほじくり返していれば出てくるものではない。その多くは発電所である発電機のタービンを回すことによって得られた電力を長い長い送電線を通じて各家庭に送られてきたものを使っているわけだ。ではそのタービンはどのように回しているのか?
水力発電では流れ落ちる水の、その勢いを使いタービンを回している。火力発電では重油や石炭などの化石燃料を燃やして水を沸かし、その水蒸気の圧力でタービンを回している。原子力は?ウランの原子分裂時に生じるエネルギー、つまり熱で、これまた水を沸かしてその蒸気圧でタービンを回している。結局やっているのはこれだけだ。原子力発電に関しては、燃料であるウランの精製や再利用時の処理工程、そして利用後の廃棄に関して膨大な石油エネルギーを投入せねばならないことから、果たしてこれがクリーンなエネルギーか?と聞かれると、ものすごく疑問だ。結局の所トータルの投入エネルギー量を考えると、けっしてお徳ではないように思える。

さて、ここからは自動車のエネルギーということに話は移る。
最初に認識しておかなければいけないのは、石油というかガソリンという燃料は、エネルギー密度が非常に高く、しかも安価に、簡単に製造できる、今のところ唯一のエネルギー源だと言う事。これがあったからこそ、人間は今のような生活が出来ているのだということは揺るがない事実だと思う。では、なぜ燃料電池だ、水素エンジンだ、などと言うのかと言えば、石油は何れ枯渇する有限なエネルギーである、という認識からだ。
燃料電池にしたって水素を酸素と反応させて電気を得ようという装置。水素エンジンは、そのまま水素を燃料に使おうというエンジン。何れの方法も水素を使うという点では一致している。なぜ水素かといえば一番原子構造が簡単で、一番ありふれた存在だから。水を電気分解すれば得られる、つまりほぼ無限にこの地球上で生産できるはずのエネルギー源だから。
もう一つには二酸化炭素が原因だとされているらしい地球の温暖化(個人的には要素の一つではあっての主原因とはおもっていないが)を、クリーンとされるこれらの技術を使うことによって少しでも防止できるのではないか、といいうことに尽きる。ただ、本当にそうなのか?
先ほど、ガソリンのエネルギー密度について触れたが、水素はどうかというとそれほどではないようだ。単純に言っても液体水素の状態であっても石油の4分の1程度だそうだ。しかも、水素の保管や貯蔵は、石油と比べると膨大なコストや規模の施設がかかり、とても現実的ではない。
現時点においては先ず水素を作り出す、という事にすら結構な石油資源を投入せざるを得ず、結局は「水素を使う」という、実は電気や動力を取り出すための手段であったものが何時の間にやら目的にすり替わってしまっていることが往々にして見受けられる。また、水素や燃料電池に目がくらみ二酸化炭素すら出放題になってしまっていく手法もあり、もう何をかいわんや、という技術発表もある始末である。
ハイブリッド自動車はどうか。簡単に言えばこの自動車は二重の動力源を持つクルマだが、電気モーターの電力は実はエンジンを回して得ている。しかし、発電機の効率やバッテリーの充電効率、回生ブレーキのエネルギー回収効率、ハイブリッド化による重量の増加(多分200キロくらい)を考えると果たしてホントにいい物なのだろうか?と考え込んでしまう所が最近多い。
自分も当初はプリウスをべた褒めしていたが、ロードスターに乗るようになって、それ以前から乗っているバイクの事も考え合わせると、やはり軽いほうがいいんじゃないかと言う考えに変わってきている。先日の軽の維持費で気が付いたのだが、やはり重量というのは重要だと思う。特に最近の車たちは安全性重視ということや快適性能重視(遮音や防音、静粛性や断熱材の充填など)のためもあって、以前と比べ飛躍的に重量が増している。軽トラックですら800キロ台も珍しくないのだから。

話は前後するが、最近のエコブームは見掛け倒しだ。あまりにも雰囲気組が多く、結局は「エコ・エコノミー」だと思う。結局は、商売じゃけん、という事。
エコな住宅といったって建て替えにかかる費用を考えれば、そのまま昔の住宅で十分だし、建築廃材も馬鹿にならない。今乗っている車の燃費が悪いから、新車の燃費がいいからって買い換える人もいたけど、新車に買い換える追い金がいくらという事は考えていないんだろうなあ。どんなにがんばってもその分を回収できるとは思えんのだけど。オール電化にしたて自分ん家でガスを使わない、というだけであって、わざわざ石油を燃やして作った電気で、効率の悪い発熱を行い、電磁波を撒き散らしてる。太陽電池パネルにしたってパネルを作るに際しては膨大なエネルギーをつぎ込んで作る訳であって、しかも発電効率は低い。また、パネルの寿命もそうだし、その補機類の寿命もたいしたことないので、いくら売電できるからといってもトータルではとてもその投資を回収できるとは思えない。
結局は次の新商品を売らんが為の方便であって、まともに個人として投資と回収を考えたら
割に合わないのは目に見えているはず。とはいっても「みんなそうしているから」という理由でお隣さんと一緒でなければ安心できない風潮のようですが。

もういい加減、自分の頭でもう少し立ち止まって考えてみる、というのもいいんじゃないでしょうか?ま、余計なお世話ではありますが。

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