2007年12月12日水曜日

再び、タイヤのお話

再びタイヤについて。コロパパさんからのご質問にお答えした文章を書いていたら長くなってしまったので、本日の記事に昇格です。

以前の職場の中で、ミシュランに対するイメージは「硬い」「乗り心地が悪い」「持ちがいい」「値段が高い」など。
では、自分で買ったことのある人は?というと当時はゼロ。営業所内では自分が初めてのミシュランユーザーでした。クルマ屋(トヨタディーラー)の従業員といえど、タイヤに対する意識はそんなモンで、安い奴ならなんでもいい、というのが一般的でした。当時、営業所に出入りしていたタイヤ屋さんはグッドイヤーの特約店でしたから、車検時に一緒にタイヤ交換を依頼されたりするとグッドイヤーがはまっていることがほとんど。まあ、いいけど。

ミシュランの良い所は、先の印象がキーワードです。おしなべて「硬い」といわれるミシュランですが、ちょっと言葉を補足すると「硬い」のではなく、ケース剛性が高いのです。以前、耐震強度不足に関して、鉄筋の数が少ない、という事が話題になりましたが、まさにこれですね。
つまり、中に入っている鉄筋の強度や本数、ワイヤーの組み方などが違うのでしょう。ではケース剛性が高いと何がいいのか?一言で言えば、ダイレクト感ですね。地面からの情報がタイヤを通じ、運転している人間に伝わってくる。そこに至るまでには少々の間があります。人間の感覚というのは、結構いい加減な所がある反面、非常に鋭敏な所もあるんですね。この微妙な違いが心地よさ、安心感につながってくるのです。
人によってはミシュランのタイヤの感触を「地下足袋の心地よさ」という表現をする人がいます。自分もそれに賛成。例えばドライビングシューズと呼ばれる靴があります。あの靴は歩く為のものではありません。アクセルペダルやブレーキペダルを踏んでいる感触とペダルからくる反力をきちんと感じるための道具です。ですから足の裏はペラペラです。nikeのエアマックスのような構造では衝撃吸収には優れていても情報収集には劣るのです。

ゴムの質については、詳しく語るほどの知識が柴田にはありません。
以前、マークⅡに乗っていたとき(平成10年12月~平成14年5月)のことです。当時は年間に35000キロくらい乗っていたので、少々早めではありましたが、1年に1セット(4本)タイヤを替えていました。結局そのクルマは3年半ほどで赤信号無視のクルマに横から突っ込まれ、全損となってしまいました。でも、そのクルマは貴重な体験として、次から次へと違う銘柄のタイヤを試して乗る、という経験をさせてくれました。
最初はライン装着のトーヨー。印象が薄かったですね。とにかく軟らかい、という感じ。静かな乗り心地も最初の3ヶ月くらいまでかな?半年くらい経つと、カーブでキュキュッと音がし始めてました。このとき既にタイヤを替えたくなっていましたが溝がまだ残っていたので我慢してました。
お次はちょっと良い評判を聞いていたので、期待して住友ダンロップのデジタイヤ。でもトーヨーと比較して多少はマシ、という感じ。あんまり変わりませんでした。乗り心地の変化や音の出始めの時期も似たり寄ったり。
3セット目でミシュランにしました。先の2本に比べると多少ロードノイズがあるかな、という感じはしましたが、特に気になるレベルではありません。運転感覚は最初に書いた通り。今こんな路面を走っている、というのが判る感じ。この辺は先の2本には無かった感覚でした。感心したのが、こういう初期の感覚が、結果的には1年半ほど、このタイヤを使っていましたが、最後まで変わらなかったこと。(しかも減りが遅い)
当時は考え事をしながら走ることが多かったので、あっと思い、急ブレーキを踏むことが何度かありましたが、ミシュランはその直進方向には若干すべるなあ、という感じはしました。ですが、カーブで音がしだすまでは1年以上かかりました。1年半ほど乗って、やっとすこし音が出たかな、という感じだったのでそれを機会に次のタイヤに換えたのです。気持ちは、次のタイヤを履いてみたくて仕方がなかったので。
最後に履いたのはピレリ。印象としてはデジタイヤとミシュランとの中間といった感じですかね。あまり良いグレードでもなかった、という事もあるのでしょうけど正直期待はずれでした。

参考になるかどうかはわかりません。ただ、思うのは、ミシュランの印象だけが際立って違っていた、ということでした。作りが異質、という感じです。似た感じとしては、ベンツです。「~だから、こういう作り(仕組み)になっている」という感じの。伝わりましたかね。こんな文章で。

今日はこの辺で。

2 件のコメント:

コロパパ さんのコメント...

なるほどなるほど。
車のタイヤというと、乗り心地(というか運転のしごこち)に関しては、トレッドパターンと扁平率しか気にしてませんでした。
ミシュランを試してみたいけど、今のタイヤはまだまだ溝深し。半年で4000km弱じゃあミシュランを試せるのはいつの日か・・・。

hiro さんのコメント...

記事中では書き忘れましたが、もう一つミシュランの特徴を。ミシュラン以外のタイヤではタイヤのサイドの部分に黄色と赤のペイントでマークがしてある箇所があります。どっちがどっちか忘れたのですが、そこにバルブの位置を合わせるようにしなさい、という事なのだとか。
タイヤの交換作業にはバランス取りという工程があります。そこに位置を合わせると補正の為のバランスウエイトが少なく、回転バランスが合いやすい、ということだそうです。
ところがミシュランにはそのマーキングがありません。メーカーに言わせると、「ウチの製品は精度が高いから、そんなことする必要がない。どこでも合います。」とのことです。まあ、それでも多少のウエイトは必要みたいですけどねえ。
とにかくプライドも高いのです、というお話でした。