2007年12月27日木曜日

続・過給エンジンについて

続きです。
ピストン1発の最低容量、というお話まで行ったんですよね。うん。
そこから、最高出力という話になると、どこまでエンジンを回せるか、という話になっていきます。F1なども排気量はレギュレーションで決められていますから最高出力を狙う限りは、上限回転数を如何に引き上げるかに注力していたわけです。
最終的には2万回転をオーバーだったとか。恐ろしい話です。最も、その後のレギュレーションで、エンジン開発そのものが凍結されてしまいましたが。(給排気系は除く)
ただし、最高出力が幅を効かせるのは、主にクローズドコース、つまり、サーキットなど路面状況が安定した周回コース上のことです。一般道のようなオープンコースでは、常にエンジンを回しっぱなし、というわけにはいきません。信号もあれば、凸凹もあるし、急な変進もあれば、常に舗装道路ばかり、というわけでもありません。一般道に近いコンディションで行われるレースといえばWRCがあります。
WRCの世界では「如何に低い回転域から安定した高トルクが維持できるか」という事にエンジン開発の主眼が置かれているようです。その最高トルク達成回転数は2500~3000回転なんだとか。これなら、僕でも普段使っている回転数です。

今時の自動車おけるトピックスはなんといっても二酸化炭素の低減です。
まあ、この是非や背景にも言いたい事はあるのですが、ここで書くと、収拾がつかなくなりますので今回は凍結。
さて、単純に言って現在の機械では、仕事をさせればさせるほど二酸化炭素の排出量は増えます。では、どうするか。論法は2つです。別のエネルギー発生機関に移行する。現在の技術を、よりレベルアップさせて効率を上げる。
別のエネルギー機関としては、電気であったり、水素であったり、という研究がありますが、これらは現在、発展途上。ブラッシュアップとしては、日本では直噴エンジンですとか、あちらさんではディーゼルであったりとか、バルブトニック、TSIなど。中間的な存在としてハイブリット車なんてのもあります。

今回話題に採り上げた「過給エンジン」は、「効率の追求」という面で今時の環境対策車として再注目をされています。これが、前回GT-Rのエンジンを「20年前の設計思想」と評した理由でもあります。

この辺で息切れがしてきましたので、今回はここまで。
また次回。

2 件のコメント:

コロパパ さんのコメント...

僕には、R32GT-Rも新しいR35GT-Rも似たようなコンセプトで作られているように思えます。前者は日本で1番速い車を、後者は世界で1番速い車を作ろうというコンセプトです。当然、両者の間には技術的には隔世の感があるでしょうし、事実(雑誌を見る限り)、R35GT-Rはポルシェより速いかもしれません。

全く個人的な見解ですが、新しいGT-Rはお金持ちのGT-Rファンの所有欲を満たすには十分でしょうが、日本で新たなファンを得たり、世界で(特にヨーロッパで)認知されて売れるのは少々無理かとも思います。
世界有数の速さをもつポルシェもR35GT-Rも日本でその性能の半分も発揮できないでしょう。それでも、少人数でしょうが高性能車の所有欲をかき立てられるお金持ちがいます。それが昔からのGT-Rの信奉者か、より広い世界の人々かの違いでしょう。
ポルシェなどの欧州車とは、まだまだ車の持つ歴史の重みが違います。
メルセデスに対し、性能・品質的には同等で値段は安いレクサスが、なかなか売れないのと同じように思います。
NISSANには、頑張って改良を続けつつ、GT-Rを作り続けて欲しいと思います。

hiro さんのコメント...

いつもコメントありがとうございます。
今、思うに、R32GT-Rは「レースに勝つ」という明確なコンセプトと、当時日産内で行われていた、技術で世界一になるという「901活動」とがうまく連動して、類まれなプロダクツになりえたとのだと思うのです。

ところが、保険でいう「前年同条件」という意思と情熱の無い開発姿勢、まったく意味のないローレルとのプラットフォーム共用化などの諸条件が、R33GT-Rを「-17秒の~」という訳の分らない広報戦略に走らせ、当時ですらポルシェも「意味のない戦略」と評した「ニュルブルクリンク サーキット」のタイムに固執する、という愚かしい戦略になってしまったのですよね。

結局はR34もR33と同様、クルマとしての奇形化を止められず、正常進化を見ることなく自然消滅してしまいました。では、今回のR35はどうか、といえば、確たるコンセプトを見出せず「発売する事」が至上命題になってしまった感があります。
そして、出来上がったプロダクトを見るにつけ思うのは「GT-Rというブランドのセルシオ化」、これですね。材料としては元はミニバン用のV6エンジンと、おそらくはスカイライン用とさして変わらない(その大元はZ、もしくはステージア用)車体設計。
外野からすれば3.8ℓも排気量があるならV8とか、過給を考えればV10でもいけたと思うのですよね。

おそらくスカイライン伝説は僕の知らない「ポルシェに1周だけ勝っちゃったレース」に、そのトラウマの端を発するのでしょうが、もういいっちゅうの。そんな化石に引っ張られること無く、正しい自動車の進化を見せてこそ、と思うのですがねえ。