2009年6月11日木曜日

感無量


多分小学校3年か4年生くらいのことだったのだろうと思います。え?なんのこと?と言われるかも知れない。もちろん初代ガンダムの初放映の事です。
当時はわけも分からずに見ていました。そしてなんだかいつの間にやら放映は終わってしまっていました。しばらくするとプラモデルが発売され、いつもの如く兄貴が浮かれていたのがうつってしまい、そのうち狂気のガンプラブームが起こっていた、という感じでした。東京ではアニメ新世紀宣言なんてのを後の永野護あたりがやっていたらしいけど、こっちはそんなこと当時の柴田は知りません。

そのうちガンダムシリーズのプラモは行き詰まりが表面化し始めました。他のテレビシリーズは何とかガンダムの後継をと躍起になっていたようでしたが、結果からすれば失敗に終わり、結果本家本元のガンダムシリーズの続編が製作されることになりました。「Zガンダム」です。
思い起こせば初回Zガンダム放映日は柴田の高校受験の前日の事でした。翌日の事はともかく、当然ことながら兄貴と「おおー」とか言いながら、ガンダムMK-Ⅱが画面上で動いているのを見て感嘆の声を上げていたのでした。


「Zガンダム」初回放映当時から「リアル」とは何ぞやという感じで、初代ガンダムから遥かにディティールの増やされたモビルスーツたちが画面上を乱舞し、またそれを眺めていました。
それらは時を追うごとに先鋭化・肥大化・恐竜的進化を遂げ、あるときは先祖がえりをしつつも後年、リデザインというのか、一体全長18メートルという大きさとは視覚的にどういう風に映る物なのか、という観点から再構築されたりしたりしなかったり。何はともあれ「リアル」という合言葉の元に高解像度、高密度情報を注ぎ込まれ、そのディティールや細部構成は成長し続けました。
ターニングポイントは模型誌「モデルグラフィックス」誌上で展開された「ガンダム・センチネル」だったのだろうと思います。そこでカトキハジメ氏によってリデザインされた初代ガンダム中で登場したモビルスーツたちは、様々なフォロワー達によってあちこちで絶大なリスペクトを受け、ガンダムにとっての本編である「アニメ」上でそのデザインが採用されたり、さらにはガンダムの続編でカトキ氏本人が新ガンダムのデザインを担当するまでに至ります。

その後も色々あるのですが、めんどくさいので割愛。
もうひとつのターニングポイントはアニメ「装甲騎兵ボトムズ」中に登場する兵器「アーマード・トルーパー」通称ATの想像上の1/1モデルを作ってしまった人(個人)がでてきてしまった事でしょう。
それはデザイナーのイメージソースにもあった素材としての「鉄」をそのまんま加工して作られたもので、言葉でしか通用していなかった「リアルロボット」を現実(想像上での、という注釈はつきますが)の大きさのオブジェとして、鉄という素材の圧倒的な質感を纏ったうえで立体化され、一般公開されました。
簡単に言えば「あ、できるんだ」ということであったのでしょう。今回の1/1ガンダムの立体化にあたり、このコウゴロウ氏のATの存在は極めて大きなものであったかと思います。


そして今回。1/1全長18メートルの初代ガンダムが立体化されました。当初心配された1/1に移行された時の立体化データの「玩具っぽさ」加減は、この30年にも亘りファン達によって投入され続けた「リアルさ」という記号・情報の大量投入によってかろうじて免れ得たのかな?という感じです(それでも頭部の何ともいえない嘘っぽさは、何ともしがたい感じです)。感無量です。
それこそリアルタイムで「ガンダム」というキャラクターの成長を見守り(?)続け、こんな立体物を目の当たりに出来る時代までこぎつけた、というかなんというのか。


でも1/1の写真を目の当たりにして思うのは「やっぱりこんな兵器はありえねー」ってとこでしょうか。いくらミノフスキー粒子が実用化されたとして、有視界戦闘が主流になったとしても、こんなに目立っちゃあ「当ててくれ」ってなもんじゃないですか。よっぽど「戦闘行動におけるレギュレーション」が変更されない限り、こんな兵器はありえんなーと強烈に思わせてくれる副産物付きの立体化でもありましたね。

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