2010年3月7日日曜日

ディーラーでの日々

今となっては全て過去の話になってしまいましたが、私が在籍していた頃はこんな感じでした。

朝はそれでも8時半には出社している、というのが決まりでした。で、私の自宅から営業所(途中から「○○営業所」といういい方から「○○店」という呼称に 変わりました)までは平日で40分ほど、土日でも30分ほどもかかるところでしたので、平日の場合はそれでも7時半過ぎ。うーんそれでも7時45分ごろに は起きないと間に合わなかったような感じですね。つまりは起きて5分後には身支度をしてクルマに乗っているということ。

当然朝ご飯など食べている暇はありません。まだ当時はタバコを吸っている時期でしたから、一服くらいしていたかもしれませんが。

で、毎度の如く8時半ギリギリに出社です。で、そこから展示車を洗い(当然のように洗車機に入れています)、所内を掃除して、9時に朝礼。そこから、今で も何をそんなに喋ることがあるのかよく憶えていない営業会議に入ります。会議室は2階にありましたので、まるで死刑台に登るような気分でしたね。
で、これが長いときには1時間とか2時間とか。ですから会議が終わると10時とか10時半というのはザラでした。事務のお姉ちゃんには「何をそんなに話を することがあるんですか?」と聞かれても、話を聞いていないので答えようがありません。というより聞きたくもないので終わった瞬間に記憶が飛んでいる、と いうほうが正解です。

酷いときには会議が終わるとお昼なんて時もありました。それでいきなり「お昼の報告」がありますから、これまた酷いものです。何を報告するって言うの?営業時間なんて無いも同然なのに。

営業会議(朝のミーティング)のうろ覚えの内容は、まず、今日の受注予定の書き出しと、昨日までのホット(1週間とか10日くらいで結論が出そうな見込み 客の事)の状況、商談予定先の確認。あとは見込み客の進行状況報告というところでしょうか。あとは今週の各自の目標台数の確認と、ああでもないこうでもな いという所長の愚痴とも何とも付かないお説教くらいだったかなあ。

新車販売に関しては、成績判定基準が「月内に何台新車登録が出来るか」ですので、それに先立つ車庫証明が間に合う最終提出期限日が近くになると、空気がピ リピリしだすことになります。あと何台、とか、この話は車庫証明だけでも先に貰えないか?だとか。お客さんの側からすれば、こんな話が中で行われていよう 事など露知らないことでしょうけどね。
で、何台足りない、とか言うと「誰が何台、あの人が何台」と台数を割り振り始めるのです。別にそれをやったところでどうなる訳でもないのですが。まるでどこかの国の補正予算みたいなものかもしれませんねえ。今にして思えば。

絶望的に足りない時にはどうするか?
どうやったら基準台数にまで持ってくることが出来るかを話し合うのです。と言っても、こんなところで会議なんかしていたって台数が出来るわきゃないだろう、とは思うのですが。でも何か方策は無いか?と上司は真剣でした。馬鹿馬鹿しいにもほどがありますが。
で、一度だけ真顔で「それが分かっていれば既にやってますよ」ってニコリともせずに返答してやったら「お前はもう下に行ってろ」って言われた事があります。これほんと。
会議の途中で「カタログが欲しいという方が見えてます」なんて呼ばれると会議室へ戻って来た時が大変です。いきなり「買ってもらったか?」ですからね。この人頭おかしくないか?って真剣に思いました。

そんなこんなで、やっと会議が終わると、もう時間はお昼近くです。もちろんこんな所に長く居たくはありませんから、さっさと出かけます。だって、事務所に用事など無いですから。
で、その後、営業所では地区本部と本社へ3時の報告と6時の報告があるわけです。まあ、3時の報告は営業所の方で適当に済ませていたはずですが、6時の報 告の頃には電話がかかってきます。「1回、締めをするから帰って来い」というわけです。別に帰って何があるわけでもないんですが。
でも実は報告の時間はこれだけではなくて、8時の報告なんてのもありました。土日の別名である「イベント」になると10時の報告なんてのもありましたねえ。

ちなみに、報告事項というのがこれまたいっぱいあるわけです。受注台数に可能台数(登録可能の意)、ホット発生件数に査定件数。車検予約に法点(法定点 検)予約に無点(無料点検)。携帯電話に新規保険にトヨタカードなんてのもあったなあ。あとマイラインがどうたらなんてものもありましたねえ。流石にドリ キャス(セガのゲーム機で「ドリームキャスト」のこと)の販売台数報告はなかった気がしますけど。あれはAUの方でやってたんだっけか。

で、呼びつけたついでにこれからの訪問予定と商談予定を聞かれるわけです。おまけに今日の今までの状況と「あと何台は(受注報告を)入れたい」というお話ですね。これが6時半とか7時の話です。
で、これからが夜訪(夜間訪問の略)と呼ばれる夜の営業活動の時間です。何もなければ事務仕事という事になりますが、大概事務所内の空気は澱みきっていますので仕方なしに夜の闇へと消えて生きます。
既に商談予定のアポでも入ってた行く先ならばともかく、こんな時間にいきなり行って買ってくれといわれて喜ぶ方がいるはずもなく、大概が馴染みのお客さん のところに行って遊んでくるだけか、夜のドライブをしているだけなんですけどねえ。セールスの中には自宅に帰って晩御飯を食べ、お風呂まで済ませてさっぱ りして営業所に第二の出勤をするために帰ってくるという人もいましたね。

で、早ければ8時半くらい。普通は9時半とか10時くらいになると、そろそろ「今日の締め」をするから帰って来いと連絡があります。もっとも電話の最初で 「どうだった?」と必ず聞かれますから、あちらとしては聞きたいところは既に聞いているはずですから別に帰る必要も無いはずなんですが。

で、帰るのが面倒くさい時には「まだ商談中です」とか、「まだお客さんのところなんで」といって電話を切ろうとするんですが、最後に「条件の事なら出来るだけの事はするから、何時でもいいから電話をくれ」と必ずといって良い程言ってきます。うるさいなあ、もう。

で、やっと静かになると自分の事務仕事が出来るので、用事があればそれから営業所に戻って自分の時間がやってくるというわけです。

毎日がこんな感じだったので、大概帰りは10時以降。家に着くのが11時とか、11時半とか。そんな感じでしたねえ。今はそれほどでもないみたいですけど。
お客さんの側からすればどうでもいい話なんですけどね。ですけど、私はこんな感じで毎日を過ごしていました。よくやったなあ、と思います、自分でも。でももうあんな馬鹿馬鹿しいことをやらされるところには戻りたくないなあ、というのが本音ですね。

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